山海塾 「金柑少年2005」 | サウンド・パズル sound puzzle;December snow

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私が活動するプログレッシブ・ロックバンドscope(スコープ)の紹介や、すばらしい各国の音楽(演奏者側の観点からも)アート・映画等を気軽に書込みできるブログで紹介します。

japanese progressive rock band S C O P E 寺沢裕久 terasawa hirohisa

山海塾


 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで10月2日山海塾 「金柑少年2005」の公演があった。
 「金柑少年」は、昭和53年に東京の日本消防会館ホールで初演され、パリ市立劇場での最終公演(平成五年)まで、十五年にわたり上演を重ねた、山海塾の記念碑的な作品である。
もともとは、天児牛大氏ひとりで演じていたものを今年十二年ぶりに「金柑少年二〇〇五」として、若手7名で再演する。
 舞台は、原初の生き物の鼓動が聞こえてくる。少年期の夢想、エロティシズム、思い出されることのない心象風景の断片が、鮮明に舞台上で展開される。「生命の起源を問う少年の夢」の連なりは、やがて成人することの痛み、絶望、歓喜へと向かい、終盤、圧倒的な感動を呼び起こす。

終演後、天児牛大氏のトークショーがあり、いくつか面白い話を聴く事ができた。

1)もともと、日本消防会館ホールで初演したのは、自分ひとりでホールを借りる手配などもすることから、ちょうどいい場所、予算もふくめ、決めたという、そこの場所だからできることがあるという発想がおもしろかった。 「金柑少年」でサイレンの音がいまだあるのは、初演が 消防会館だったからだという。

2)音楽は、もともとマイルス・デイビス等を使用していたが、著作権の問題等からオリジナルを制作した話。アプローチはそのままに、プロのトランペッターに依頼しマイルスのようにと・・・・・天才マイルスには、かなわない!!と話はすこしそれた。

3)山海塾の稽古は、バレエのように鏡は、いっさい使わないという。なぜならば、鏡をみることにより、動きなどの必然性がうばわれ、形にとらわれてしまいがちになるからだという。
※腕は、○度に、というのではなく、表現目的により、角度はきまる。

4)「金柑少年2005」で、若手複数を起用した理由として、一人だとオリジナルと比較される問題があり、
複数を起用することにより表現がより豊になる要素がある。

ほかにも、クジャクをつかうおもしろさ、今回の公演にはインプロビゼーションはない、プログレッシブ・ロックなどの音楽の影響等いろいろ話をきくことができた。

個々が体・心・技をはじめ完成されたところから、舞台にたてる公演だと感じた。

山海塾 「金柑少年2005」
1)金柑少年
2)闇の手
3)孔雀
4)秘楽
5)豆太郎
6)処理場2
7)金属性の飛鳥