(短編) サイバー系 戦争もの | Maruoのブログ

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途中まで書いたけど、仲間の評判が悪かったので、ボツ履歴として公開。

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第三次世界大戦開戦前夜-
開戦に反対しながら、心ならずも戦火の火ぶたを切った日本人がいた。

2016年12月8日
突如、中国・韓国・北朝鮮の3国のシステムに対して、サイバー攻撃が開始された。
『東シナ掃討作戦』である!

この奇襲攻撃によって、東シナ海に面する3ヶ国の通信システムは壊滅的な打撃を受けた-

この作戦を立案したのが、日本政府のサイバー空間防衛隊長官 高野吾郎であった!

高野の作戦は、ボットネットに頼らない未知のゼロデイ攻撃で奇襲攻撃を仕掛け、中国・韓国・北朝鮮の通信システムをすべて破壊することだった。対象はコンピュータシステムだけにとどまらず、信号システムや交通システムまでも麻痺させようとした。そして、彼らが混乱している状況の中で、日本の特殊部隊が軍事施設や核施設に乗り込み、制圧する計画だった。

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開戦から、さかのぼること2年前
2014年 イギリスでサイバー兵器の軍縮をめぐる条約の予備交渉が行われることになった。
その全権代表にサイバー空間防衛隊長官の高野が選ばれたのだ。

この予備交渉ではサイバー兵器の保有比率は、GDPに比例することで進んでいた。
また、サイバー兵器の保有量は、ボットの数で計測することで合意されていた。

GDP1位のアメリカは、世界の1500万個のボットを利用することが仮決定された。
2位の中国は、韓国・北朝鮮とサイバー兵器に関する3カ国同盟を締結し、アメリカに相当する1000万ボットを保有する案が出ていた。
これに対して、GDP世界3位を誇る日本は、500万ボットという屈辱的な数が割り当てられる。

世界的なサイバー戦争が勃発した場合、ボットネットの保有数というのは戦況を左右する重要な要素になる。
同じ破壊力のあるマルウェアであれば、ボットの数が多いほうが相手を壊滅状態に追い込める。

条約の交渉期限が迫る中、日本の世論では屈辱的な不平等条約は破棄すべしという声が高まっていった。

マスコミの取材に対して、日本の首相は「こんな条件は、到底のめるものではない」と答えている。
「不平等が解消されない場合は、条約締結を破棄することも考えている」ともコメントした。

そして、不退転の覚悟で、高野は交渉に臨むのだった。

~つづく~