債務不履行
債務不履行とは、債務者が正当な理由がないのに債務の履行をその内容どおりに行わないこと、
つまり、約束どおりの履行をしないことをいいます。
少し量は多いですが、非常に重要ですので頑張って覚えてください。
では、約束を破ったらどうなるのか?
順番に見ていきましょう。
■債務者(約束を果たすべき者)とは?
法律の勉強を始めたばかりの方は、
売買契約で債務者といえば、お金を払う買主を思い浮かべてしまいます。
これはちょっと誤りで、売買契約では、お互いに債権者であり債務者なのです。
どこに着目するかで、債権者と債務者の概念が入れ替わります。
「代金の支払い」についての債権者は売主で、債務者は買主です。
「目的物の引渡し」についての債権者は買主で、債務者は売主です。
買主は売主に対して「買った物を引き渡してくれ」という権利を有するわけです。
■債務不履行の種類
債務不履行には、「履行不能」と「履行遅滞」の2種類があります。
この場合の債務者とは、売主を意味します。
1.履行不能(約束を守ることが不可能となること)
意義:契約成立後に、債務者(売主)の責任によって、目的物を買主に引き渡せなくなってしまった
場合をいいます(建物の売買契約成立後、売主の火の不始末で、引渡し前に建物が焼失
してしまった場合など)。
要件:契約成立後に履行が不可能となること、債務者に故意または過失があること
重要おまけ:履行期到来以前でも、履行期に給付することが不能確実となれば、履行期の到来を
待たずに、そのときから履行不能となります!
2.履行遅滞(約束に遅れること)
意義:債務が履行期(*)にあり、しかも履行が可能であるにもかかわらず、債務者が
履行期を過ぎた場合をいいます(建物の引渡し期日になっても、買主に引き渡さない)。
要件:履行期に履行が可能であること、債務者に故意または過失があること、履行期を過ぎること、
履行しないことが違法であること(債権者が同時履行を行使している場合など)
重要おまけ:同時履行の場合、相手方(買主)が債務を履行しない(代金を提供しない)間は、
履行遅滞による債務不履行責任を負うことはありません!
(*)履行期とは?
確定期限(2005年4月30日に引き渡す):期限が到来したとき
不確定期限(次に雨が降ったときに引き渡す):債務者が期限の到来を知ったとき
期限の定めない場合(期日の約束をしなかった):債務者が履行の請求を受けたとき
■債務不履行の効果
債務不履行によって損害が生じた場合、債権者は債務者に対して、損害賠償の請求ができます。
しかし債権者は、自分が損をしたこと、およびいくら損をしたのかを証明しなければなりません。
しかしこれはとても面倒なことです。そこで当事者間の契約で、賠償すべき額をあらかじめ決めて
おくことができます。
これを「損害賠償額の予定」といいます。
以下、損害賠償額の予定についての重要事項です。
・債権者は、債務不履行の事実さえ証明すれば、損害の発生、損害額の証明をしなくても、
予定賠償額を請求できる
・賠償額の予定は、契約と同時にする必要はない
・裁判所は、賠償予定額を増減することはできない
・違約金は、損害賠償額の予定と推定される
・賠償額の予定がなされているときでも、本来の履行の請求または解除権の行使を妨げない
また損害賠償以外に、もちろん契約を解除することも認められます。
債務不履行をするような債務者とは、契約解消したほうが賢いかもしれないですからね。
■金銭債務の不履行
ここでは、買主を債務者とした場合の債務不履行を見ていきます。
買主の債務不履行ですから、もちろん代金の不払いです。
・金銭債務は、履行不能とならない(常に履行遅滞)
・金銭債務は、不可抗力をもって抗弁とすることはできない
金銭は、その極度の融通性・普遍性から、履行不能は有り得ません。
金銭は万能であり、世の中のどこかには必ず存在します。
特定物とは違って、代わりがいくらでも存在します。
支払いが不可能ということは有り得ないのです。
100円でガムは買えても、ガムで100円は買えないということです。
・債権者は、損害の発生を証明しなくても、賠償請求をすることができる
・賠償額は法定利率(年5分)を原則とするが、
これより高い約定利率を定めているときはそれによる
・債権者は、履行遅滞があれば当然に上記法定利率または約定利率による賠償を請求し得るが、
それ以上の実損害を証明しても、その賠償を請求することはできない
・金銭債務の場合についても、損害賠償額の予定をすることができる
[ 昭和60年 問2 ] Aは、Bに対して金銭債権を有している。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
(1)Bの債務の履行について確定期限があるときであっても、Bは、Aから履行の請求を受けるまでは履行遅滞とはならない。
(2)Bが債務を履行しない場合、Aは損害賠償を請求することができるが、その場合、Aは、損害の証明をしなければならない。
(3)AがBの債務不履行を理由として損害賠償を請求してきた場合、Bは、不可抗力をもって抗弁することはできない。
(4)A及びBが、Bの債務不履行について損害賠償の額を予定していた場合であっても、裁判所はその額を増額することができる。
1 誤:確定期限ある債務は、期限が到来したときから履行遅滞の責任を負う
2 誤:金銭債権の場合、債権者は損害を証明しなくても損害賠償請求ができる
3 正:金銭債権の場合、債務者は不可抗力を理由に履行遅滞責任を免れることはできない
4 誤:損害賠償の予定がなされた場合、裁判所はその額を増減することはできない
つまり、約束どおりの履行をしないことをいいます。
少し量は多いですが、非常に重要ですので頑張って覚えてください。
では、約束を破ったらどうなるのか?
順番に見ていきましょう。
■債務者(約束を果たすべき者)とは?
法律の勉強を始めたばかりの方は、
売買契約で債務者といえば、お金を払う買主を思い浮かべてしまいます。
これはちょっと誤りで、売買契約では、お互いに債権者であり債務者なのです。
どこに着目するかで、債権者と債務者の概念が入れ替わります。
「代金の支払い」についての債権者は売主で、債務者は買主です。
「目的物の引渡し」についての債権者は買主で、債務者は売主です。
買主は売主に対して「買った物を引き渡してくれ」という権利を有するわけです。
■債務不履行の種類
債務不履行には、「履行不能」と「履行遅滞」の2種類があります。
この場合の債務者とは、売主を意味します。
1.履行不能(約束を守ることが不可能となること)
意義:契約成立後に、債務者(売主)の責任によって、目的物を買主に引き渡せなくなってしまった
場合をいいます(建物の売買契約成立後、売主の火の不始末で、引渡し前に建物が焼失
してしまった場合など)。
要件:契約成立後に履行が不可能となること、債務者に故意または過失があること
重要おまけ:履行期到来以前でも、履行期に給付することが不能確実となれば、履行期の到来を
待たずに、そのときから履行不能となります!
2.履行遅滞(約束に遅れること)
意義:債務が履行期(*)にあり、しかも履行が可能であるにもかかわらず、債務者が
履行期を過ぎた場合をいいます(建物の引渡し期日になっても、買主に引き渡さない)。
要件:履行期に履行が可能であること、債務者に故意または過失があること、履行期を過ぎること、
履行しないことが違法であること(債権者が同時履行を行使している場合など)
重要おまけ:同時履行の場合、相手方(買主)が債務を履行しない(代金を提供しない)間は、
履行遅滞による債務不履行責任を負うことはありません!
(*)履行期とは?
確定期限(2005年4月30日に引き渡す):期限が到来したとき
不確定期限(次に雨が降ったときに引き渡す):債務者が期限の到来を知ったとき
期限の定めない場合(期日の約束をしなかった):債務者が履行の請求を受けたとき
■債務不履行の効果
債務不履行によって損害が生じた場合、債権者は債務者に対して、損害賠償の請求ができます。
しかし債権者は、自分が損をしたこと、およびいくら損をしたのかを証明しなければなりません。
しかしこれはとても面倒なことです。そこで当事者間の契約で、賠償すべき額をあらかじめ決めて
おくことができます。
これを「損害賠償額の予定」といいます。
以下、損害賠償額の予定についての重要事項です。
・債権者は、債務不履行の事実さえ証明すれば、損害の発生、損害額の証明をしなくても、
予定賠償額を請求できる
・賠償額の予定は、契約と同時にする必要はない
・裁判所は、賠償予定額を増減することはできない
・違約金は、損害賠償額の予定と推定される
・賠償額の予定がなされているときでも、本来の履行の請求または解除権の行使を妨げない
また損害賠償以外に、もちろん契約を解除することも認められます。
債務不履行をするような債務者とは、契約解消したほうが賢いかもしれないですからね。
■金銭債務の不履行
ここでは、買主を債務者とした場合の債務不履行を見ていきます。
買主の債務不履行ですから、もちろん代金の不払いです。
・金銭債務は、履行不能とならない(常に履行遅滞)
・金銭債務は、不可抗力をもって抗弁とすることはできない
金銭は、その極度の融通性・普遍性から、履行不能は有り得ません。
金銭は万能であり、世の中のどこかには必ず存在します。
特定物とは違って、代わりがいくらでも存在します。
支払いが不可能ということは有り得ないのです。
100円でガムは買えても、ガムで100円は買えないということです。
・債権者は、損害の発生を証明しなくても、賠償請求をすることができる
・賠償額は法定利率(年5分)を原則とするが、
これより高い約定利率を定めているときはそれによる
・債権者は、履行遅滞があれば当然に上記法定利率または約定利率による賠償を請求し得るが、
それ以上の実損害を証明しても、その賠償を請求することはできない
・金銭債務の場合についても、損害賠償額の予定をすることができる
[ 昭和60年 問2 ] Aは、Bに対して金銭債権を有している。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
(1)Bの債務の履行について確定期限があるときであっても、Bは、Aから履行の請求を受けるまでは履行遅滞とはならない。
(2)Bが債務を履行しない場合、Aは損害賠償を請求することができるが、その場合、Aは、損害の証明をしなければならない。
(3)AがBの債務不履行を理由として損害賠償を請求してきた場合、Bは、不可抗力をもって抗弁することはできない。
(4)A及びBが、Bの債務不履行について損害賠償の額を予定していた場合であっても、裁判所はその額を増額することができる。
1 誤:確定期限ある債務は、期限が到来したときから履行遅滞の責任を負う
2 誤:金銭債権の場合、債権者は損害を証明しなくても損害賠償請求ができる
3 正:金銭債権の場合、債務者は不可抗力を理由に履行遅滞責任を免れることはできない
4 誤:損害賠償の予定がなされた場合、裁判所はその額を増減することはできない