イルザ/ナチス女収容所 悪魔の生体実験
(原題:SHE WOLF OF THE SS)
公開:1974年 アメリカ/カナダ
時間:96分
監督:ドン・エドマンズ
主演:ダイアン・ソーン
評価:☆☆☆☆☆
1970年代アメリカにて、「救いようの無いB級映画」を2本立て3本立てで上映していた伝説の映画館「GRIND HOUSE/グラインドハウス」に於いて、「ナチスプロイテーション」と言うジャンルを築くと同時に、その頂点に君臨する伝説作品。
本作はタチの悪い「B級映画ファン」のみならず、「SMマニア」までも動員する事で、(グラインドハウスでは異例の)ビッグヒットを闇雲に記録してしまい、後に「イルザ/アラブ女収容所 悪魔のハーレム」「イルザ/シベリア女収容所 悪魔の集団リンチ」と言う、どいつもこいつもいちいち素敵過ぎるタイトルの続編が製作/公開される羽目となる。
また、本作を含むそれら3作品は、後に「イルザ3部作」と言う愛称が付けられ、その筋では親しまれている。
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気になる本作の内容なんだが、「第二次世界大戦」に於いて、かの有名な「ナチスドイツ」が実際に行っていた「人体実験」と言う洒落じゃ済まされない題材を、「グラインドハウス」の王道芸である「エログロ」満載と言うか、それだけで描ききっているのだから狂っている。
舞台は「ナチス第9医療収容所」。
そこに圧倒的存在感で君臨する女所長「イルザ(ダイアン・ソーン)」が繰り広げる、「女囚」を対象に行う「第3帝国の為の生体実験」と称した「拷問」の数々が(その描写も含め)最高にトチ狂っているのだ。
・「チフス」や「梅毒」と言った、「致死病原体」の「体内注入」。
・「麻酔無しの解剖」(笑)
・「熱湯釜茹で」による「耐久温度実験」。
・「圧力耐久実験」(爆死)
上記以外にも素敵過ぎる「生体実験」の数々が行われるのだが、それらは作品中に於いて何の「成果」も「結果」も出していないから完璧過ぎる。
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本作は、「グラインドハウス映画界」に於いて「ナチスプロイテーション」と言うジャンルを打ち立てただけでは無く、「タランティーノ」や「ロブ・ゾンビ」を筆頭とした現代の「B級映画監督」とその「作品」に与えた「悪影響」と言う名の「功績」も見逃せない。


