昼1時ごろのフライトに余裕を持って間に合わせるために、午前10時20分ごろにストックホルム・アーランダ空港に到着。早速チェックインをしようとしたのですが、意外と人がたくさん並んでいて時間がだいぶかかりました。早目に空港に着いておいてよかった。
チェックインで自分の番になると、目的地を聞かれたのでそれに応えたのですが、受付の人が僕の旅程を見て、「あら、これは荷物が直で行くやつね。途中での荷物のピックアップは必要ありませんから」と言いました。行きは日本から上海に降り立った時にいったんそこで荷物をピックアップし、上海空港でもう1度チェックインして残りの飛行機に乗っていたので、「あれ?」と思った僕は思わず「え?上海でいったんスーツケース拾わなくていいんですか?最終地点の日本の空港でピックアップすればいいんですか?」と念押しして聞いたのですが、「ええ、そうですよ」と普通に返されました。
チェックインを終えた僕はセシリアに別れを告げ、セキュリティチェックを通過し搭乗口へ。まずはオランダのアムステルダム空港へ向かいます。往路は中国の空港での待ち時間が10時間もあったのですが、復路ではオランダの空港で待ち時間が6時間近くありました。暇だったのでパソコンを充電しながら使える場所を見つけ、この北欧旅行編のブログ記事を書いていてしばらくすると、「あの、すいません」と日本人女性から声をかけられました。
スマホの充電が切れてしまったが、オランダのコンセントにあうプラグの型を持っていないので、僕のパソコンのUSBの部分に差し込んで充電させてもらいたいのだそうです。僕は承諾し、彼女は僕のパソコンを使って携帯の充電を始めました。
話を聞いてみると、この人は普段はドイツ在住で、ドイツにはもう7年も住んでいるのだそうです。最近まで日本に3週間ほどいて、そこからドイツへ戻る途中なのだそうな。本来なら既にドイツに着いている予定だったのに、乗るはずになっていた飛行機の搭乗ゲートが直前になって変更になり、それを直前まで知らなかったがために変更後のゲートに間に合わずに乗り遅れてしまったのだそうです。そしてその救済措置として、この日の遅めの便に乗らせてもらえる事になったのだとか。
僕も彼女も暇だったので、そのままいろいろとお喋りしました。聞けばこの方、日本では幼稚園の先生をしていたのですが、なんとドイツでも同じく幼稚園の先生をしているのだそうです。シュタイナー教育に興味があり、その好奇心一つでドイツへ飛んだという。日本で既に幼稚園の先生の資格は持っていたし実際に幼稚園の先生としての就業経験もあったので、ドイツで新規に幼稚園の先生の資格を取得するのではなく、日本の資格をドイツのものへ書き換えするという方法でドイツの幼稚園で働く資格を得たのだそうで。ただしそのためにはいろいろとトレーニングを受けなければならず、ドイツ語もままならない状態で現地の先生と連絡を取り、他に知り合いも友達も現地にいない状態で飛び込んでいったのだそうです。現地では実習の毎日で、ドイツ語がわからないながらも子供たちや先生に囲まれてひたすらドイツ語漬けの日々を送り、あまり机の上での勉強には頼らずに耳ベースで鍛えていたら、3年ほどした所でドイツ語での日常会話にそれほど不自由しないと感じるようになったそうです。
この人は他にもドイツでの就職に関していろいろと興味深い事を教えてくれました。ドイツでは地元のドイツ人と同じ条件でドイツ語で勉強して現地の大学を卒業した場合、外国人でもそこから2年間「就活ビザ」みたいなものが発給され、その間は合法的にバイトもできるし、正社員の仕事にありつければ即就労ビザに切り替える事ができるのだそうです。そういえばオーストラリアでワーホリやってた時も、就労ビザが出るまでの間のつなぎのための「ブリッジビザ」とかいうのがあると韓国人のルームメイトから聞いた事がありましたが、これも似たようなものなんでしょうかね。あくまで僕の個人的な印象ですが、こういう就活のために使えるビザがあるっていうような情報は、あまりネット上ではおおっぴらにされていない感じがしますね。こういう情報はどっちかっていうと現地の口コミで広がるという。この日本人女性も、この「就活ビザ」の仕組みはネットではなく現地の日本人から教えてもらって知ったのだそうです。
この日本人女性のフライトチェックインの時間が近くなり、この人とはここでお別れ。僕も上海行きの飛行機に乗り込みました。上海で飛行機を乗り継ぎ、いよいよ日本へ戻ってきました。スーツケースをピックアップしようと思ったら、どこにもない!僕のこの年季の入った青いスーツケースはどこへ行ったのだ?
何故だ?ストックホルムでチェックインした時は途中でのピックアップは必要なく、最終目的地の日本で拾えるって言われたのに!
しばらく様子を見て、やはり自分の荷物は届いていないのだと確信したら、空港の職員に事情を説明し、上海の空港に連絡をとって、見つかったら僕の携帯に連絡をくれるとの事でした。大丈夫かな~、中国の空港。北京では両替でぼったくられたし、上海ではお釣りをぼったくられそうになったし。今回の荷物の問い合わせに対しても、探してもいないうちから「そのようなスーツケースはありません」とか言ってきたりしないだろうね?と思いきや、意外にも翌日の朝には日本の空港から「上海の空港で荷物が見つかりました」と連絡が入り、その日の夕方前までには日本の空港に実際に荷物が届いたと報告があり、その翌日の午前中には僕の自宅まで荷物が無事に届きました。
スーツケースにはお土産が一通り入っていたので、それが全部なくなったと思うと正直ヘコんでましたが、無事だという事がわかり一安心。後味の悪いまま終わるかと思っていた今回の北欧旅行、何とか良い終わり方をする事ができました。
【今回の教訓】
「荷物は途中でピックアップする必要はない」と言われても、それを鵜呑みにするべからず。乗継の際に時間に余裕があれば、必ず荷物受取所に自分の荷物がないかどうかチェックし、あったら自分でそれをピックアップして確実にチェックインカウンターでドロップすべし。
