調査を実施したら、調査結果を報告書にまとめて、依頼者に提出することになります。報告書の形式やボリュームや内容は様々なものがあります。
企業の内部で実施する調査の場合には、結論を中心にして、コンパクトにまとめることが求められるかもしれません。
他方企業や官公庁から調査を発注され、その結果を報告する場合には、報告書のボリュームは大きくなります。コンパクトな調査であれば、報告書のボリュームは数10ページのこともあるかもしれません。多いのでは100ページ前後から200ページくらいではないでしょうか?私の経験では1000ページ近くの報告書も見たことがあります(私自身が作成したことはありませんが(笑))。
またWordで報告書を作成するほかに、報告会を開催して1~2時間で調査内容や調査結果を要約して報告することが求められることもあります。この場合には、報告会でのプレゼン用に、パワーポイントで簡潔な報告資料を作成することも必要になります。
報告書の目次構成の例を下に示します。この例では、「1.調査の概要」として、この調査の目的や期間、内容などを簡単に説明した後に、2.以下で実際の調査の報告を行っています。2.以下には具体的な目次を記載していません。ここでは例えば、「2.文献調査」「3.ヒアリング調査」というように、実施したことを実施した順に記載してもいいですし、「2.社会経済動向」「3.消費者ニーズの動向」といったように、内容を論理的に積み上げていく構成でもいいと思います。
最後に調査結果を説明します。調査結果の章では、今回調査してきた結果を説明することはもちろんですが、それに加えて、「この次にはどのような調査を実施したらいいか」「今回調査したこの部分をより深堀りしたら、新たに興味深いことがわかるのではないか」といった提案を、是非盛り込むべきです。それらは、今回調査を実施し、発注者の問題意識や、調査対象の状況がわかったからこそ、得られる見解であり、それも結論の立派な一部と考えられるからです。
委託を受けて調査を実施した結果わかったことは、本来は発注者のものです。従って、調査してわかったことは発注者に正しく伝えなければなりません。わかりやすい日本語を用い、また図や表も使って、正確に、かつわかりやすく説明することが必要です。報告者が発注者に対して、「報告書は自分の頭の中でできている」と言ったという笑い話があります。調査した結果は、発注者に正しく伝えられなければ全く意味はありません。
さらに報告書が備えるべき要件があります。それは「論理性」と「検証可能性」です。
「論理性」は、報告書の記載が、データや資料等に基づきながら、論理的に結論が導き出されているということです。「検証可能性」とは、報告書に記載された情報の出所やURLが明示されているとか、報告書内で実施されている計算の前提や計算式が明示されているなどで、他の報告書を読んだ人がやろうと思えば、同じような結論を導けるように記載されているということです。
「論理性と検証可能性を確保しつつ、調査してわかったことについて、その前提条件、プロセスから結論までを、正しい日本語を使い、かつわかりやすい図や表を用いて、発注者に理解できるように説明すること」、これが報告書を作成するということです。

