言葉は時として武器になる


なによりも鋭利で

なによりも苦痛をあたえる



人はそれを


平気で振りかざす


わざとではない


ただ気にも止めないだけ



だが

人は自分が言った言葉が相手に与える影響を

知ることは無いに等しい



何故なら

万人には無害かもしれないから



だからといって私達は

無視してはいけない



少しでいいから

自分が言ったことを振り返ってみて欲しい



手遅れになるまえに

深夜、

周りに人などない

車などもない

静寂漂う

踏切



ぼくはただ、

何を思うでもなく

真ん中に佇み

ボーっと線路を眺める



なぜだかぼくは

例えようのない幸福感に包まれた気がした




カーン、カーン、カーン


一時の至福を切り裂く音に


ぼくは「生」へと

腕を引っ張られる



ぼくに残されたのは

ただの喪失感



『過去』を過去にするのは

どうすれば出来るのだろう...




何度も忘れようとした




でも、そうする度に

『過去』は『今』を蝕んでいく




過去に囚われた僕は

世界にひとり
ポツンと取り残される



今を生きるというのは
なんと難しいことなのだろう