劇団桟敷童子さん公演『紅夢漂流譚』を観ました。
テーマも内容も重く暗い、悲しいお話なのに、ワクワクしました。
芝居を見るワクワク感です。
九千坊の物語もこれで四本目。
九千坊一族の最大の掟、それは『生キル』と言うこと。
最初は衝撃を受け、その一族の生き様に涙しましたが、何回も観たり、語られたりしていると
人間とはアサマシイものです。
慣れてしまいます。
ジャンプの戦闘シーンがドンドン過激になってしまうのと同じで。
一族の悲劇にたいして、慣れてしまいます。
役者さんたちが、苦しみのたうちまわり、『生キ』ようとする物語も、その様がエンターテイメントになってしまっているようで
はじめて九千坊の物語を観て、カカエキレズに三日くらいどんよりした、あの心が汚泥にまみれた感じは無くなってしまいました。
芝居がエンターテイメントになってしまっていました。
私がワクワクしたので、ダメかもしれません。
でも商業演劇としては確実に前進しています。
桟敷さんが望むと望まざるとにかかわらずに。


