ルーとはいつも酔っ払いだった。東方神起の話で盛り上がり
ゲラゲラと馬鹿みたいに笑っていた。
ある時ルーがいつもよりすごい酔っ払っていた。
突然の告白。「私さぁ、実は在日なんだよね・・・」
「なにそれ?」在日の存在についてはほとんど無知だった。
「在日3世なんだよ。でも親が帰化したから国籍は日本人」
「ふ~ん、そうなんだ。日本人でも朝鮮人でも
関係ないじゃん~」
「ありがとう~これからかも仲良くしてね」
「もちろんだよ~あはは~」こんな感じだった。
その時はそんなことどうでもよく、毎日が楽しければいい
としか考えていなかった。それに在日朝鮮人と言われても
ピンとこなかった。詳しく説明されたわけでもないし、
自分でも調べようとも思わなかった。
そして、ルーが在日であることはすっかり忘れていた。