上司の代打で私が参加することになったイベントは、クライアントが運営しているコワーキングスペースの内覧会のようなものだった。
聞き慣れない人も多いかもしれないので説明すると、コワーキングスペースというのはフリーランスやテレワーカーなどが利用できる、シェアオフィスのような場所のこと。
私のクライアントの運営するコワーキングは、どの店舗も綺麗でスタイリッシュな広い空間に、電源、Wi-Fi、プリンターやスキャナー、フリードリンクが常備されている。
会社の登記、電話や郵送物の転送をしてくれるサービスもあり、特にスタートアップの法人に重宝されているようだ。
クライアントは既に3店舗を運営していていて、今回は新しくオープンする4店舗目の内覧会。
これまでに今回の新店舗の内装工事書類や物品注文の書類はたくさん見てきた。
その完成形の場所を実際に見ることができるのが楽しみだったし、オンラインでしかお話したことのない社長とタイミングが合えば対面でご挨拶するかことになるかも…ということで、手土産にお菓子を持って(東京駅でNYキャラメルサンドを買った
)意気揚々と目的地に向かった。
けれど実は私、実は極度の方向音痴なのです…
最寄駅から徒歩5分という近さに安心して、Googleマップを起動せずに歩いたら、まんまと道に迷ってしまい、焦りまくる展開に。(目的地とまったく逆方向に向かって歩いていて、
結局目的地には、予定していたより少し遅れてどうにか到着できました
)
コワーキングが入っているビルを見つけてホッとして、早足にエントランスに入り、ちょうど来ていたエレベーターに慌てて乗りこむ。
「何階ですか?」
先にエレベーターに乗っていた男性がこちらを振り返って聞いてくれた。
その男性とパッと目が合った時、なんだかすごく賢そうな顔をした人だなぁと、なんとなく思った。
「5階お願いします」
答えて行先階ボタンに目を移すと、5階は既にランプが付いていた。
この彼も、私と同じくコワーキングの内覧会に行くのかな。
エレベーターは静かに上昇し始めた。
つづく
