学生の頃、なんとなく仲間が集まり、飲んだり他愛もないことを話して時間を忘れ、朝を迎えていた

高尚なことではないけど、語り合って共にいることで友情や恋が生まれたり

いつの間にか深かった夜がぼやけて、空が濃い青から白みを帯びる

マンションのベランダから夜が朝に変わっていく様を見るのが好きだった

なんてことないベランダからでも早朝の凛とした空気は神聖さに満ちていて、その空気を共有することに小さな感動があった

いつの間にか人生も折り返し地点に差し掛かり、たくさんの小さな感動を自らが勝手に諦めていることに気がついた

「仕事があるから」
「結婚してるから」
「世間体があるから」

社会人として、世間の目も勝手に気にしながら、なりたくもなかった大人を気取ろうとしている

思えば子供の頃から大人らしく振る舞ってきたのに

初めての一人暮らしは最高の自由に他ならなかった
でもきっと家族がいたって自分が諦めなければもっと自由でいられるはずだ
人はそもそも自由なのだから

昨日とは少し違う凛とした朝焼けの空気

もう大人だけど、ほんの少し時間を忘れて仲間と小さな感動を分かち合いたい

それが大人が全力で遊ぶ、という空気感
楽學空(らくがく)のコンセプト

ワイガヤも好きだけど、喧騒の合間には静かで透き通った純粋な空間がある

せっかく生まれてきたのだから格好つけずに、好きなことを語り気楽な仲間と楽しんで生きよう

その先にはきっと小さな感動が待っている


➡29番  友情のカード