俺『はじめまして、モンブラン建材のくりまるです。今日からご担当させて頂きますので、宜しくお願いします』
「前田です。宜しく。」
名刺交換をし、椅子に座った。
名刺には営業課長と書いてあった。
(よーし、やるぞ、焦るな。俺は必殺技の前振りをいくつか考えていた。)
俺『銀座なんて殆ど来たことがないので、地下鉄も乗り換えが難しくて、外に出たら方向が判らなくて、東京はたいへんですね』
前田「地下鉄はわかりにくいからね」
俺『実家のお袋が来たら、絶対家まで帰れないと思いますよ』
前田「くりまる君は田舎はどこなの?」
俺『栃木です』
前田「へぇー栃木なんだ。よくゴルフで行くよ』
俺『前田課長さんはご出身はどちらなんですか?』
前田『大阪だよ』
俺『え、標準語なんでわかりませんでした。大阪のどちらですか?』
前田『千里』
俺『豊中のですか?』
前田「なんで知ってるの?」
俺『昔10年くらい住んでいました。』
その後は、あそこの食べ物屋知ってる?とか前田課長が色々聞いてきたりして、今度近くの安くて美味しいお好み焼きに行く約束をして、帰った。
必殺技が炸裂した。やはり東京の商社は地方出身者が多く、同じ地元や地元ネタは最強だった。どこの中学出身と同じで、何故か安心する理論だ~
ちなみに俺は兵庫、大阪、神奈川と引っ越ししていて、親は栃木に住んでいる。
それから、かなり旅行に行ったので、全国各地の旨いものなどは、かなり知っているのだ。この必殺技を繰り出すスキルを既に身に付けていたのだ。
続く