あの頃hokkemokkeだった僕

あの頃hokkemokkeだった僕

受け入れなければならない現実が目の前に現れた。
信じられなくて、
怖くて、
逃げだしてしまった僕、
そして、僕であることを辞めて
僕はその日からhokkemokkeになった。

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由紀恵は今晩は病院で過ごすことになった。明日には自宅に帰ってもよいとのことである。
私は由紀恵の病室に戻り、まだ眠っている彼女の側に座って、
担当の医師の話を思い出していた。

「奥さんは妊娠されていて、6週目に入ってます。おめでとうござます。」そう言いながら、先生は私に背中を向けて
机のうえのカルテをみて、暫く何も言わなかった。

そのあとに続く言葉、、、

肺、影、疑い、血液検査、RNA、精密検査、紹介状、東京、、、、

思い出したくもない単語ばかりの
話が続いた。
心が拒絶してしまい、まともな会話として記憶に残っていない。

私は、立ち上がり窓際にたって、
二日間降り続けた雪で全てを白一色になってしまった景色を暫くみつめていた。

頭の中も真っ白で何も考えられなくて、久し振りの太陽が照らす雪の白さと相俟って自分の魂が白さの中に融けていくような感じがした。

どのくらいの時間が経っただろうか、誰かが私の肩を叩いた。

「すみません、何度も声をかけたのですが。」

振り向くと、そこには先程の看護士さんが立っていた。
そして、白い封筒を私に差し出して、

「まだ、はっきりとしたわけではないので、いろいろ考えるより、
早く東京の病院で調べてくださいね。これ、紹介状です。先生のお父様がこちらの病院で医院長をされています。奥様ははまだ暫くはお目覚めされないと思いますよっ。」

由紀恵と話をしたかったが、
起きてからでは帰り難くなってしまうので、差し出された封筒を受け取り、看護師さんに軽く頭を下げて、同じ部屋の人達にも頭を下げながら部屋を出た。