今日は3・11です。
あれから12年。。。
当時はビルの16Fで地震に遭いました。
ビルがありえない横揺れをし、ビルの天井からの不吉なゴリゴリという音が響き渡り、いつまでたっても揺れが収まらない。
部長が「震源は東北!」と。
フロアには七百人近い人がいたのですが、みんなパニックになってテーブルの下に。
そしてビルが喋り始めた。
「地震です。地震です。地震です。地震です。地震です。地震です。地震です。地震です。地震です。(リピート・・・)」
。。。
「そんなの分かってるよ!!!!!」と私の心の声。
「今日が私の命日かも(涙)」とも。
「お願いだから地震を止めてください!」と、人生で初めて本気で神に祈った日です。。。
もちろんその後は仕事にはならず、NHKは情報が遅いので、BBCのストリームを見ていました。
(事後分かったのですが、NHKよりBBCの放送の方が、震度推測や原発の状況から含めて、最初から正確でした。)
津波の映像が多かったのですが、車が流されている。。。
「これ、人が乗っているんじゃないの。。。?」
その後、千葉のコンビナートが目の前で爆発するのもビルから眺めていて。
「日本どうなっちゃうんだろう。。。(涙)」と。
当時はインフラ系の仕事をしていたので、各地の拠点の情報も入ってきて。
現場は、とにかく拠点を死守するのに必死だった印象が残ってます。
私も朝4時まで職場で仕事をしてました。
家に帰ってテレビをつけて初めて目にする惨状。。。
ただただその有様に、さめざめと泣くことしか出来なかったあの日。。。
そしてその日の夕方から始まる、国運を賭けたメルトダウンとの闘い。。。
土日はNHKに釘付けになりながら、仕事を。
(十二年前に既にリモートで仕事ができた最新の環境でした。)
部長からは「国難なので、そのつもりで仕事に当たって欲しい」と。
本当にその通りだと思いました。
当時実はソフトバンクで働いていたのですが、次の週になって、東北で津波に1昼夜さらされて助かった社員から全社メールが届きました。
読んでて涙しか出ない。本当に大変な思いをされている。。。
孫さんがそのメールに対して全社リプライしているのですが、本当に泣けました。
(ネットでは孫さんは色々言われてますが、人格者であり、優秀な経営者ですよ。)
毎年やっているNHKの震災特集は、なるべく見るようにしています。
その中でも一番印象に残った特集。
2016年の「風の電話」。
とある方の敷地にある、繋がらない公衆電話。
持ち主は、なくなった方と話すために設置した。
その噂を聞きつけて、なくなった人への昇華できない想いを語りに様々な人が訪れる。
違法アップなのですが、動画で残ってます。
「早く見つかれ。早く帰ってこ。物なんだり食べてろよ、どこでもいいから生きてろ。さみしいぞ」
これを見て私の印象に残った方。
「新しい家を建てても意味がない」と泣いた、とある男性。
この人どうなっちゃうんだろう、と。。。
3・11が来るたびに、この方が気がかりだったのですが、それはNHKの取材班も一緒だったようで。
実はその数年後(2018年か2019年?)、この男性のドキュメンタリーが放映されてました。
彼と息子の二人だけが生き残った。
その息子さんが高校を卒業して、東京のアニメ関係の専門学校に進学するまでを描いてました。
最後は笑顔で息子を東京に送り出すところで終わってました。
彼の声が記憶に残ってて、放映中に上記の動画を急いで再生して、当人と確認。
「生きててくれて本当に良かった」と思いましたよ。
伊勢白山道さんのブログに出会ったのも3・11直後でした。
震災の1ヶ月後のブログ記事です。
ここで初めてヒトラーの予言を知りました。
当時読んだ時に、最後の締めが「日本で起こることに無駄なことはありません」とあった気がしたのですが。
今読むと無い。。。
2016年の大ヒット映画「シン・ゴジラ」は、庵野秀明監督の3・11と言われています。
東京湾から上陸したゴジラが品川まで移動する間に街を破壊するのですが、その後の描写が3・11の津波の後の風景そのままでした。
リアリティを求める庵野監督は、当時の政府関係者にもかなり取材したようです。
加えて日本の陸自、空自の協力もいただき。
なので最後は、レスキュー車でゴジラ(原子炉)に凍結材を注入するのです。
そう思ってみると、主人公の矢口(長谷川博巳)が、レスキュー隊を前にしてした演説は、涙、涙です。。。
監督の学生時代からの友人、かつかつての同僚、岡田斗司夫さんから。
博士=ゴジラ説が衝撃でした。
私は博士は自身を人身御供にして、ゴジラを起動させたのかと思ってました。
が、その後人型まで進化するのだから、「博士=ゴジラ」説で、謎が解けました。
300名強の俳優が出演してますが、あの名優も、あの名優も出てくるのは一瞬だったりする。
でもその演技力とカメラワークで、きちんと印象に残る。
岡田さんは「情報の無駄遣いが面白い」と言ってましたが、私には「俳優の無駄遣いが面白い」です。
ゴジラが魚類から両生類>爬虫類と形態を変えて進化してゆく描写が凄かった。
そして最後は凍結されたゴジラの尻尾の先に人型の生物が這い出ている画で終わる。
未だ震災の行方不明者が2523人いらっしゃいます。
今日も14:46に当時に思いを馳せ、亡くなった方を思い出し、涙に暮れる方もいらっしゃるでしょう。。。
当時、身を呈して原発で働いてくれた吉田所長、その指揮下で働いてくれた名もない方々、レスキュー隊の方々のことも思い出されます。
(吉田所長は2013年にガンで死去)
自分の命が今在るのは、彼らのおかげですから。
庵野秀明と伊勢白山道が紡ぐ3・11と進化の世界。
私も「日本で起こることに無駄なことはない」と思います。