殆どの場合、コミュニケーションって何だ?
と聞けば会話だと答える。
でも違う。
コミュニケーションって言うなれば単なるおしゃべりの類でしかない!
だから、あんまり意味がないんじゃないかなっ!
そもそも会話をする相手って同じような習慣や嗜好を持っていて、
だいたい自分が合わないと思う人とは進んで話さない!
ビジネスで必要なのは会話じゃなくて対話。
対話となれば別に親しくなかったとしても仕事だから、
価値観や情報の交換や目的に対するプロセスなんかの
相違点についてすり合わせなどを行なわなければならない!
会話は別に相手に対して失礼なことを言わなければ、
別段、気にする必要なんてないが、対話で大切なことは
まずは、お互いに目的を共有しているかを確認しなければならない!
そもそも、お互いが同じ絵を見ていなければ、話が
かみ合わないばかりか、大きな誤解を生みだすことになる。
我々、日本人は対話がどうも苦手な民族らしい!
みんな傷付きやすいんだろうね!
自分が何かについて意見を述べる。
誰かに自分が言った意見を全面否定されたとしよう!
すると自らの人格をも否定されたと錯覚してしまい、
次から発言することを止めてしまったり、
相手のことが嫌いになったり、挙句の果てには喧嘩になったりする。
これが会議で上司の意見に対して反対意見なんて述べようものなら、
『あの野郎! 上司の俺に立てつきやがって!』
本来ならば、革新を求める会議が遺恨てんこ盛りの源平合戦のようになってしまう。
まあっ、昔からの商慣習というか、了見が狭いというか、
僕もメーカー時代、会議で上司のK部長に180度違う意見を言えば、
休憩時間に呼びだされて!?
『藤岡君、俺に何か文句でもあるのか?』
『戦略会議の前に君のところの部署にも合議を取り付けてあった筈だが?』
『君は俺に恥をかかせるつもりか?』とカンカンに怒って言われたことがあった。
当時の僕はマーケティング事業開発室の課長をしていました。
彼は営業第一部の部長で、非常に優秀で仕事は抜群にできるのだが、
めっちゃ、偉そうで、常に部下をグルグル巻きにするのが趣味みたいな人物。
また彼は僕らのマーケティング事業開発室を凄く嫌っていました。
マーケティング事業開発室は取締役会直属の部隊で仕事の範囲も
広範で権限もあった。
だからR&Dや営業部・企画部などにも発言力があったので、
彼にとっては唯一、自らの力が及ばない部署でもあった。
そんな訳だからK部長は事前に一方的に企画書を送りつけてきて、
『今回の会議はこれでいくから!』
内容は東京ビックサイトでの展示会の企画書だったが、
膨大な費用をかける割にはリターン戦略のない粗末な企画書だった。
僕の直属の上司は、『藤岡君、君はどう思う?』
僕は『リサーチもしていないのに投資をする必要なんてあるのでしょうか?』
『見返りの期待も予測も出来ない投資って、それは寄付ですよね!』
チラッと上司を見ると、ニヤリと笑って『これってオカシイよな!』と言った。
結局、営業第一部はこの企画書を部でモンで昇華させることもなく、
戦略会議に臨んだ。
部長のプレゼンは、自社のブランディング戦略でまとめてきた。
だいたいブランディングって大きな花火を打ち上げたからといって
ブランド・イメージが確立される訳じゃないし、ビックサイトで
極めて大きなブースで大々的にするから・・・・・
『おーっ!凄い会社!』
『信用できるぞ!』
そんな単純で拙速な展開もないだろう!
ブランディングっていうものは言わば、顧客からの小さな信用の積み重ね。
小さな・小さな信用が時間経過係数と共にブランディングという形のない
数値化できないけれど、大切なビジネスの根幹ができあがる。
そもそも市場に対して2次元でのチャネルが既に出来上がっているにであれば、
大きな花火を打ち上げて3次元(平面と立体)の戦略によって販売量を一気に伸ばせる
可能性は極めて高いと思うが、現状では意味のない寄付でしかない!
結局、3時間ほど続いた会議は終わり、
この企画は次回に持ち越しとなった。
それで、上からの指示で今回の企画は営業第一部と
マーケティング事業開発室との合同企画という形になり、
一週間にわたってK部長と様々な対話を重ねながら、
時には、喧々囂々となりながらも企画書をつくりあげた。
その結果、企画は承諾されて、東京での展示会で新たな
販売チャネルが5社も構築でき、会社的にも大成功となった!
やはり、対話というものは大切で、展示会以後、K部長と妙に仲良くなり、
週に2回ほど僕のデスクの電話が鳴り、『藤岡君、今晩、一杯どうだ?』と
お誘いがあり、二人で夜中まで飲み歩いた。