近所に焼き鳥屋ができた。

アットホームな感じでタレが癖になる。

店主の人が言うには「還暦で定年になった後の第2の人生」だそうだ。

焼き鳥屋を始めたきっかけは「出張先の九州で飲んだときに店の味に溺れて、この味を教えてほしいと頼み込んだ」のだとか。

その結果、九州にしかなかった味が広島でも味わえることになった。

定年間近まで勤めあげた還暦前の店主が「溺れる」味。

彼の人生を垣間見る瞬間がなんとも言いがたい喜び。

ひととしくった大人が「溺れる」甘美さと、人の意見なんて気にしない自分の味覚だけを信じる「突き抜けた」感

正直、タレは確かにいいんだけど、焼きに若干の惜しさが感じられる。

でも、中途半端に完璧でないところがまた惹かれるツボでもある。

彼の人生がスパイスとなった焼き鳥にここのところ溺れ中。