一度人生終わったような経験をした人と会うと、二言三言交わしただけで妙なシンパシーを感じるものだ。

多くの人はやりたかったことよりもやらなければならない目先のことに終始頭を悩ませている。

だけど「一回終了」した人は、人生の捉え方と速度が違う。

ドロップアウトして、いつ死んでも悔いのないように、とお金なんか気にせず片っ端からやりたかったことをしてみるとまったく違う人と景色が現れる。

意外と切望していたものは本気になれば3ヶ月くらいでやり終えてしまい、すっかり諦めていたはずなのに新たな好奇心が湧いてくる。

自分の場合だと、今の仕事は余生に与えられたもので、360度回ってからの肩書きなのでなおさら感慨深い。

パーソナリティとかアイデンティティなんてすっかり拭い去った後に、あえてまた資格なぞ取るとも思わなかった(苦笑)

「自分は何者でもない」と実感してから見る景色は、また新鮮である。

一度枯れた人生を彩るのもまた一興。

360度回り再び眺める景色は、同じ風景でもより馨しいものだ。