科学情報発信団体!スキエンティア

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今日は前回の記事で自然エネルギーを原子力発電の変わりに大幅採用するときの問題とした「安定した電気の供給」
これの対策として1.蓄電池の改良 2.スマートグリッド、この2つが出ました。
前回の続き、ということで今回はスマートグリッドとは?の話になります。

今ついている電力メーターは積算消費量や月間消費量を知ることができます。ただ、これはリアルタイムに「何がどのくらいいつ使われたか」ということは細かくわからないし、電気会社もリアルタイムにはわかりません。

これに対してスマートメーターという新種類のメーターがあるのですが、これは電気を消費する場所(家庭や工場など)1つ1つにスマートメーターという「何がどのくらいいつ電力を使ったか」という数値を表すと同時に、そのデータを電力会社にリアルタイムで送信し、電力が足りない場合によっては強制的に優先順位の低いもの(エアコンなど)を自動でとめたりしてくれます。
このことで、電力会社は「どの地域でどのくらい使われているか・いつ頃どれくらい使われているか」ということが正確に把握できるようになります。つまり、今までよりも「どの時間にどれくらいの電気が必要か」の予測を正確にリアルタイムにたてやすくなります。

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(スマートメーター)

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(詳細なデータ(英語))




・・・ということはです、以前の記事に書いたような「停電が起きないために無駄に多く発電する」ということをできるだけ避けられます。つまり無駄な電力を作らないでよくなります

実はこれだけではなくスマートグリッドには更に効力があります!
「どの家庭がどれくらい電力を使っているか把握できる」ということが可能になることで書く家庭で作られた電気を融通しあえるのです。

例えばAさんの家は太陽光発電ができる家で、ある時間に100kWの電気を作ることができます。それと同じ時間に家で60kWの電気を使用しました。
この場合太陽光発電によって作られた100kWから60kWを使用した場合40kW余りますよね。そして、今まで通りだと電気は蓄電池がない限り、溜めることができないので捨てられますよね。
しかし、スマートメーターにより「どれくらい電気が作られたか」「どのくらい使用したか」ということがわかるため、その本来捨てるはずだった40kWは他の家庭に回ります。
今までですと、電力会社からしか電気を供給できなかったところ、このようにスマートメーターによって電気の融通ができるようになります。

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これはつまりどういう結果をもたらすかというと・・・
1.家庭に設置してある太陽光発電などの自然エネルギーによって作られた電気は、今まで高価な蓄電池がないと捨てるしかなかったが、それを捨てないで済む
2.電力会社からすべての電気を得ずに、各自然エネルギー発電を設置している家庭間で電気のやりとりができる。そのため、電力会社の負担が減る。
3.自然エネルギー発電が使いやすくなる

となります。
そして、このような知的(スマート)な電力網(グリッド)ではりめぐらされることをスマートグリッドと呼びます。
これさえやれば、前の記事で書いたような余分な電気を溜めるための蓄電池がいらなくなるんですね。


さて、とりあえず「自然エネルギーは原子力発電の変わりになりうるか」シリーズの前編は以上となります。いかがだったでしょうか。
全体をみて、どちらかといえば自然エネルギーに関してネガティブなことを書いていた印象を受けるかもしれません。
ですが、注意してもらいたいのは私は「自然エネルギーは駄目!」といいたいわけではないのです。
世間の風潮が「自然エネルギーは万能!」のような感じになりデメリットを知らずメリットしかみないような印象を受けるので、みんなが見ていないデメリットを中心とした紹介という形になってしまいました。


それでは、今後はひとまず他の方たちの記事のルーチンへと戻りますが後編では他の自然エネルギーを利用した発電も紹介していきたいと思います。
お付き合いありがとうございました。