こんにちは、マミゾウです。


前回は、SEの”システム”についてお話しました。

システムには広義でいろいろな役割があり、みなさんが 「どのSEになりたいか?」 を問いかけしました。


今日は、SEの”エンジニア”について、お話したいと思います。


【今日のお題】

『SE志望のみなさんは、エンジニアになる人です』


SE志望のみなさんは、エンジニア=技術者になる人です。

みなさんはそんな意識を持っていますか?


私の本業でも、新人が研修を終えて各部署に配属される際に、新人が挨拶をします。

その中で、文系の人が必ず言うセリフがあります。


「文系出身ですが、よろしくお願いします・・・」

私は、この”文系出身”というセリフを聞くと、本当にうんざりします。彼らは何か負い目でも感じているのでしょうか?


ちなみに、私は工学部建築学科に入学しましたが、途中で大学が変わり、文理学部英文学科を卒業しましたので”文系出身”です。


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【エンジニアの意味を考えよう】

例えば、自動車メーカで考えてみましょう。


自動車メーカでエンジニアというと、本当に多種多様なエンジニアが集まっていると思います。

自動車で使う各部品を作る人、それを構成するさらに細かい単位の部品を作る人、素材を研究開発する人、販売店でメンテナンスする人もエンジニアですね。


部品を作る人といっても、その中には設計する人もいれば、試作品を作る人、実際に工場で量産品を作る人、構成管理や共通化を考える人など、様々な人がいます。


自動車はモノとして実在するので、確かに機械的な要素や数学、物理学、化学などを知らないと自動車のエンジニアにはなれないかもしれません。


しかし、システムはハードウェアを除くと、プログラムの世界になります。

最終的には0か1の世界と言われていますが、専門的な学術的なシステムを作るのでなければ、そこまでの専門性は求められません。


ということは、文系、理系に関係なく、システムのエンジニアになれる はずです。


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【問題提起】

さて、みなさんは、「どんなエンジニアになるつもりですか?」


SEを志望するみなさんには、是非、自分がエンジニアになることを意識してほしいと思います。

文系の人であっても関係ありません。


プログラムは中学校レベルの数学ができる人であれば、必ず作れます。


これは、後日のテーマにしたいと思いますが、SEには様々な役割(=職種)があります。

前回、「どのSEになりたいか?」 でも少しお話しました。


どのSEかは人それぞれですが、みなさんはSEになるからには、まずは 「エンジニア→その道のスペシャリスト」 を目指してください。


その道のプロとして、プロ意識を持って、是非、できるSEというエンジニアになって頂きたい。

これは、現場からの切実な思いでもあります。


よく、石の上にも3年と言われますが、入社して5年もあれば、自分のSEとしてのベースが出来ます

その上で、その後のみなさんの進むべき道を考えていってほしいと思います。


みなさんが今後、どのような立場になるかはそれぞれだと思いますが、大雑把にまとめると・・・

 ①出世して幹部社員(管理職)になる人

 ②プロジェクトマネージャになる人

 ③プロジェクトリーダになる人

 ④サブシステムのリーダになる人

 ⑤その道のスペシャリスト(アーキテクト)になる人

     ・

     ・

     ・

 ⑥普通のエンジニアになる人

に分かれていくと思います。


この⑥の、「普通のエンジニアになる人」に落とし穴があります


言い換えましょう。


「SEという名の労働者になる人」 です。この人たちが、できるSEかというと、そういう意味ではありません。

でも、多くのSEがこれに当てはまると感じています。


エンジニアであるからには、その道で 常に新しい技術をキャッチアップして、進化し続ける人 であるべきだと思います。


自動車のエンジンは、時代とともに出力が上がり、燃費も効率化し、近年ではガソリンではない燃料や仕組みで走る、エコなものに進化し続けています。

エンジンを作っているエンジニア、燃料を考えている人は、常に進化し続けています。


でも、SEはそうではない人が多い と思います。特に、30代後半以降の人たち に見られる傾向です。


例えば、現在ではWEBシステムが主流となっていますが、VBしかやったことがないからJavaでWEB開発はできないだとか、Cobolしかできないとか・・・


そういう人たちは、新しい技術を勉強する意欲も少なく、新規システムに携わることもできません。

また、技術力が低かったり、後輩の面倒も見れない・・・といった人も含まれます。


少し、言い過ぎでしょうか?


もちろん、会社によって異なりますが、みなさんも実際に入社して現場に配属されると感じることになると思います。


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SE業界は、例えるなら 「建設業」、「ITドカタ」 と言えます。


ビルの建設や家の建築と同じように、システムもプロジェクトとして、大小のシステムを実現化していきますが、その現場にはSEという名の労働者が多い・・・町の建設現場の労働者と同じですね。


現在、建設業は不況が続いています。就労できない労働者がかなりの数いると思います。

SE業界もいずれ同じ状況に陥ります。


実際に、日本人の技術者は単金(1人月の価格)が高いということで、特に中国にオフショア開発(海外のシステム会社へ開発を委託)する動きが始まっています。


また、クラウドやSaasなど、システムの共用利用が進んでいくと、企業が独自のシステムを開発することも少なくなっていきます。


そうなれば、言い方が悪いですが、SE難民があふれることになりかねません。

まずは、「普通のエンジニア」 が不要になっていきます


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すみません、今回は少し愚痴っぽくなってしまったかもしれません。


ちなみに、私は本業ではWEBのSIグループを率いており、今流行りの技術を使用して主にBtoC向けシステムを実現しています。

25名のメンバーも全員、どこに出しても恥ずかしくないリーダやエンジニアたちが集まっています。


ですから、私自身はとても充実しています。でも、会社を見渡すと・・・?


【今日のまとめ】

『エンジニアになるつもりでSEになってください。そして、まずはスペシャリストを目指して下さい!』


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次回は、「SE業界の構造」についてお話したいと思います。


では、また。

こんにちは、マミゾウです。


もうすぐ4月、新卒のみなさんが入社する時季ですね!

新卒のみなさんには間に合わないかもしれませんが、来年卒業するみなさんも含め、以下のテーマでお話したいと思います。


【今日のお題】

『SE志望のみなさんは、どのSEになりたいですか?』


私の本業でも、新入社員が毎年入社してきますが、どんな仕事をしたいのか、明確な目的を持って入ってくる人は少ないです。

そもそも、どうしてこの会社を選んだのか・・・でさえ、あいまいですね。


みなさんはいかがでしょうか?


では、まず 「SEの仕事」 について考えてみましょう。


SE(システムエンジニア)は日本でしか使われていない言葉です。

外国では、コンピュータエンジニアというそうです。


ここに落とし穴があります。


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【システムの意味を考えよう】

まず、SEの”システム”についてお話します。

みなさんは、システムを開発する(=アプリケーションを作る)ことだけがSEの仕事 だと思っていませんか?

システムが稼動するためには、当然アプリケーションが必要ですが、それだけでは動きません。

アプリケーションを動かすための、インフラが必要になります。


インフラには、ハードウェア(サーバ・ストレージ・ネットワーク機器・・・)とミドルウェアがありますね。

その他にネットワークも必要です。


ということは、ハードウェアやミドルウェアを作る人もいますし、システムが稼動するために必要な規模を用意してシステム実行環境を構築する人(インフラ)もいます。


さらには、システムを安定稼動させるために、24時間監視している人たちもいます。

ハードウェアが故障し、交換作業をする人もいます。


大雑把にまとめると・・・

 「システムを企画する人」 →上流SEかコンサル

 「システムを開発する人(要件定義、設計、製造、テスト)」 →いわゆるSE

 「ハードウェアを作る人」 →SEというよりハードウェア技術者

 「ミドルウェア(基盤ソフト)を作る人」 →これもSE

 「インフラを構築する人(ハードウェア、ミドルウェア、ネットワーク)」 →SEというよりインフラ技術者

 「システムを監視・運用する人」 →SEというよりオペレータ

 「ハード、ミドルの保守をする人」 →SEというよりCE

など、様々な役割(=職種)の人がいます。


広義で言えば、どれもSEと言えます。


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【問題提起】

さて、みなさんは、「どのSEになりたいのですか?」


SEを志望するみなさんには、是非、どのSEになりたいのかを考えてほしいと思います。


これは、後日のテーマにしたいと思いますが、SE業界には3つの階層があります。

 第一階層は、メーカや商社系などの大企業です。

 第二階層は、その直系のシステム会社、企業系システム会社、大手ベンチャー系SIerです。

 第三階層は、中小のソフトハウスです。


大手企業になるほど、アプリケーションだけでなく、ハードウェアやミドルウェアも含め総合企業として幅広いビジネスをしています。


みなさんが、あいまいな気持ちのまま、その企業に入社したとしても、本当に自分がやりたい仕事ができない環境に配属 されるかもしれません。


システム開発がしたいのにインフラ構築の部署に配属される、ネットワーク技術者になりたかったのに運用監視部署に配属される、等。


これまた、後日のテーマにしたいと思いますが、システム開発がしたい人は、「どんなシステムを作りたい」のか、「誰のためのシステムを作りたい」のか ・・・これもどのSEになりたいかの重要な要素になります。


企業は、入社してくるみなさんの希望に少しでも答えたいと考えていますが、最終的な配属先はそのときの企業の状況によっても変わりますし、みなさんの特性も見ながら判断します。


どのSEになりたいか・・・あいまいな人は、後で後悔する と考えるべきです。


基本的に上記の職種については、入社して配属された後で変更することは難しい と思います。


それは、それぞれの職種だけで、組織が成り立つくらいの規模であり、個人の希望で異動がかなう程、簡単な問ことではないからです。


言い換えましょう。


私はいくつものシステム(inB、BtoC)を立ち上げてきましたので、どれもみんな同じくらい「大切な仕事」 だと考えています。全てが揃わないとシステムは稼動しません。


その部署に配属されるということは、それだけの重みがある ということをみなさんは意識すべきなのです。


みなさんには、「どのSEになりたいか」をしっかり考えた上で、会社選び から始めてほしいと思います。
そして、面接を受けるときにも、自分の意思をしっかり伝える 必要があります。

会社選びのポイントについても、後日のテーマとします。


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ちなみに・・・

私の会社では、新入社員は3ヶ月研修を受けますが、最初の1ヶ月は全員同じ教育を受けます。


その後、いくつかのグループに分かれて、システム全般の教育、最後にみんなでシステム開発(言語はJava)を演習します。


そうすると、みんな仕事でもシステム開発をすると思いますよね・・・


でも、実際の配属先は、業種毎のシステム開発部門もあれば、組込システム部門やパッケージ開発部門、インフラ構築専門の部門、インフラ運用部門などもあります。


最初に配属された部門の仕事を基本的にはしていくことになります。


私の会社は本部-事業部-部-課の組織構造ですので、一旦配属された後で職種を変えたいと思っても、本部や事業部レベルで自分の希望を通すのは難しいですよね。


これは、どの企業でも同じだと思います。


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【今日のまとめ】

『どのSEになりたいかをしっかり考えないと、後で後悔することになります!』


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【エンジニアの意味を考えよう】

次に、SEの”エンジニア”についてお話したいと思いますが、長くなりましたので次回のテーマとします。


では、また。