写真はオランダのアムステルダム空港からスウェーデンのストックホルム空港に向かう飛行機の中で撮ったもの。僕は窓際の席ではなかったのですが、窓際の席のオランダ人の女の子が親切にも「撮りましょうか?^^」といって僕の代わりに撮ってくれたので、なかなかいいアングルで撮れました。

 

長ーいフライトをようやく終え、ついにスウェーデンのストックホルム・アーランダ空港に到着。スーツケースをピックアップし、到着ロビーに出てみると、そこにはスウェーデン人の友達のセシリアが既に待ってくれていました。セシリアとはずっとスカイプでやりとりを続けてきていましたが、実際に会うのはもう3年半ぶりでした。テレビ電話で顔を見ていたとはいえ、久しぶりに会うのはやはり感慨深いものです。

 

セシリアに会う前に、僕は「計30時間のフライトでシャワーを浴びる場所もなかったし、臭かったらごめんね~」と予めメールをしておいてあったのですが、すると彼女はもしシャワーを浴びてさっぱりしたかったら空港のホテルのシャワーを使えるよと教えてくれました。という事でシャワーを浴びにいったのですが、なんとシャワーを1回浴びるだけで85クローナ(約1,200円)!なんというバカ高い値段設定じゃ。さすが世界最高レベルの物価の北欧です。

 

ひとシャワー浴びたら、今度はスーツケースを空港内のロッカーに預けて(ここでも85クローナ)、ストックホルム市内に向かいました。街を歩いていると、何やらバナーを持った人たちが座り込んでいるのを発見したので、ちょっと立ち止まって見てみました。バナーに書いてある内容からして、どうやら彼らは主にシリアから来た難民たちで、最近成立した移民政策に関する法案に対する抗議のデモをしていたようです。法案の内容はざっくりいって、難民の立場の人のスウェーデン永住権取得の条件が今よりも厳しくなるというものなのだそうな。

 

ちなみにこのデモを少し見ていて気が付いた事があります。それはデモの参加者たちは大声をあげてアピールしたり、行進をしたりせず、その場で静かに座っているという事です。オーストラリアにいた時などは、デモといえばなかなかの人数の人たちがいろいろ叫びながら不満を訴えるのですが、この人たちは全く違う。聞けばスウェーデンでは、デモをする際に行進や大声をあげる事はしないのが普通なのだそうです。

 

このデモの人たちの前で立ち止まっていると、その中の1人の男の人が笑顔で僕に話しかけてきました。「こんにちは^^今、このデモで訴えている事について、ニュースなどで聞いた事はありますか?」と。セシリアが「ええもちろん。今ちょうど横にいる日本人の旅行者の友達にデモの状況を説明していた所なんです。難民の権利はちゃんと保護されるべきだし、私も今回の法案には賛成できないわ」と答えると、男性は「ありがとう。僕たちの状況を理解してくれる人がいてくれて嬉しいし励みになります」とお礼を言い、おとなしくデモ隊が座り込みをしている列に戻っていきました。何人かの観光客がデモ隊の写真を撮ろうとすると、デモ隊の人たちは笑顔で応じていました。セシリア曰く、デモ隊の人からしてみたらこの問題をもっと世の中の人に知ってもらいたいから、写真を撮られてそれが拡散されるのはむしろ歓迎なのだそうです。

 

日本のテレビの報道を見ていると、シリア難民の人たちは受け入れ先の国々で好き放題に騒ぎ、現地の人に迷惑をかけているような印象を受けたのですが、やはりあれはあくまで一部の難民であり、実際には僕が現地で直接見たようにちゃんとルールに則り、平和に抗議活動をする難民の方々もたくさんいるのですね。こういう良識的な難民の人たちがあまりテレビに映されず、いわゆる「迷惑な難民」ばかりがニュースでクローズアップされているような気がするのですが、これは単なる僕の気のせいなのでしょうか、それとも意図的なものなのでしょうか。

 

この日の夜には僕はフィンランド行きの飛行機に乗っていったんフィンランドに向かい、数日後にまたスウェーデンに戻ってくるスケジュールになっていたので、空港に向かう時間になるまでこの後もしばらくストックホルム内をお喋りしながらブラブラ歩き回りました。この日僕が行ってみたかったのは、ストックホルム市内のブックストア。日本の漫画のスウェーデン語翻訳版で面白そうなのがあれば買いたいな~と思っていました。日本の漫画のスウェーデン語翻訳版で良さそうなのは見当たらなかったのですが、1つ面白そうなのを見つけました。オーサ・イェークストロムというスウェーデン人漫画家が描いた漫画で、「さよならセプテンバー」というものです。実はこのオーサさん、日本で日本語での漫画も描いており、オーサさんが日本に来る前の時点でスウェーデンでスウェーデン語で出版していたのが、この「さよならセプテンバー」で、僕はチャンスがあればこれもスウェーデン語で読んでみたいなと思っていました(ちなみにこの漫画、現在は日本語翻訳版も出版されています)。

 

スウェーデンには4年前にも訪れた事があったのですが、今回再び来てみて改めて思ったのは、やはりなんといっても物価が高い!僕は世界でも有数の物価の高い国であるオーストラリアに住んでいた事がありますが、それと比べてもスウェーデンは更に物価が高いです。福祉が手厚いので住んでいる人からしてみたら、高い物価はそれほどの負担にはならないのかもしれませんが、福祉の恩恵を受ける事のない単なる旅行者からしてみたら、これは金銭的には結構きついかもですね。

 

そしてセシリアとはいったんお別れし、フィンランド、ヘルシンキ行きの飛行機へ乗り込みます。今回フィンランドで会う約束をしているパウラは、夏休み中はレミという、フィンランド人でも知っているとは限らない非常に小さな町にある実家で過ごしているのですが、今回はわざわざ僕を車で迎えにヘルシンキの空港まで来てくれました。パウラはこの直前まで、実家のあるレミから車で8時間ほどのルカという場所まで北上してハイキングをしていたそうで、さすがにここから更に運転をするのはキツイという事で、妹のヘイディも一緒に空港に来てくれ、空港からレミの実家までの運転はヘイディがしてくれました。

 

パウラとヘイディとお喋りしながらレミまでおよそ2時間半のドライブ。パウラはこれまでメールやスカイプやFacebookでのやりとりが続いていましたが、ヘイディは話すのは初めて。この日はパウラは8時間の運転でやや疲れていたのもあり、ヘイディと喋って盛り上がる時間が長かったように思います。喋りながらだと2時間半の道のりもあっという間。レミ市内の2人の実家についたのは夜の1時とかだったので、シャワーを浴びて即就寝。翌日からは待ちに待った初のフィンランド満喫です^^