GREE、米ゲーム制作会社「Funzio」を買収
概要は以下:
・狙いは「有力なゲームとそれを生み出した優秀な開発チーム及び、新しいジャンルのゲームノウハウを獲得する」こと
・買収金額は約2.1億ドル。現金即決、100%子会社化
・Funzioの主なプロダクト
-「Crime City」「Modern War」「Kingdom Age」
(http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=308828&lindID=1)
背景は以下:
・国内マーケットが飽和し成長の余地が減少している
・プラットホームであるOpenFeintを1億ドルで昨年買収し、海外展開に備えてきた
・コンテンツ開発機能として、今回Funzioを買収した
・OMGPOP等との買収も試みていたが、こちらはZyngaに先を越されて頓挫
(http://techcrunch.com/2012/05/01/gree-acquires-mobile-social-game-developer-funzio-terms-are-undisclosed/)
みらい的コメント
国内での成長が限界に近づき、GREEが海外への展開を目指している。
国内のソーシャル・ゲームのマーケットは海外とは様々な点で異なっているが、海外展開にあたっては海外のやり方にあわせていく必要がある。ケータイ&ガチャ課金の国内市場からブラウザ&アイテム課金の海外市場へということだ。
まずはOpenFeintを買収してグローバルのプラットホームを整え、次いで海外で売れるコンテンツをつくれるデベロッパを買収したというのが今回の件。10億ユーザを目指すというのもハッタリではない。GREEは北米の巨人Zyngaやそのプラットホームfacebookとガチで戦う体制を着々と整えつつある。
ちょっとおもしろいのは、今回買収したFunzioが得意とする分野は典型的なソーシャルゲームではなくもう少しハードコア寄りのゲームだということだ。(techcrunchでは「ミッドコア」と呼んでいる)
以前のエントリで紹介したAeria Gamesもやはりこの領域を得意としており、毎月百万人の新規ユーザを獲得するなど業容を急激に拡大させている。ソーシャル界隈の主戦場は、典型的な従来のソーシャルゲームから、このようなミッドコアレンジに移っているのかもしれない。
現在はまだ細分化されているCS機、ソーシャル、モバイルといったプラットホームだが、互いの差異は今後急激に消滅するものと本ブログは予想している、ミッドコアの活況は、そういったソーシャル側からのキャッチアップとして理解できる。
また国内の高い利益率を支えている違法スレスレのガチャ課金がいつまでもオイシイビジネスであり続けるかも疑わしい。ビジネスモデル的にも国内と海外のマーケットは似通っていくだろう。
そのように考えると、GREEは正しい方向に着々とコマを進めていることになる。
GREEの急成長の裏には、こういった正しい手を打てるだけの戦略性があるではないか。パクりとガチャ課金で一山当てた虚業企業という理解は、一面の真実でしかないのだろう。GREE、侮り難し。