PSNダウン: ソニーの損害額の概算見積 | みらいマニアックス !

PSNダウン: ソニーの損害額の概算見積

ソニーIR「連結業績見通し修正のお知らせ」より、今回の損害額の概算見積。
(http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/20110523script.pdf)

これによると、総額は140億円程度となっている。
問題は内訳、つまり何が入っていて何が入っていないかなのだが、このようなものだ。


入っているもの:
・お客さまの個人情報を不正利用から守るためのプログラムに関する費用
・ゲーム、音楽、ビデオなどの一部サービスの無償提供に関する費用、
・各種カスタマーサポートに関する費用、
・ネットワークセキュリティの強化に関する費用、
・法務・調査関連費用
・売上減にともなう利益の影響額


入っていないもの:
・訴訟(クラスアクション)により発生し得る費用
・当該個人情報またはクレジットカードの不正使用の補償に関する費用



クラスアクション費用が入っていないのは納得。
クレカが漏れてない以上、たいした補償額にはならないし、見積は逆にブレが大きくなり過ぎるから。

説明会スクリプトによると、説明は「お客さまの個人情報を不正利用から守るためのプログラムに関する費用」から入っているので、恐らくこれが一番大きな費用であったのではないか。つまり「ゲーム、音楽、ビデオなどの一部サービスの無償提供に関する費用」よりも大きいワケだ。
ゲーム一本の無償提供に掛かる費用はたぶん数百円~千円程度だろうから、それ以上は掛かるのだろうね、たぶん。

本ブログでは、直接の補償はせいぜい数億程度、と前エントリで予想していたものの、それ以外の費用がはマジメに考えていなかった(売り上げ減とか予想が難しいので)けど、やはりかなりの額になってしまっだようだ。


あとこの決算では大幅赤字になっているけど、損失は評価性引当金(約3,600 億円)から出ているのもちょっと面白い点。
繰延税金資産とは、煎じ詰めると損失の先送りだ。(煎じ詰めすぎ?)今期の業績が特に悪かったというよりは、リーマンショック後のマイナスを先送りしようとしてきたが、思ったよりも業績の回復が鈍かったのでこの辺で片付けざるを得なかった、ということだ。
株屋的にはこの辺織り込んでいてしかるべきなんだが、どうだろう。
明日の寄りはちょっと興味深いかも。