どぶの臭い、機械油の臭い、獣臭いが入り混じったような
もので、灼熱の暑さがその臭いを一層際立たせていた。
上海のフェリーターミナルに降り立った私と親友は、
船で知り合った学生(過去ブログ参照)と意気投合し、
その日は皆で行動することになった。
まずは、宿探しである。
3~4人で一部屋を格安で借りれるホテルを探すことになった。
結局、3時間ぐらい彷徨い歩いてようやく見つかった。
レトロ調の古めかしいホテル(名前には賓館とついていたが)
であった。
鍵がかからない部屋で少々物騒ではあったが、一人ではないという
安心感が気持ちを大きくさせていた。
一応冷房がきくみたいだし、ベッドのリネンも清潔であったから
よしとしよう。
明日から皆それぞれの旅が始まるのだ。
景気付けに、皆で中華のフルコースをと、わざわざ現地の人しか行かない
ような店を探した。
香辛料やシャンツァイ(コリアンダー、パクチー)は初体験の味覚
であった。
仲間の誰かが、中国のテーブルクロスは汚すためのものなので
鶏の骨などは、そのままクロスに捨て置けばよいのだ、と
言い出した。
皆、それに忠実に従い、たちまち純白のテーブルクロスは鶏の骨や
上海蟹の甲羅が山積みとなり、油やタレがクロスの模様と化した。
今から思えば、店の人に申し訳ない気持ちでいっぱいである。
とにかく鱈腹食べて一人15元程度だったように思う。
(当時1元が12円くらいだったから180円。)