高さに関する制限
今回は建築物の「高さ制限」についてお話いたします。
いくら高いお金を支払い頑張って購入した自分の土地だからといって、
張り切って自由に大きな建物を建てても良いということはありません。
日照や通風などの健康上の問題、火災などの際に消防車のハシゴが上部に届くか、
など色々な問題を考慮する必要があります。
そこでこれらの見地から、建築基準法では建築物の高さに関する制限を課しています。
高さ制限は難問題の宝庫です。
難しい問題を作ろうと思えばいくらでも作れます。
細かい知識に捕らわれすぎず、要点だけをしっかりとマスターしておいてください。
意味不明な肢があったら消去法で対処してください。
4肢とも難しい場合は難問題ですので捨ててください。
ここで細かい知識を詰め込む暇があるなら、宅建業法などを確実にした方が有意義です。
以下、建築物の高さに関する制限の要点です。
■絶対高さの制限
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域内の建築物の高さは10mまたは12m
のうち、都市計画で定められたものを超えてはいけません(絶対高さの制限)。
第1第2低層住専は、居住環境の保護が特に強く求められている用途地域だからです。
絶対高さが制限されるのは低層住専の2つの用途地域のみですので注意してください。
ただし以下の2つの場合は例外として10mまたは12mを超えても構いません。
出題可能性は低いですが一読しておいてください。
1.敷地の周囲に広い公園や広場、道路等の空地があり、低層住宅に係る良好な住居の
環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可した建築物
2.学校等その用途からやむを得ないと認めて特定行政庁が許可した建築物
また、第1第2低層住専では、必要があれば1.5mまたは1mのいずれかを選んで外壁の
後退距離(建築物の外壁から敷地境界線までの距離)の限度を都市計画で定めることが
できるということも、ついでに覚えておいて損はないかもしれません。
■道路斜線制限
道路斜線制限とは、前面道路の反対側の境界線から建築物の敷地上空に向かって斜線を
引き、その斜線の内側に建築物を建てなければならないという規制をいいます。
道路斜線制限の目的は、道路側の上部空間を確保することにあります。
道路斜線制限は、用途地域内、用途地域の指定のない都市計画区域内、
準都市計画区域内で適用されます。
ポイントとして、道路斜線制限が適用されない用途地域はない、と覚えておいてください。
■隣地斜線制限(りんちしゃせんせいげん)
道路側だけでなく、隣地との関係においても上方の空間を確保する必要があります。
隣地斜線制限の目的は、隣地間の通風、採光等の確保にあります。
隣地斜線制限は、31mまたは20mを超える建築物を対象としています。
よってここでのポイントは、
絶対高さの制限がある第1第2低層住専には隣地斜線制限は適用されないということです。
■北側斜線制限
特に良好な住居環境を保護する必要がある地域には、
道路斜線制限、隣地斜線制限よりも更に厳しい北側斜線制限が課されます。
北側斜線制限の目的は、北側にある隣地の日照、採光、通風等の確保にあります。
北側斜線制限は、特に良好な住居環境を保護する必要がある地域、つまり第一種・第二種
低層住宅専用地域、第一種・第二種中高層住宅専用地域が対象となります。
ポイントは、北側斜線制限は第1第2低層住専、第1第2中高層住専の4つの住居専用のみ
で適用されるということです。
■日影規制(にちえいきせい)
「日影による中高層建築物の高さの制限」これを略して日影規制と呼びます。
つまり中高層建築物によって近隣の日照時間が短くなるのを防止するための規定です。
日影規制の目的は、住宅地の中高層建築物が周囲の敷地へ落とす日影を一定時間以内に
制限することで、直接的に日照を確保することにあります。
以下、日影規制のポイント+少し細かいですが出題可能性のある箇所です。
1.日影規制は、住居系(7つ)・近隣商業・準工業において適用される
2.日影規制は、用途地域無指定区域においても適用される
3.日影規制は、高層住居誘導地区内においては適用されない
4.第1第2中高層住専で日影規制の対象となる建築物は、北側斜線制限の適用がない
5.第1第2低層住専で日影規制の対象となる建築物は、軒の高さが7m以上、または
地階を除く階数が3以上の建築物である
6.第1第2中高層住専、第1第2住居、準住居、近隣商業、準工業で日影規制の対象
となる建築物は、高さ10m超の建築物である
7.日影規制は、冬至日に一定時間以上日影となる部分を生じさせない、
という方法でなされる
8.同一敷地内に2つ以上の建築物がある場合、これらの建築物は、
1つの建築物とみなして日影規制が適用される
9.建築物の敷地が道路や海等に接し隣地との高低差が著しい場合などは、
日影規制が緩和される
10.日影規制の適用対象区域外にある建築物でも、高さが10mを超え、冬至日において
日影規制の適用対象区域内に日影を生じさせる建築物は、日影規制の適用を受ける
補足として、
1.つまり日影規制の対象区域外となるのは、商業、工業、工業専用の3つです
1.2.これらの地域から地方公共団体が指定する区域で適用されます
4.第1第2低層住専では日影規制区域内でも北側斜線制限が適用される点に注意
[ 平成5年 問23 ] 建築物の高さの制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.道路斜線制限(建築基準法第56条第1項第1号の制限をいう。)は、用途地域の指定のない区域内については、適用されない。
2.隣地斜線制限(建築基準法第56条第1項第2号の制限をいう。)は、第一種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域内については、適用されない。
3.北側斜線制限(建築基準法第56条第1項第3号の制限をいう。)は、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域内に限り、適用される。
4.日影制限(建築基準法第56条の2の制限をいう。)は、商業地域内においても、適用される。
1 誤:都市計画区域、準都市計画区域、用途地域の指定のない区域で適用される
2 誤:第一種・第二種中高層住居専用地域内においては適用される
3 正:北側斜線制限が適用されるのはこの住居系の4つ
4 誤:商業・工業・工業専用には適用されない
[ 平成7年 問24 ] 日影による中高層の建築物の高さの制限(以下この問において「日影規制」という)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.日影規制の対象となる区域については、その区域の存する地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して、都市計画で定められる。
2.第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域において、日影規制の対象となるのは、軒の高さが7m又は高さが10mを超える建築物である。
3.同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、日影規制が適用される。
4.建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合であっても、日影規制の緩和に関する措置はない。
1 誤:地方公共団体の条例で指定される(都市計画で定める絶対高さと区別)
2 誤:軒の高さは関係なく、高さ10m超の建築物
3 正
4 誤:道路や海などと接して隣地と高低差がある場合は緩和される
いくら高いお金を支払い頑張って購入した自分の土地だからといって、
張り切って自由に大きな建物を建てても良いということはありません。
日照や通風などの健康上の問題、火災などの際に消防車のハシゴが上部に届くか、
など色々な問題を考慮する必要があります。
そこでこれらの見地から、建築基準法では建築物の高さに関する制限を課しています。
高さ制限は難問題の宝庫です。
難しい問題を作ろうと思えばいくらでも作れます。
細かい知識に捕らわれすぎず、要点だけをしっかりとマスターしておいてください。
意味不明な肢があったら消去法で対処してください。
4肢とも難しい場合は難問題ですので捨ててください。
ここで細かい知識を詰め込む暇があるなら、宅建業法などを確実にした方が有意義です。
以下、建築物の高さに関する制限の要点です。
■絶対高さの制限
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域内の建築物の高さは10mまたは12m
のうち、都市計画で定められたものを超えてはいけません(絶対高さの制限)。
第1第2低層住専は、居住環境の保護が特に強く求められている用途地域だからです。
絶対高さが制限されるのは低層住専の2つの用途地域のみですので注意してください。
ただし以下の2つの場合は例外として10mまたは12mを超えても構いません。
出題可能性は低いですが一読しておいてください。
1.敷地の周囲に広い公園や広場、道路等の空地があり、低層住宅に係る良好な住居の
環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可した建築物
2.学校等その用途からやむを得ないと認めて特定行政庁が許可した建築物
また、第1第2低層住専では、必要があれば1.5mまたは1mのいずれかを選んで外壁の
後退距離(建築物の外壁から敷地境界線までの距離)の限度を都市計画で定めることが
できるということも、ついでに覚えておいて損はないかもしれません。
■道路斜線制限
道路斜線制限とは、前面道路の反対側の境界線から建築物の敷地上空に向かって斜線を
引き、その斜線の内側に建築物を建てなければならないという規制をいいます。
道路斜線制限の目的は、道路側の上部空間を確保することにあります。
道路斜線制限は、用途地域内、用途地域の指定のない都市計画区域内、
準都市計画区域内で適用されます。
ポイントとして、道路斜線制限が適用されない用途地域はない、と覚えておいてください。
■隣地斜線制限(りんちしゃせんせいげん)
道路側だけでなく、隣地との関係においても上方の空間を確保する必要があります。
隣地斜線制限の目的は、隣地間の通風、採光等の確保にあります。
隣地斜線制限は、31mまたは20mを超える建築物を対象としています。
よってここでのポイントは、
絶対高さの制限がある第1第2低層住専には隣地斜線制限は適用されないということです。
■北側斜線制限
特に良好な住居環境を保護する必要がある地域には、
道路斜線制限、隣地斜線制限よりも更に厳しい北側斜線制限が課されます。
北側斜線制限の目的は、北側にある隣地の日照、採光、通風等の確保にあります。
北側斜線制限は、特に良好な住居環境を保護する必要がある地域、つまり第一種・第二種
低層住宅専用地域、第一種・第二種中高層住宅専用地域が対象となります。
ポイントは、北側斜線制限は第1第2低層住専、第1第2中高層住専の4つの住居専用のみ
で適用されるということです。
■日影規制(にちえいきせい)
「日影による中高層建築物の高さの制限」これを略して日影規制と呼びます。
つまり中高層建築物によって近隣の日照時間が短くなるのを防止するための規定です。
日影規制の目的は、住宅地の中高層建築物が周囲の敷地へ落とす日影を一定時間以内に
制限することで、直接的に日照を確保することにあります。
以下、日影規制のポイント+少し細かいですが出題可能性のある箇所です。
1.日影規制は、住居系(7つ)・近隣商業・準工業において適用される
2.日影規制は、用途地域無指定区域においても適用される
3.日影規制は、高層住居誘導地区内においては適用されない
4.第1第2中高層住専で日影規制の対象となる建築物は、北側斜線制限の適用がない
5.第1第2低層住専で日影規制の対象となる建築物は、軒の高さが7m以上、または
地階を除く階数が3以上の建築物である
6.第1第2中高層住専、第1第2住居、準住居、近隣商業、準工業で日影規制の対象
となる建築物は、高さ10m超の建築物である
7.日影規制は、冬至日に一定時間以上日影となる部分を生じさせない、
という方法でなされる
8.同一敷地内に2つ以上の建築物がある場合、これらの建築物は、
1つの建築物とみなして日影規制が適用される
9.建築物の敷地が道路や海等に接し隣地との高低差が著しい場合などは、
日影規制が緩和される
10.日影規制の適用対象区域外にある建築物でも、高さが10mを超え、冬至日において
日影規制の適用対象区域内に日影を生じさせる建築物は、日影規制の適用を受ける
補足として、
1.つまり日影規制の対象区域外となるのは、商業、工業、工業専用の3つです
1.2.これらの地域から地方公共団体が指定する区域で適用されます
4.第1第2低層住専では日影規制区域内でも北側斜線制限が適用される点に注意
[ 平成5年 問23 ] 建築物の高さの制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.道路斜線制限(建築基準法第56条第1項第1号の制限をいう。)は、用途地域の指定のない区域内については、適用されない。
2.隣地斜線制限(建築基準法第56条第1項第2号の制限をいう。)は、第一種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域内については、適用されない。
3.北側斜線制限(建築基準法第56条第1項第3号の制限をいう。)は、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域内に限り、適用される。
4.日影制限(建築基準法第56条の2の制限をいう。)は、商業地域内においても、適用される。
1 誤:都市計画区域、準都市計画区域、用途地域の指定のない区域で適用される
2 誤:第一種・第二種中高層住居専用地域内においては適用される
3 正:北側斜線制限が適用されるのはこの住居系の4つ
4 誤:商業・工業・工業専用には適用されない
[ 平成7年 問24 ] 日影による中高層の建築物の高さの制限(以下この問において「日影規制」という)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.日影規制の対象となる区域については、その区域の存する地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して、都市計画で定められる。
2.第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域において、日影規制の対象となるのは、軒の高さが7m又は高さが10mを超える建築物である。
3.同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、日影規制が適用される。
4.建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合であっても、日影規制の緩和に関する措置はない。
1 誤:地方公共団体の条例で指定される(都市計画で定める絶対高さと区別)
2 誤:軒の高さは関係なく、高さ10m超の建築物
3 正
4 誤:道路や海などと接して隣地と高低差がある場合は緩和される