セールスの面接で見事(?)内定をもらった際、事前研修に指定されたのは7月3日(木)と4日(金)の2日間だった。研修時間は2日とも午後1時半から4時半の1日3時間ずつで、日本での学生時代にプリンター販売のバイトで丸1日の事前研修×2日間を経験した事のあった僕にとっては大して長い研修ではなかった。

僕が希望した発展途上国の支援のための資金集めのチャリティセールスチームに今回の面接で採用されたのは、イギリスからワーキングホリデーで来たドリュー、地元オーストラリア出身のヴァネッサとオリビア、そして僕の4人。みんな僕よりも若く、特にオリビアは18歳とまだ10代だった。

研修開始時間になり、研修室に4人が移動して少しすると、このチャリティセールスチームのボスであるトニーがやってきた。見た感じいかにも若そうな女の子だ。オーストラリア人としては非常に小柄で、日本人の女の子と比べてもむしろ小さいぐらいだ。たぶん身長は150cmぐらいだったと思う。まずトニーが自分の自己紹介を始めたのだが、案の定まだ20歳と非常に若い。しかし非常にハキハキとした喋り方をする人で、この年齢にして既にボスの貫禄というものを感じさせるものがあった。

トニーもトムと同じように自分のこれまでの経歴を話してくれた。学校を卒業した後すぐに10代で働き始め、マクドナルドの店員などの仕事を転々としていたようなのだが、時給が安くて過酷な労働条件だったためやってられなくなり辞めてしまったのだという。なんかどっかで聞いた事のあるような話ですな(笑)そしてたまたまセールスの仕事を見つけてセールス経験ゼロからスタートした所、良いボスに恵まれてハードに働いた結果、入社1年足らずで優秀な成績でチームリーダーに昇格することになったのだという。

そしてここでも出てきた、なんだか聞き慣れた台詞がYou can earn f**kin’ money、めっちゃ稼げるわよ、だった。トニーは自分の自己紹介を終えると、僕を含めた新メンバー4人にも簡単な自己紹介をするように言ってきた。ここでトムの時と違ったのは、「1人1つずつ自分の恥ずかしい経験の話をしなさい」というものが追加されていたということだった。自分以外の3人は公衆の面前で恥ずかしいずっこけ方をした話など、笑いが取れるものだったが、僕は先日の「怒り心頭の駅員のオッサン@フリンダース」の話をした所、「あー、そういう事ってたまにあるよねぇ」となんか同情されてしまった。TPO間違えた話しちゃったかも。。。でもお笑い路線の恥ずかしい話はパッと思いつかなかったしな~^^;

この日の研修の内容はどちらかというと研修というより自己紹介と事務手続きがメインという感じだったが、最後らへんでやっと本題の発展途上国支援チャリティの話が少し出てきた。今現在発展途上国の人々は貧困が原因でどんな事にどれぐらい苦しんでいるのか、それを改善するために自分たちの組織はどんな事を行ってきて、その成果がどれぐらい表れているのかといった事などについて、僕ら新人4人はレクチャーを受けた。

そしてレクチャーが終わると、トニーが「じゃあ最後に宿題ね!」と言い出した。部屋の一番前にあったホワイトボードに書かれていた「本日の研修スケージュール」の箇条書きの最後の項目に”Surprise!”というのがあったのだが、これはそういう事だったのね^^;宿題の内容は、レクチャーの時に見せられた「長期に渡る支援が必要なほどの貧困に苦しむ国のリスト」に載っている国の中から自分の興味のある国を1つ選び、その国の社会問題について調べてきて、それをプレゼンするというものだった。オーストラリアにワーホリにやってきて、語学学校に通っているわけでもないのに宿題をやることになるとは。人生って何があるかわからんもんですな。