- 鷺と雪 (文春文庫)/文藝春秋
- ¥535
- Amazon.co.jp
北村薫氏 「わたしとベッキーさん」最終巻。
第141回直木賞受賞作 でもある。
あとがきでも書かれていたけれども
たしかに、3部作、どれから読んでも
話が通じないわけではない。
1冊に3話ずつある話も、いちおう 1話完結になっている。
どれから読んでもいいかもしれない。
でも、やっぱり、1話目から、たくさんの伏線があるから
順番に読まないと、やはり面白みは半減する。
それは
”虚栄の市”だったり ”ぶっぽうそう”だったり
そして、1話目では、とても仲の良かった
有さんこと八重子さんが、最終話にも登場する。
個人的に、八重子さんは、明るくて天真爛漫な
普通のお嬢様…のように思っていたのだけど、
”鷺と雪”での、いたずらは、ほんとうに軽いいたずらのつもりだったのか
私には謎です。
なにか、もう少し、悪意があったのではないかと、
最初に読んだときはそう思った。
もしかして、淡路さまのこと 好きだったのかな - とか・・・
もちろん、正解は 本に書いてある通り
軽いいたずらだったのだろう・・・
わたしと若月さんの出会いも、
最初に読んだときは、もう少し出会いがあったような気になっていたが、
よくよく読めば、たったの2回しか会ってない。
3回目はあの電話なのだから・・・
でも、心通わすことができたのは
それだけ、通じるものがあったのだろう・・・
もし、なにもなかったのなら、
二人は、結ばれたのだろうか
最後は、ほんとうに、涙が、自然にこぼれてきた・・・・
でも、
二月二十六日
日本史には必ずでてくる この日。
でも、まじめに勉強していなければ、
この日が何を意味するかわからないだろう。
そんな人が、もし、この作品をよんだら、
きっと、最後は、なのだろう・・・ - だからこそ、北村氏の作品は 難しい・・・とおもう。
だからこそ、おもしろいとおもう。
最後に、
わたしの淡い恋は、かなしくも実らなかったけれども
道子さまの恋は、実ったのも、うれしかった。
そして、
いつの日には、わたしが 想う方とむすばれてくれることを
祈るのみである。
そして、その時には、ベッキーさんも一緒にお輿入れできたら
そんな懐のひろい方と結ばれたら、うれしい・・とおもう。