昨年秋刊行された『友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」』
祖母が退院した後、内科や眼科の定期受診に連れて行って待っている間に読んで、やっと読み終わりました。
まず、一言、
感動 です。
待合室で読んでいてもどんどん涙が流れてきて大変でした周りの方々は気づいていなかったのか、見て見ぬふりか・・・。
そして、読めば読むほど、平尾さんが亡くなってしまったのが寂しくて辛くてとても残念な気持ちが大きくなっていきます。
平尾さんが亡くなった数ヶ月後に行われた「感謝のつどい」で山中さんがお別れの挨拶をしているのをテレビで見て、お二人は友達だったのかと当時思っていたのですが、この本を読んで“友達”どころが深い絆でつながっていたことがわかりました
平尾さんは、カッコ良くて真っ直ぐで、病気にも強い気持ちで立ち向かっていました。
山中さんも自分のことのように一生懸命治療策を探っていました。
ラグビーが二人をつなげ、お互いのことが大好きで、心の底から信頼しているのが様々なエピソードから伝わって来ました
平尾さんが山中さんに伝えた『人を叱るときの4つの心得』
一、プレーは叱っても人格は責めない
一、あとで必ずフォローする
一、他人と比較しない
一、長時間叱らない
これはラグビーだけでなく、会社や子育てなどいろんな場面に当てはまると思います。私もこの4つを忘れずにいたいです。
さらに、奥様の惠子さんが平尾さんから聞いていた『ボスザルの条件』
一、親の愛情を受けて育った
一、雌ザル子ザルから人気がある
一、離れザルになるなどの逆境を経験している
人間に置き換えても、とっても魅力的です
カッコ良くて真っ直ぐな平尾さん。本の中で私が一番素敵だなぁと思ったのは、結婚して何年経っても奥様を「けいちゃん」と名前で呼んでいたことです
さらに、通帳類や貸金庫の暗証番号がずべて奥様と初めて会った日の数字だったことも、胸がキュンとしました
平尾さんと山中さんの雑誌での対談をまとめた章を読んでいると、まだ平尾さんが生きていて、二人の講演を聴きに行っているような気さえしてきます。
「チームワークは『助け合い』ではなく、『個人が責任を果たすこと』」
「理不尽や不条理や矛盾を経験しないと人間は成長しない、強くならない」
平尾さんの言葉全て説得力があります
ただの感動秘話の本ではなく、自分の生き方をもう一度考えてみたり、人との接し方を改めて考えてみたりするきっかけになる一冊です