元スクエニUS／CEO：ソーシャルゲームのブームはじきに終わりを迎える

ソーシャルという熱狂の大潮流の中、あえて疑問を呈する声は少ない。しかしMike Fischer氏（元 スクエニUSのCEO）はMCVのインタビューに、ソーシャルゲームのブームがじきに終わりを迎えると語った。

「私はゲーマーとして育ちましたし、これまでずっとゲーム業界でのキャリアを積んできました。
「今この瞬間、ソーシャルゲームが盛り上がっているのも、投資家の関心を多いに引いているのも事実です。ですが他のカテゴリのゲームが立ち上がってくる中で、今後何年間にも渡ってソーシャルゲームの現在の活況がそのまま続くとはとても思えません。


Fischer氏は、流行に過ぎない恐れのあるものに大きく依存するのは極めて危険だと考えている。

「それぞれのプラットフォームで一番になろうとするのではなく、一番いいIPをもち、それを一番適したプラットフォームに出すことが重要なんです。そうすれば、全てのプラットフォームで成功を収めることができるでしょうね。

Fischer氏はスクエニにはゲームへの情熱があり、それが他の何よりも重要だと語った。

「（スクエニは）上から下まで自社でカバーできるラインナップを持っているし、自分を含めてゲームに情熱をもった人ばかりだし、こういった組織で働けたというのは本当にラッキーなことでした。
「現在のトレンドがたまたまソーシャルで盛り上っているのは疑いのない事実ですが、長期的に成功するためには情熱こそが重要なのです。
「業界はいろいろとバタバタしていますが、過去に私達が潜り抜けてきたコンソールの移行とはちがって、ゲーム全体でのユーザははっきりと増加しているのです。これはかつてなかったことですね。


NS：MCV
（http://www.mcvuk.com/news/read/fischer-social-gaming-craze-will-fade/082431）


みらい的コメント

スクエニにどれほどゲームへの情熱があるかはともかく、「今後何年間にも渡ってソーシャルゲームの現在の活況がそのまま続くとはとても思えません」ということは正しいだろう。なにしろ年率数十%で成長しているのだ。それが永遠に続くと思うほうがヘン。

またソーシャルゲームが最後のゲームカテゴリということもない。ITの進歩がある限り、今後もどんどん新しいタイプのゲームが登場するだろうし、そのときにはソーシャルが食われる側に回るのだ。

ただしソーシャルゲームが仮に勢いを失ったとしても、トラディショナルなゲームの世界が戻ってくるわけでもない。時計の針がもとに戻ることはないのだから。「長期的に成功する」ためには、単にトラディショナルなゲームを再生産するのではなく、その先を探し続ける努力が欠かせないのではないだろか。