安曇野の澄んだ空気に包まれながら、ふらりと立ち寄った「いけまつ」。地元の人に愛されるこの食堂は、どこか懐かしい雰囲気が漂っていて、暖簾をくぐるだけで心がほっとする。



この日のお目当ては、五目麺。メニューの中でもひときわ彩り豊かで、常連さんにも人気の一品だ。

席に着いてほどなく、湯気を立てながら登場した五目麺は、まるで小さな祝祭。
白い器の中には、黄金色のスープに浮かぶ具材たち——

• とろけるようなチャーシュー
• シャキシャキの白菜と人参
• ぷりっとした海老
• ふんわり卵
• そして、ピンクの渦巻きが愛らしいナルト


スープをひと口すすると、鶏ガラと野菜の旨みがじんわり広がり、体の芯まで温まる。麺は中太で、もちもちとした食感がスープと絶妙に絡み合う。具材のひとつひとつが丁寧に調理されていて、まるで小さな物語を味わっているようだった。

隣のテーブルでは、常連らしきおじいちゃんが「今日も五目だよ」と笑っていて、なんだかこの店の温もりが五目麺に詰まっている気がした。

餃子もいただいた。皮はパリッと香ばしく、餡はジューシー。
五目麺の優しさとは対照的に、しっかりとした味わいで、口の中が楽しいリズムを刻む。

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安曇野の自然と人の温かさに包まれながら、「いけまつ」の五目麺は、ただの食事ではなく、心をほぐすひとときだった。
次は誰かを連れて、またこの味を分かち合いたい。