仕事上でお付き合いしている食品スーパーさんのお話しです。

通常、旅館さん以外は、上場企業及びその関連企業としか取引をしないのですが、折角の引き合いなので少し調査してみたら、大手スーパーが近隣に出店したのにも関わらず集客を奪われていないとの事・・・・・

確かに、チラシの商品は『あ!』と驚くような値段だし、鮮魚・生鮮ともに鮮度は良い方向で保たれていて品質には問題がなさそう。
資本が小さいので、最近のGMS系店舗のように5メートル天井とはいかず、少しくたびれ感のある店舗だが
、パン工房の新設や店内装飾などで古さを隠そうとの努力の跡も見られるので、来店客には不快感を与えるレベルでは無い。
しかし、大手資本のスーパーと対等以上にやって行けている秘密自体は、さらっと店舗を見ただけでは見出す事は出来なかった。

取引が始まって数か月たったある日、開店前の店舗にお邪魔する時があった・・・
納品口の無い小規模な店舗では、正面入り口のシャッターを半開きにして、トラックを横付けにし商品の搬入を行っていたので、私もそこから入店し店内を見渡すと・・・・
開店1時間前にも関わらず、既に買い物かごをもった主婦が数名うろついているではないか・・・
はじめは信じられない光景なので、パートの方が傷んだ商品や期限切れの商品を取り除いているとも思ったのですが、別のエプロンをしている従業員に一声かけるとレジで精算しはじめました。

先日、年始のあいさつ回りの時に専務とその時の事をお話しすると、
『うちではお客様の事情を聞いて・・・そう言う事であれば・・・・・』と、融通を利かせているそうである。
本来であれば、万が一の事故など、店側が責任の取れる状態でない場合に買い物をさせる事が出来ないのだが、客側も営業時間より早く(又は遅く)行っている事は承知なのだから、何らかの事情があるに違いなく、その客の事情を優先し、現場レベルで、それ相応の対応を任せているとの事でした。

他にも・・・・数種類のミカンを客が自由に食べ比べして選ばせることをしていたり、商店街のお店のように客が知らない食材の調理方法をレジで教えている光景を目撃したりしていた私は・・・なんだが昭和の暖かかったアーケードの市場を思い出して少し心が暖かくなった気がししました。

大手スーパーや通販ではこう言う事はできないなぁ・・・と、良いお勉強になりました。



すぐ使える成長戦略&営業強化プランがここに!