不用品のない快適で安全な暮らしを手に入れるために、
溜めたものにも、ていねいに目を向け、手を触れましょう。

一気にものを処分しない方がいい。

やみくもに、雑に捨てると、
自分のこれからの暮らしに大切なものに気づく力、
ゴミに気づく感度が鍛えられず、
管理の力がつかないからです。

阪神・淡路大震災のあと、
私は自宅が延焼を免れたことで、貴重な片づけの機会を得ました。

地震当日、自宅から煙が吹き出すのを見ながら、
「これからは気にいったものだけで毎日を（大切に）楽しもう」
と思いました。
そのときは、力失せた状態だったけれど
自分が溜めこんでいたものを、１つ１つ片づけた体験は、
自分を確認する大切な作業だったと思うし、
いまの自分の根っこになっていると思うのです。

抱えこんだものによって、
自分の大切な空間、快適な暮らしが
奪われていることに気がつくには、
手間をかけることが欠かせない、と思っています。

7月12日の「お知らせ」で、
出張相談の事例で、
大量のレジ袋を処分したいきさつをお伝えしました。

雑に大きな塊として何となく見ていると、
ゴミの山さえも、
「捨てられないもの」に思えたのでしょうね。

アドバイスとして、ひとまず、
レジ袋をていねいにたたむ作業をおすすめしました。
それが、たたみ始めた途端に「ゴミ！」と気づき、
自分がしてきたこと（してこなかったこと）に気づかれました。
（7月12日の記事を参照）

これは、ものすごい気づきだと思うのです。

子どもの作品をたくさん抱えている方は、
「全部とっておきたい」、と言われました。
（7月20日の記事参照）

ものを溜めてしまう方は、
「ぜんぶ必要」と、ひとくくりで言われます。

ひとつひとつに手を触れれば気づくことがあるのに
それをしてこなかったからでしょう。

溜めたものにもていねいに目を向け、手を触れましょう。

不用品のない快適で安全な暮らしを手に入れ、
片づけられるようになるためには、
一気にものを処分してはいけません。

ゴミに気づき、大切に残すものがわかるようになることが欠かせません。

不用品を手放し、快適・安全な暮らしに～ていねいに見る、触れる