日本IBMに関するエントリーが色々な所で引用され,そのためこのウェブログのアクセス数も上がっているようです。文章の引用は歓迎なのですが,この時期にIBM関連の話題でアクセスが上がっていることに若干の困惑を覚えないわけでもない。
報道等でご存知の方も多いでしょうが,日本IBMは4000億円もの申告漏れを東京国税局に指摘されたり,子会社のニイウスコー
粉飾決済事件に絡み強制捜査を受けるなどロクなことがありません。挙句の果てにとうとう年間の売上高は1兆円を割り込みました。労働組合のサイトを見るとさらに物騒な話まで見ることができます(真偽不明なのでここにはあえて内容は書きませんが)。
ここまで悪い意味で話題になってしまえば,そりゃIBM関連でアクセス数も伸びるというものです。正直こんなことでアクセス数が増えたってちっとも嬉しくない。いや,見るなと言ってるわけではないのですよ,もちろん。
日本IBMは一体どうしてしまったのか。…いくら自分のクビを切った会社とはいえ,その動向は気になるものです。なぜならあの会社には同じ釜の飯を食った同僚がまだ大勢在籍しているから。大学院修了後,最初に社会人として過ごした会社のことを忘れられるわけはないのです。
世界をリードするSIerとしての誇りはどこへ行ってしまったのか? 少なくとも今は,ヒトではなくカネのみを重視するという間違った方向に進んでいると言わざるを得ません。もちろん会社なのですから利益を追求するのは当たり前。だけれども,カネを稼ぐのはヒトなんです。会社の業績アップのために今するべきことは脱税や粉飾決済といったカネのインチキではないはずです。ヒトを重視するという,古きIBMの伝統に立ち返らなければいけないでしょう。
ヒトの教育に金を惜しまない。歪んだ評価制度(拙書“巨人からの亡命“も参照)で恣意的な間違った評価を行わない。そして指名解雇をしない。それができる会社なのではないか?