-植物の智恵-
(受粉の不思議)
再び『耳順』です。
赤く咲くのはケシの花~
白く咲くのは百合の花~
どう咲きゃいいのさ この私~
夢は夜ひ~ら~く~
昔、朝から晩までこの曲がテレビから流れていた時代がありました。
そうですね!
今回は植物の話をすることにしましょうか。
百合の花!!
初夏の花屋さんの店頭を、その強い芳香と優美な姿で彩る百合の花。
『立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花』
その大きな百合の花の中を覗き込んでみましょう。
真中にめしべがあり、その回りを取り囲んで6本のおしべがあります。
そのおしべの先端には花粉がびっしりと付いて、虫の飛来を待っています。
強い香りも虫を誘うのに大いに役立っているようです。
さて、百合の花の中を覗き込んで、私は以前から疑問に思うことがありました。
蜂や蝶に花粉を運んで貰って、他家受粉することを最大の目的としている筈であるにも拘わらず、花の中はおしべとめしべが余りにも近づき過ぎている。両者に僅かな高さの違いがあるとしても、ちょっと強い風でも吹けば、そのまま自家受粉するであろうと思われます。
本来は他家受粉したいのに自家受粉してしまう。
これでは顕花植物が綺麗な花を咲かせる意義が失われてしまうではないか。
もし万物創造の神様から、百合の花の設計に関する全権を委託されて、この問題を解決するとしたら、私ならどうするだろう?
貴方な~ら、どうする~
-この項、続く-
by 耳順