老人ホーム現役職員の告白。本当に良い老人ホームとは・・・

老人ホーム現役職員の告白。本当に良い老人ホームとは・・・

老人ホームの現役職員として7年間勤めています。施設内部の出来事を良い事も悪い事も赤裸々に告白。これから老人ホームにご入居を検討されている方々が、より良い施設を選ぶ判断材料としてご活用して頂ければ・・・。

Amebaでブログを始めよう!
私が勤めている老人ホームに入居されている方
の中には、認知症を患われている方が何人か
いらっしゃいます。

認知症というのはご存じの通り、いろいろな症状
として表面に出てきます。



その中でも典型的なものとして「怒りっぽい
という症状がよく見られます。


認知症になったからと言って、その全員が
怒りっぽい」人になるとは限りません。

しかし、比較的に多く見受けられるのも確かです




怒りっぽいといえば、老人ホームの施設内に、Sさんという
女性のご入居者がいらっしゃいます。

この方、ご入居された当初は、老人ホームの廊下で
お会いすると、職員の私達に対しても非常にしっかりとした
ご挨拶をして下さり、厳格でカクシャクとした方で
いらっしゃいました。

現役の頃のお仕事も、ある会社の社長さんをおやりに
なっていたようで、入居された後も、その雰囲気を
漂わせていたのです。

他のご入居者に対しても人当たりが良くコミュニケーション
も問題なくとれていました。



そんなSさんに、多少の違和感を感じたのは以下の一言から
だったのです。。

「いつも使っているポシェットがなくなった」



数人の職員でSさんの居室を探しに行きました。
すると、居間のテーブルの上に、そのポシェットが
あったのです。
誰が見ても、すぐに分かる場所に置いてあったのです。



そして私が感じた多少の違和感が、確実な確信へと変ったのは、
数日後のSさんの以下の言動だったのです。

「いつも使っているポシェットがなくなった」



更に日が経過し、Sさんの言動は拍車がかかり、
同時に苛立ちを見せるようになりました。

ささいなことにも苛立ち、性格が根本的に
変わってしまったのかと思えるほどの変化
を見せ始めたのです。

他のご入居者に対しても怒りの矛先が向くようになり、
ご入居当初の、あの威厳のあるSさんとは比べようもない
様相を呈してきました。

不思議なことに、その頃になるとSさん、足腰の弱さも
目立つようになってきたのです。



そして数か月後、介護棟への移動を余儀なくされました。

ちなみに介護棟とは、介護がなければ日常生活を送るのが
不可能な方がお住まいになる建物です。



現在のSさんは
「~がなくなった」と相変わらず仰っていて、歩くのに
多少不自由なほど足腰も弱くなってきています。

しかし、その言動は落ち着きを取り戻してきたようです。

怒りっぽさも、ある程度落ち着いてきました。


以前のカクシャクとした威厳のような雰囲気はなくなり
ましたが、小さな可愛いおばあちゃんとして、介護職員や
私どもと、簡単なコミュニケーションであれば
交わせるほどになりました。

そして、現在も介護棟で平穏な生活を営んでいます。