ミュージカル「フランケンシュタイン」を観劇しました。


大好きな音月桂さんが出演しているので行ったのですが…

まずは、素晴らしい出演者さん達の圧倒的な歌声に感動
美しい音楽と生演奏に感激☺

桂ちゃんはご贔屓さんなのでもちろんですが、濱田めぐみさんの歌は、やはり素晴らしいの一言に付きます。
さすがですよね❤



で、ストーリーは。

うーん、どうにもこうにも救いがないなぁ。
この作品は、何を訴えたかったんだろう。
何を伝えたかったんだろう。

と私は思います。

考えれば考えるほど
抜け出せなくなりそうで



異端や個性を許さない社会の悲劇なのか

「人であることとは?」を問うたのか



ビクターは、何故あんなに死体を再生させることに執着したんでしょうか。
母への愛ゆえだったんでしょうか。
村人を懸命に救おうとした父は、きっと人格者だったのでしょうに。
姉も弟を懸命に愛していた。
でも、それはビクターの心に響かなかった。

1幕では愛してくれた人々に見向きもしなかったビクターが、2幕では180度別人になっていたのは、アンリを失ったせいなの?

ずーっとビクターを毛嫌いしていた村人が、なぜ急にビクターを受け入れたの?
そもそも、村人はなぜあんなにまでフランケンシュタイン一家を疎まなければならなかったの?

エレン、ジュリア、ルンゲ以外の人々が、あまりに一貫性が無さすぎて、私にはよく理解できなかった。





そして怪物(アンリ)
自分を産み出したビクターを恨み
ビクターを苦しめるために全てを奪い、取り戻しかけた心も無くした怪物

でも、貴方も「死者の再生」というビクターの夢に、自分の夢を重ねたんじゃなかったの?
もし貴方が死ななかったら、貴方もビクターと一緒に誰かの「創造主」となっていたんではないの?
ビクターに実験をやり遂げて欲しくて、自分の命を差し出したのではなかったの?

全ては二人の自業自得から起きた事なのに、どうして二人の命をもって償うことはしなかったの?
多くの人を、当然みたいに巻き込んだの?


もう少し丁寧に、登場人物たちの葛藤や、心の揺れや、震えを描いてくれていたら。

もう少し深く人々の心を探ってくれたなら。

そしたら、共感や涙もあったのかもしれませんが。


現実世界にも、この「フランケンシュタイン」の世界のように理不尽で、やりきれなくて、地を這うように生きている人々がたくさんいます。

今、この時、この瞬間にも。

自分が苦しんだから、苦しめた相手の家族を殺しても仕方ない、なんて許される?



どんな理屈をつけようとも、無関係の人々を無惨に殺した怪物は、「怪物」ではなく単なる「殺人鬼」です。
私には可哀想には思えなかったのです。



この物語の中で唯一胸に響いたのは、
葬儀屋に殺された少年の母の叫び
「息子を返して!」でした。
それは、真の愛、人としての心から出た叫びだから。





いじめや虐待で失われていった人の命が、実際にあります。

残された人の苦しみも。
死にたいほどの苦しみも続いています。


命はもてあそぶべきものでは、決してない。
ましてや、自分勝手な理由でなんて。

自らの復讐のために、無関係の他人の命を奪ってよい理屈なんてない。


何なんだ、これは?



私はそう思って観ていました。