スーパーテューズデイではそれまで苦戦を強いられてきたバイデン氏が大半の予想に反して勝利を収めた。一方、各州で着実に地盤を固めてきたサンダース氏にとっては厳しい状況となりそうだが、彼も決して勢いを失ったわけではない。そもそもなぜ民主社会主義者を自称するサンダースが、ここまで上り詰めることができたのだろうか。
その前に現職のトランプが大統領に選ばれたこと自体一見不可解だが…トランプはいま世界で流行ってるポピュリズムの先導者のようなものだ。意識的にやっているかはわからないが全く根拠はないのにスケープゴートを作り出し、民衆の不満の矛先を変えるのがうまい。それによって不満を抱える人たち(主に低所得者層)の支持を得ることができた。
一方サンダースは社会の中の不平等を指摘することに長けている。アメリカのような格差が深刻化する社会の中で、虐げられていると感じている人たちの代弁者となることに成功したのだ。
正反対かのように見える2人だが、不満を持つ民衆の支持を得たというところは共通している。その方法が違うだけだ。
日本ではどうだろうか。池袋で親娘2人が老人の運転する車にはねられ死亡するという痛ましい事故はまだ記憶に新しいことだろう。上級国民という言葉がネット上で頻繁に使われるようになったのもこの事故の加害者がなかなか逮捕されることなくしかも彼が社会的地位の高い人物だということが判明してからではないか。上級国民のはっきりした定義はわからないが、自分がそっち側の人間ではないのは確かなことだ。ではあなたの想像する上級国民とは例えば誰のことだろうか？そう考えてみると意外と思い浮かばないかもしれない。なんとなく贅沢な生活をして、権力の庇護を受けてオホホと笑っているような人たちのアホみたいな想像図が浮かんできたが、多分そんな人たち存在しない。上級国民は確かに存在するし、彼らが一般の人たちより様々な意味で生活の安全が保障され、安泰な生活を送っているのは紛れもない事実だと思う。しかし、その実態が知られることはほとんどない。そもそも私たちは池袋での事故以前に彼らの存在を意識することさえなかったのだ。そう考えると上級国民という存在が可視的になった今でも実際にどういう人たちが上級なのか我々はほとんど知らないのではないか。ステレオタイプのイメージを作り出し、妄想を膨らませ怒りや不満をぶつける。結局トランプがアメリカの大衆をに植え付けた意識とよく似通ったものがある。
問題は、上級国民やその存在を批判したところであなたの不満が解消されるわけではないし、彼らがあなたと同じような生活をする様になるわけではない。つまり、なんの問題解決にもなっていないということなのだ。
ではその問題とはなんだろうか。個人的には格差と不平等の拡大だと思う。トマ・ピケティが「21世紀の資本」で示したように、このおよそ150年の間、資本収益率>経済成長率の状況が続いてきて、金持ちはより金持ちに、貧乏人は相対的により貧乏になるという図が固定化されていた。経済成長率の落ち込んできた先進国ではグローバル化の影響も相まって格差の拡大は急速に進んでいる。それが民衆の中の不満さらにルサンチマンとなり、別の対象に向けられる。その結果が極端な右傾化、ポピュリズムの台頭などなのではないか。しかしそれは国同士、人同士の対立を激化させ、更なる不幸を生むだけだ。
全く個人的な話になるが、学校にいる香港から来た生徒と話をする機会があった。彼の両親は会社を経営しているようで、相当に裕福な家庭に生まれた彼の話すことと言えば、この車を買いたいだとか、高級なレストランで食事をしただとか、正直自慢にしか聞こえないし、本当にどうでもいい飽き飽きする話ばかりだ。いつも”I don’t f○ckin’ care”と叫びたくなるのを抑えて聞いているフリをしていた。そんな彼と格差や貧困のことについて話す機会があった。おそらく彼はそんなこと考えたこともないだろうし、貧困層に思いを巡らすこともなかったのだろう。彼の主張は自分たちは従業員を雇って雇用を維持しているし、所得税も40%も払っている、貧困に陥るのは自己責任だというものだった。(後で調べてみたら香港の所得税の最大税率は17%だった)そして何より一番ひどいのは貧困に陥るのは自己責任だという主張だ。貧困家庭に生まれれば、高い教育を受けられる機会は少なく、将来の所得に影響するのは明らかだし、裕福な家庭に生まれていれば、大した努力をしなくても裕福になれるだろう。自己責任論はナンセンスだし、貧困層を見下した発言にしか思えない。その日から彼と友人でいることをやめた。もちろん全ての金持ちがこんなふうに考えているわけではない。いい人たちもたくさんいるだろう。しかし、金と権力を持つ人たちが格差拡大に関心を持たないと現状は変わらないし、むしろ悪化していく。彼らがどんな社会を望むかはわからないが、こうした問題に注意を払わないなら、最終的には彼らも他人事ではない問題に発展することは間違いない。
これを読んでどう考えているかを聞かせていただきたい。このブログは生産的な意見交換の場にしたいと思っているので、誹謗中傷はなしで、あくまで知性的かつ論理的な意見を寄せて欲しい。
その前に現職のトランプが大統領に選ばれたこと自体一見不可解だが…トランプはいま世界で流行ってるポピュリズムの先導者のようなものだ。意識的にやっているかはわからないが全く根拠はないのにスケープゴートを作り出し、民衆の不満の矛先を変えるのがうまい。それによって不満を抱える人たち(主に低所得者層)の支持を得ることができた。
一方サンダースは社会の中の不平等を指摘することに長けている。アメリカのような格差が深刻化する社会の中で、虐げられていると感じている人たちの代弁者となることに成功したのだ。
正反対かのように見える2人だが、不満を持つ民衆の支持を得たというところは共通している。その方法が違うだけだ。
日本ではどうだろうか。池袋で親娘2人が老人の運転する車にはねられ死亡するという痛ましい事故はまだ記憶に新しいことだろう。上級国民という言葉がネット上で頻繁に使われるようになったのもこの事故の加害者がなかなか逮捕されることなくしかも彼が社会的地位の高い人物だということが判明してからではないか。上級国民のはっきりした定義はわからないが、自分がそっち側の人間ではないのは確かなことだ。ではあなたの想像する上級国民とは例えば誰のことだろうか？そう考えてみると意外と思い浮かばないかもしれない。なんとなく贅沢な生活をして、権力の庇護を受けてオホホと笑っているような人たちのアホみたいな想像図が浮かんできたが、多分そんな人たち存在しない。上級国民は確かに存在するし、彼らが一般の人たちより様々な意味で生活の安全が保障され、安泰な生活を送っているのは紛れもない事実だと思う。しかし、その実態が知られることはほとんどない。そもそも私たちは池袋での事故以前に彼らの存在を意識することさえなかったのだ。そう考えると上級国民という存在が可視的になった今でも実際にどういう人たちが上級なのか我々はほとんど知らないのではないか。ステレオタイプのイメージを作り出し、妄想を膨らませ怒りや不満をぶつける。結局トランプがアメリカの大衆をに植え付けた意識とよく似通ったものがある。
問題は、上級国民やその存在を批判したところであなたの不満が解消されるわけではないし、彼らがあなたと同じような生活をする様になるわけではない。つまり、なんの問題解決にもなっていないということなのだ。
ではその問題とはなんだろうか。個人的には格差と不平等の拡大だと思う。トマ・ピケティが「21世紀の資本」で示したように、このおよそ150年の間、資本収益率>経済成長率の状況が続いてきて、金持ちはより金持ちに、貧乏人は相対的により貧乏になるという図が固定化されていた。経済成長率の落ち込んできた先進国ではグローバル化の影響も相まって格差の拡大は急速に進んでいる。それが民衆の中の不満さらにルサンチマンとなり、別の対象に向けられる。その結果が極端な右傾化、ポピュリズムの台頭などなのではないか。しかしそれは国同士、人同士の対立を激化させ、更なる不幸を生むだけだ。
全く個人的な話になるが、学校にいる香港から来た生徒と話をする機会があった。彼の両親は会社を経営しているようで、相当に裕福な家庭に生まれた彼の話すことと言えば、この車を買いたいだとか、高級なレストランで食事をしただとか、正直自慢にしか聞こえないし、本当にどうでもいい飽き飽きする話ばかりだ。いつも”I don’t f○ckin’ care”と叫びたくなるのを抑えて聞いているフリをしていた。そんな彼と格差や貧困のことについて話す機会があった。おそらく彼はそんなこと考えたこともないだろうし、貧困層に思いを巡らすこともなかったのだろう。彼の主張は自分たちは従業員を雇って雇用を維持しているし、所得税も40%も払っている、貧困に陥るのは自己責任だというものだった。(後で調べてみたら香港の所得税の最大税率は17%だった)そして何より一番ひどいのは貧困に陥るのは自己責任だという主張だ。貧困家庭に生まれれば、高い教育を受けられる機会は少なく、将来の所得に影響するのは明らかだし、裕福な家庭に生まれていれば、大した努力をしなくても裕福になれるだろう。自己責任論はナンセンスだし、貧困層を見下した発言にしか思えない。その日から彼と友人でいることをやめた。もちろん全ての金持ちがこんなふうに考えているわけではない。いい人たちもたくさんいるだろう。しかし、金と権力を持つ人たちが格差拡大に関心を持たないと現状は変わらないし、むしろ悪化していく。彼らがどんな社会を望むかはわからないが、こうした問題に注意を払わないなら、最終的には彼らも他人事ではない問題に発展することは間違いない。
これを読んでどう考えているかを聞かせていただきたい。このブログは生産的な意見交換の場にしたいと思っているので、誹謗中傷はなしで、あくまで知性的かつ論理的な意見を寄せて欲しい。