京都は静かです。

3月は何気に神社やお寺の普段は公開していない、特別公開が満載な時期です。

今日は御所から大徳寺、西陣を散策してました。

 

朝一で晴明神社が割と近い、報恩寺へ。

本日最大の収穫でした。

 

 

 

しかし御所から大徳寺、西陣、そして太秦。。。

この辺には藤原五摂家とか、表千家とか、冷泉家とか、日本の国体の秘密に関わる名家が軒並みこの地域にいますね。

今は東京に移動してしまいましたが、能の観世家も元々は西陣にあったのでした。

今回の報恩寺のすぐ近くに表千家があります。

広大な敷地でした。そして拝観は禁止。公開されていません。

千を名乗る豪邸が2、3軒ありました。

 

報国寺は信長、秀吉の時代の室町時代末期にできた浄土宗のお寺です。

能の観世家、志野流香道・茶道家元の蜂谷家の菩提寺です。

寅年のお正月にのみ公開している「鳴虎」の絵、快慶作の阿弥陀三尊像、そして何よりも弘法大師が作ったと言われている大黒天。

どれも写真撮影は禁止だったので、雰囲気を共有できないのですが、空海の大黒天は記事のコピーは撮影していいと言われたので、撮ってきました。

 

笑いながら走る大黒天。怖い。。。

実物は10cmくらいと小ぶりですが、異彩を放つオーラが出てるので引き込まれます。

これが本当に空海が彫ったなら、その仏像と対面できるなんて感無量ですね(嬉し涙)。

空海ファンは必見でしょう。

大黒天の笑いは微笑ではなく、大笑い?みたいな感じなのですが、大笑いしてる仏像は本当は怖い存在だとか。。。

ヒンズーの破壊神が大元なので、元々はとっても怖い神様なのです。

 

快慶作と言われている三尊像は、手前の2対の菩薩が正面から見るとわかりづらいのですが、上半身だけ傾いている珍しい仏像。

上半身を傾けた立像を彫るのはバランスとるのが大変なんですよね。

仏師はそんなに知らないのですが、快慶の仏像はアバンギャルドで好きです。

快慶の深沙将立像とか広目天とか、高野山に行くと沢山見れます。

仏師なら円空、木喰も素敵ですね。

 

そして秀吉が大好きだった「鳴虎」の絵。

ここに虎と一緒にカササギという鳥が描かれているのですが、当時日本にカササギはおらず、朝鮮出兵のときに秀吉が日本に持ち帰って生息し始めたそうです。

カササギの日本での生息地は限られているそうです。

 

本物の絵は絹に書かれていて、今回公開されていたのは絹に精巧にコピーされた本物の模写ですが、素人が見たら全然分からないです。

毛の一本一本まで丹念に書き込まれているので、絵なのですが、トラがもふもふしてるのです。

左から見るのと、右から見るのとでは体の大きさが変わる不思議な絵です。

 

この絵は、明から後柏原天皇が賜った絵だそうです。

日本で書かれた虎の絵と、本当に虎がいた中国では、当時の虎の描かれ方が違うのだそう。

中国の絵の虎の目は丸く、日本は縦長な目だそうです。

それは日本には虎がいなかったので、虎の毛皮を猫に被せて絵を描いたからだとか。

本当だったらちょっと笑っちゃいますね。

でも案内の方がそう説明していたので、事実なのだと思います。

虎の背景も違っていて、中国では松を背景に、日本では竹。

なので、目の丸さ具合と背景の植物の違いで、日本の絵なのか中国の絵なのか分かるらしいです。

 

今回建仁寺に行こうと思って調べていたら、最初にヒットしたのが、臨黄ネットでした。

 

 

 

臨黄??なんじゃそりゃ???

日本の三大禅宗といえば、曹洞宗、臨済宗、そして黄檗宗なのだそうです。

前者の2宗派は納得ですが、黄檗宗??

近畿圏の方は馴染みがあるかもしれませんが、関東にいると全く聞いたことのない宗派で。

宇治に観光に行った時に、関西の友達がついでに観光に黄檗に連れて行ってくれて、それで知りました。

上記のサイトをみると、京都の中心地にある有名なお寺が軒並み臨黄に区分けされてる。

臨済宗は武家の宗派だから分かるけど、なぜ明とのゆかりが深い宗派が京都に喰い込んでいるのですかね?

御所の近くにある日本の歴史に深く関わっていた報恩寺にも、明由来の絵があり。。。

不思議です。

 

後日、黄檗も行ってきて報告します。