深夜特急に憧れて。5 〜上海の夜〜 | 中辻 隆徳のブログ

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真夏の上海は、何ともいえないにおいが漂っていた。

どぶの臭い、機械油の臭い、獣臭いが入り混じったような

もので、灼熱の暑さがその臭いを一層際立たせていた。

上海のフェリーターミナルに降り立った私と親友は、

船で知り合った学生(過去ブログ参照)と意気投合し、

その日は皆で行動することになった。

まずは、宿探しである。

3~4人で一部屋を格安で借りれるホテルを探すことになった。

結局、3時間ぐらい彷徨い歩いてようやく見つかった。

レトロ調の古めかしいホテル(名前には賓館とついていたが)

であった。

鍵がかからない部屋で少々物騒ではあったが、一人ではないという

安心感が気持ちを大きくさせていた。

一応冷房がきくみたいだし、ベッドのリネンも清潔であったから

よしとしよう。

明日から皆それぞれの旅が始まるのだ。

景気付けに、皆で中華のフルコースをと、わざわざ現地の人しか行かない

ような店を探した。

香辛料やシャンツァイ(コリアンダー、パクチー)は初体験の味覚

であった。

仲間の誰かが、中国のテーブルクロスは汚すためのものなので

鶏の骨などは、そのままクロスに捨て置けばよいのだ、と

言い出した。

皆、それに忠実に従い、たちまち純白のテーブルクロスは鶏の骨や

上海蟹の甲羅が山積みとなり、油やタレがクロスの模様と化した。

今から思えば、店の人に申し訳ない気持ちでいっぱいである。

とにかく鱈腹食べて一人15元程度だったように思う。

(当時1元が12円くらいだったから180円。)


胃袋が満たされ、店の前で撮影