任天堂のインディーズ担当、Dan Adelman氏:インタビュー | みらいマニアックス !

任天堂のインディーズ担当、Dan Adelman氏:インタビュー

$みらいマニアックス !

任天堂のインディーズ担当リエゾン、Dan Adelman氏(営業担当マネジャ。上写真中央):

Q(Gamasutra):インディーズが今すぐにeShopに作品を置くことはできるか。
A(Dan Adelman氏):このことを知らないデベロッパがあまりにも多いが、本当にクレイジーなことだ。もちろんイエスだ。

Q:事前登録がいるか。何が課せられるのか。
A:必要だ。開発ツールが必要になるので。だが登録は非常に簡単なものだ。

Q:以前には独立したオフィスが条件だった。このポリシは変わったか。
A:変更された。これはもともとセキュリテイの観点から定められたものだ。

Q:発売地域ごとに住所の登録が必要と聞いている。なぜか。
A:それは違う。どんな国の人でもNOA(米州)やNOE(欧州)のeShopで発売することができる。

Q:この分野ではSteamがリーダーだ。自社のサービスをどう考えているか。
A:
Wii Uと3DSのコンテンツに対して、デベロッパは、自分で価格を設定する。一例だが、Little Infernoは14.99ドルで発売された。デベロッパは9.99ドルの値引きセールを行なったし、それがとてもうまくいったので、セール後もその価格に変更することを決めた。価格の決定権は完全にデベロッパにある。

アップデートするのも非常に簡単だ。修正が必要な問題を見つけた場合にはパッチを当てることができる。任天堂eショップの他の機能については、専任のチームがあり、新機能の実装ロードマップに沿って開発を行っている。今後リリースが近くなれば、それらを発表することができるだろう。

Q:ツールはどうか。任天堂製の開発キットが必要か。
A:必要だ。だが開発キットはそれほど高価ではなくハイエンドPC程度だ。致命的なものではないだろう。またGDCでは、UnityとHTML5やJavaScriptでの開発が可能にすることも発表されている。

Q:3DS向けとWii U向けでライセンスは同じものか、それとも別々に必要か。
A:別々だが、審査は同じようなものなので、両方のライセンスを取るのは簡単だ。

Q:インディーには支払い条件が重要だ。6000本縛りという制限は変わったか。
A:
機密事項に属することなので、通常、取引条件については話をしないしていない。だが、販売本数のしきい値は多くのデベロッパにとって問題となっているものなので、それについてはきちんとお話ししたい。

まず、しきい値の元になっている考え方を説明させてほしい。かなり以前ではあるがWiiWareの初期にさかのぼると、私たちのプラットホームにコンテンツを出す際に、デべロッパは、仲介となるパブリッシャを入れなくともよいことにした。
私たちは、任天堂がゲームのコンセプトを審査すべきであると信じてはいなかった。それは、最も多く投資しているデベロッパが行うべきものだ。その代わり、デベロッパがゲームの品質を自分でしっかりしたものにすることを促す仕組みを設けたかったのだ。

それを実現するために、しきい値は便利な方法であると考えられていた。残念なことに、売れなかったいくつかの素晴らしいゲームはペナルティを受けることになった。そういうわけで、WiiWareから後のすべてのプラットホームでは(DSiWare、ニンテンドー3DSeShop、Wii UのeShop)、しきい値を完全にやめることになった。デベロッパは、1本から売上を受け取ることができる。

Q:インディーズとの関わりで何が変わったか。フィードバックはもらったか。
A:デベロッパからのフィードバックを積極的に求めて、改善を進めている。

Q:任天堂はレスポンスの遅さで名高い。インディーズが求めるスピードについてどう思うか。
A:デベロッパ窓口の縦割りをやめ、シングル・コンタクト・ポイントとした。全ての質問には原則24時間以内に回答するという内規を設けている。

Q:eShopの運営体制はどうか。よいゲームをプロモーションするといった作業は。
A:私たちは良いゲームが何かを決める立場にはないが、非常にニッチだったり、斬新すぎて理解されにくいような作品についてはそういったことを行うこともあった。先入観なしにいろいろなことができることがインディーズの良い点でもある。

Q:どのくらいのユーザがインディーズのタイトルをDLしているか。
A:答えられない。だがデベロッパは売り上げにはかなり満足しているようだ。

Q:任天堂ハードは他とは違う。特徴を活かそうとするデベロッパをサポートする予定はあるか。
A:
デベロッパが、当社のプラットフォームの特徴を理解し、それを自社のゲームの中心に据えて構築することに決めるのは、素晴らしいことだ。Renegade KidのMutant Muddsは見事にそれを行った。このゲームは多くの点で伝統的な2Dアクションだったが、3DSの3D機能を中心にデザインされている。ゲームのしくみとして、画面の奥行きを使った最初のゲームの一つだ。

Endgame StudiosのFractured Soulはまた別の素晴らしい例だ。ゲーム全体が3DSのデュアルスクリーン機能を中心にデザインされている。中心となるシステムの一つは、2つの画面をくるくる切り替えて、同時に両方の画面に注意を払うというものだ。

これらのプラットフォームの機能が、自分達に開かれている新しいデザイン上の選択肢だと、デベロッパが思っていることは重要だ。もしも意味がないならば、これらの機能を使うのが義務だと感じる必要は全くない。そのゲームにとって何が最善かを把握するのは完全にデザイナーに任されている。なぜなら、素晴らしいゲームを作ることこそが全てだからだ。


原文は長いので部分的に抄訳。

毎度のことではあるが、これは本ブログの理解した内容だ。
Adelman氏の文意を正確に確認したい向きは、原文を参照することを推奨する。


NS: Gamasutra  Nintendo's indies guy tells you how to get your games approved