あとひとつ | はばたけかもめ

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第92回全国高等学校野球選手権大会(asahi.com)
興南(沖縄) 13-1 東海大相模(神奈川) (スポーツナビ 8/21)

春夏連覇、初めての夏の頂上!
そして
初めて、真紅の大優勝旗が南の海を渡ります。
沖縄県代表 興南高校優勝おめでとうございます!


序盤は疲労とうまく付き合いつつ
それぞれの持ち味を巧みに操る「投手戦」。
中盤、いきなり導火線に火がついてたたみかけた興南打線。
序盤を見ていたときから「ミスが出たら負けかな」と思っていた
その通りになってしまい…
4回裏、スクイズを警戒してはずしに来たのはOK、でも
そのあと三本間に挟んで確実にアウトにできたのに
送球を誤ってしまって…
あんなに堅く、洗練されていた東海大相模の守備が
ひとつのほころびからどんどん崩れていってしまう…

久しぶりにいたずら好きな甲子園の魔物に会ってしまいました…。

連打を浴びてもポーカーフェイスだった一二三くんが
ついに青空を仰いでしまったのは
5点目のタイムリーを慶田城くんに浴びた後だったか…

滴り落ちる汗、もしかしたら涙のかわりだったのかしら
続く5回、6回にもこれでもか!と襲いかかる興南打線を
断ち切ることがなかなかできない。
6回まで気持ちで抑えきり
マウンドを降り、そしてついに戻らず一二三くんの"甲子園"は一足早く終わりました

強気な正面から見据える眉根と裏腹に
ポジションに入る前に見せる横顔は
長いまつげに縁どられた黒い瞳がまだあどけない。
本格右腕が勝つためにサイドスローに転向し
苦しんで苦しんでようやくつかんだ神奈川186校の代表の座。
そしてきょう、40年ぶりの優勝は目前にして手のひらからすり抜けた。
敗れたのちの一二三くんはどこか清々しくて
なにか、泣けるくらいに潔くて
大きな背中がとても「大人」になったなぁと
こちらが覚悟をもらう気分でした。


そして
興南ナイン。
昨日は5点差、その前は3点差
どんなに劣勢でも自分たちの野球を貫くことで
勝利をその手に引き寄せてきた。
バッティングも守備も走塁も、何もかもが
「普通」にきちんとできていた。
送球ひとつとっても「これができたらピッチャーは楽だなぁ」と
思えるくらいに基本中の基本ができる。
しかもみんなが。
甲子園にヒーローを求めすぎる大人は
ともすれば誰かを担ぎ出したいのだけれど
今年の興南はみんなが普通にきちんと当たり前にできる子ばっかりで
誰もがみんなヒーローになってしまう。
それはきっとものすごくすんごいことなのに
みんなが当たり前にできるからなんだか普通すぎる気がして…。
落下地点にいち早く入るポジショニング
強いゴロは腰をきちんと落として正面で取る
投げ損ねしないように送球先をきちんとみてまっすぐに投げる…
どれだけ

ほんとうにどれだけ沢山の練習をしてきたんだろう。
春に日本一になってから一度リセットしてもう一度
高い頂を目指す。
気持ちも肉体も一から立ち上げなおす。
強い気持ちと素直な心。
厳しい局面においても
監督の采配をきちんと理解し、それを試合中に実践できる。
コミュニケーションの深さと指示されたことをきちんと
体現できる能力と練習の積み重ね。
ただの野球小僧たちではない、とてもハイレベルなメンバーだったのだと
閉会式のみんなの笑顔を見て改めて感激しました。


かつて
まだ沖縄が「日本」ではなかった時代。
初めて甲子園の土を踏んだ沖縄代表 首里高校ナイン。
甲子園の土を持ち帰ったものの検疫で不可とされ
青春の記憶は海の底に沈んだ…

あのころから一体どれだけの沖縄の球児たちが
この「聖地」を目指して汗を流してきたのだろう。
あと一歩のところで及ばなかった真紅の大優勝旗が
ようやく沖縄に向かいます。
きょうの一塁側、たくさんの沖縄の人たちの応援。
チームカラーのオレンジがまるで
デイゴの花のように青い空に映えて
指笛、ひらひらと舞う手のひら、沖縄がそこにあるような
そんなあったかい応援でした。


きょうで夏の甲子園が終わりました。
でも
もう秋に向けて各地で戦いは始まっている。
秋の神宮大会、その先の来年の選抜。
そして
その先・・・・

たくさんの「セイシュン」が今もINGで続いている。
あきらめない「勇気」
続けていく「勇気」
逃げ出さない「勇気」

歯を食いしばって流れる汗を
来年の青空も待ってるぞ!

今年もたくさんの「熱戦」ありがとう。
これからのみんなの未来の記憶に
きょうのこの熱さがずっと刻まれていますように!