「今言えば、蓮が困る。君たち妖は人間の世界にいてはならない。」

ニップ先生は、何とか説得しようとしたが、桜は言った。

「私にとって、楓は邪魔だったの。本当は蓮は私のものだったのに、あなたは幽霊になって蓮の心を惹いた。だから、あなたたちのお母さんを使って、元々の存在を消しに来た。」

その言葉を聞いて、部屋の空気は静まり返った。

 その瞬間、花子の目から光が出たと思ったとき、楓の悲鳴が聞こえた。

 ニップ先生が楓の前で倒れていた。楓をかばったようだ。

「ニップ先生!」

二人の声が家中に響いた。

 楓は俺の後ろに退いた。

 

 

つづく