Aliceの暇な色々

Aliceの暇な色々

日常の合間に書き綴ったものを投稿していきます。何かやる合間の息抜きとして書いているので更新も不定期かもしれません。

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そんなこんなで当日になってしまった。そしてこの日が私にとっての分岐点でスタートラインになるなんて今のんきに朝ご飯を食べている私は想像もしてなかったのであった。





 平穏無事に今日も一日の授業を終えた私はいつものように帰宅してベッドでのんびり・・・とは
いかなかった。
「さて、準備しなきゃ。」
今日はこのあと夢前さんの誕生会に行かなくちゃならない。当の夢前さんは園芸部があるし不知火先輩も色々大変らしく開始は夜からというわけだ。
「プレゼント・・・持った。よし、忘れ物ないよね。」
念入りに持ち物確認。よし、完璧。時間も余裕ある!
私は荷物を持つと自分の部屋を飛び出した。





 「「ハッピーバースデー!」」
私と不知火先輩がクラッカーを鳴らす。
「わぁ~ありがとうございます~。」
クラッカーの音にもいつも通りほんわかしてるけどこの娘どうやったら驚くのかしら・・・。
「春瑚誕生日おめでとう。これは私からだ。」
不知火先輩が包みを渡す。
「な、中身はあとで見てくれ。べ、別に恥ずかしいとかではなくてな・・・。」
「はい~わかってますよ~。」
不知火先輩のそんな様子にもさすがに慣れた様子で不知火先輩のプレゼントを脇に置く。
「さてパーティーを続けようか。」
その後も誕生会は続いた。





「お邪魔しました。」
「うむ、またいつでも来てくれよ。」
誕生会も終わり、私と夢前さんは不知火先輩の家を後にした。
(やばい、結局まだプレゼント渡せてないよ)
ほんと何やってたのかって感じだけど不知火先輩が渡したあのタイミングで渡しそびれてから
なんとなく言い出せずに今に至ってしまった。
「夢前さんあの・・・。」
「はい~?」
「えっとあの、その・・・。」
こういうときってなんて切り出せばいいの?教えて誰か~!
頭の中が混乱してその結果出てきた言葉は、
「・・・ちょっとお散歩しない?」
なんで、私ほんと何言ってるんでしょう。





お散歩なんて訳の分からない提案に乗ってくれた結果、私たちはこの前お花見した桜の木の近くを二人で歩いていた。
「もう桜も散ってきちゃってますね~。」
「そ、そうだね。」
さてここまではどうにかなったけどどのタイミングでプレゼントって出せばいいの?
もういっそさらっと何でもないように渡せれば楽なのに。
「そういえば部活決めました~?」
夢前さんの急な問いに私は少し驚く。
「そのこと話したっけ?」
「はい~前にお聞きしてそれからちょっと気になってたもので。」
その問いかけに急に現実に引き戻されたようだった。私は結局何も進めてない。ただこの娘と
知り合ってそれで仲良くなったけどそこについてはただ目を背けてただけなのだから。
「夢前さんはさ・・・。」
私はずっと頭にあったことを聞いてみた。
「なんで園芸部なの?なんでそんなに楽しそうなの?」
この娘は花や植物をいじっているときとてもいい顔で笑う。それは私には出来なくてちょっとだけ胸の中がモヤモヤするんだ。
「そうですね~やっぱり好きだからですかね~?」
「それだけ?」
「それじゃダメでしょうか?」
「ダメじゃないけど・・・。」
それじゃ私にはそんな笑顔なんて出来ないって思い知らされるだけだ。
私には何もない。好きなこともやりたいことも。
「じゃあどうすればいいのよ・・・。」
自分でも知らないうちに涙が出てきていた。立っている気力もなくてその場に座り込んでしまう。
「私だって何かに夢中になりたい・・・でもその何かって何なのよ・・・分かんないんだよ。」
ああ最悪だ、こんな泣き言言うなんて。しかもこんなお祝いの日に。
「大丈夫だよ。」
優しく私の頭を抱きしめてくれる。ふわりと優しい花の匂いがして心が安らいでいく。
「きっといつか何か夢中になってそれがあれば楽しくなれることが見つかりますよ。大事なのはそれを探すのを諦めないことですよ。幸運を運ぶ四葉のクローバーだって探してればいつかは
見つかるんですから。」
温かい体温とその言葉に私の心が解けていく。もういろんな感情が抑えきれなくなる。
「う・・・うわぁぁぁぁぁん!」
「ゆっくりでいいんですよ~。私はこれからもずっと一緒に居てあげますから~。」
それからしばらく私が泣き止むまで夢前さんは頭を撫でながらずっと抱きしめていてくれた。





「落ち着きましたか?」
「・・・なんかごめんなさい。」
「いえいえ~。」
とても恥ずかしいところを見せてしまった気がする・・・。
「あ、そうだ。」
ここまで恥ずかしいところを晒したのだ、もう何も怖がることもないだろう。
「これ渡しそびれてたんだけどさ。」
私は小さな紙袋を手渡す。
「誕生日おめでとう。」
「はい。ありがとうございます~。」
その笑顔は彼女がいつも植物たちに向けている笑顔と同じくらい眩しかった。





ここからは後日談。結局私は中学と同じ部活に入ることにした。
ゆっくり考えればいいなんて言ってもらったけどそれじゃ今までと変わらない。私は変わりたいのだ出来れば彼女のように太陽みたいに笑えるように。そこで考えてみたら何だかんだで私はこのスポーツが好きらしい。この決断が本当に正しいのか答えが出るのはそれこそずっと後になるだろうけど出来れば正しかったと思えるようになりたい。
部活のランニング中に夢前さんと出会う。
「あら~練習頑張ってください~。」
「うん、あとで電話するね。」
「はい~。」
お互い部活があって一緒に帰ったりは出来ないけどたまに夜電話したりしてる。今週末は一緒に
ショッピングに行く予定だ。
不知火先輩にはたまに勉強を習ったりしている。夢前さんとの仲も相変わらずなようだ。
何も変わってない。私はいろんなことをまた悩むだろうしそれは皆そうなんだろう。
けどもう大丈夫だと思う。そんなことを根拠もなくもう過ぎようとしている春の空に思った。



~あとがき~
どうにか書ききった~(謎の達成感)本当はもう少しゆっくり書く予定だったのですが今日になって「あれ・・・はるこみんの誕生日明日じゃん」とか気づきそれまでにはと急いで書き上げましたww
そのため文章的にも話的にもちょっと不完全燃焼な感じはありますがこの物語はひとまずここで
幕を下ろさせていただきたいと思います。(いつか番外で短編書きたいですね)
それではその作品が皆様の一時の娯楽となることを願って。Aliceでした。