ますます多くのパイを『クジラ』層が貪るF2Pの現状 | みらいマニアックス !

ますます多くのパイを『クジラ』層が貪るF2Pの現状

モバイルアプリの分析を行っているSwrveからの新しいレポートが示唆するところでは、これまでにより多くのプレイヤーがアプリ内課金で多額の支払をいとわなくなりつつある一方、莫大な課金をする『クジラ』的な課金者がF2Pモバイルゲームにおける支出の大部分を依然として占めている。

同社の最新のマネタイズ・レポートは、同社の分析ツールが対象とする2千万人を超えるプレイヤーから集められたデータに基づいており、今年1月にゲーム内課金でリアル・マネーを投じたのはプレイヤー全体の2.3%だった。

多いとは言えないが、注目すべき増加を示している。Swrveの前年同期のレポートでは、アプリ内課金を行ったプレイヤーは1.5%であった。プレイヤーの平均支出額は調査対象のゲームあたり29.17ドルであり、前年の22ドルから33%増加している。

しかしながら高額課金者からの売上は今年は一層多くなっている。Swrveによると、ゲーム内課金を行ったプレイヤーの上位10%の支出が、この月の全ての調査体調となったF2Pゲームの売上全体の64%を占める。昨年には、上位10%からの支出は全体の50%に留まっていたものと見られていた。

このことを、プレイヤーのうち支出をするものがわずか約2.3%だという調査結果と組み合わせると、F2Pプレイヤーのうちのわずか0.25%が、アプリ内課金の64%という大部分を占めているという眩暈のするような結果となる。この分野の開発者にとって、クジラを追いかけることはこれまで以上に重要になっているものと思われる。

さらに高額課金者の数は増え続けている可能性がある。調査の対象となった期間において、支払いを行っているプレイヤーのうちの20%が5ないしそれ以上の購入を行っている。これは昨年同期の13%から増加しているのだ。






NS: gamasutra  Report: Whales gobble up even more of the F2P mobile game revenue pie


みらい的コメント:


まさに眩暈のするような現状。

高額課金者への依存が日本だけのものではないことから、課金がキレイだろうと汚かろうと、それはおそらく問題の本質ではなさそうだ。高額課金者への依存はいずれにせよ発生する。

任天堂だろうがどこだろうが、この普遍的な傾向から逃れることは難しいだろう。


とはいえ、パレートの法則的に高額課金者への依存はおそらく限界に達している。従って高額課金者への依存をさらに高めようとする施策はゲームの不健全さを増すだけでメリットは小さいだろう。その方向性はこれ以上追求すべきではない。

モバイルF2Pが停滞・縮小しないためには、ベースを広げる他ないだろう。


実際に課金者ベースが拡大しているらしいが、これは興味深い点。

モチベーションの低いユーザに高品質なゲームがアピールし始めたということなら素晴らしい。課金のテクニックが向上したのであればそれも結構だ。F2Pの未来は明るい。

しかしゲームに課金することを厭わない層(≒ゲーマー。おそらくは元コンソール・ゲーマー)が流入してきたのであれば上客の奪い合いだ。コンソールの一方的な衰退か、あるいはモバイルF2Pを含めた共倒れに終わるだろう。