スクールマーケット代表取締役 山本哲也のブログ

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スクールマーケットのコンセプト、戦略について書きます

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私の周囲で、この本を話題にする方が多いので、読んでみました

インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ/晶文社

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原子人に戻るのというのは、次のような意味です。


<以下、引用>

原始時代、人間は数十人からせいぜい百人単位の小集団で暮らしていた。動物を狩ったり、魚をつかまえたり、木の実や貝などを採集しながら。

(中略)

そして、20世紀の終わり。インターネットが生まれた。

(中略)

私たちは、これまで文明が積み上げてきた巨大な組織の裏側で、原始時代に立ち返ったかのような「小さい村」をいくつもいくつも作り始めたのである。

(中略)

仕事の村。趣味の村。地域の村。家族親族の村。飲み会の村。お稽古ごとの村。ママ友の村。人には言えないあんな村こんな村…。

(中略)

原始時代と異なるのは、一人ひとりが所属できる「村」の数である。

(中略)

インターネットのおかげで、私たちは複数の「村」に所属できるようになった。

<引用終わり>


今更の指摘かもしれませんが、なかなか面白いお話です。他にも興味深い論点が多かったので、スクールマーケットと関係ありそうな範囲でご紹介いたします。

情報のリキッド化(液状化)について P:58

小林:コンテンツはいまやリキッド(液状)化していて、そこでひとつずつのコンテンツをどうやって露出させるかという、言ってみればショッピングモール型から行商型に、コンテンツの流通形態は変わってしまったんだよね。


コ・クリエーションについて P:95

柳瀬:コ・クリエーションと呼ばれるプロセスを繰り込んでいくと、製造業の現場では、作り手と買い手とが「みんなで一緒に作っている」感覚や商品そのものの物語を共有する余地が増えていく。「俺も参加した、あたしも意見を言った」って。

大企業の生き残り策について P:101

小林:旧来の大企業が得意としたような「大きな力」がすぐに全部なくなってしまうわけじゃないから、そこに今回話してきたような「新しい力」をどうやって取り入れ、活性化させていくかというのが肝心なのでは。

コミュニティーの形成について P:110

柳瀬:ソーシャルメディアの普及によって、構成員の顔がほぼ全員見渡せるくらいの村落規模のコミュニティーが再浮上してきた

ブリコラージュの重要性について P:117

柳瀬:レヴィ=ストロースが『野生の思考』で言っていたブリコラージュ。「その場にある適当なものをつぎはぎして、間に合わせで新しいものを作っちゃう」という未開人の知性、あるいは「すでにある当たり前の技術を、まったく別の用途で使ってみる」という任天堂のアイデアマン、横井軍平の「枯れた技術の水平思考」なんかともつながるよね

ローカルアイドルについて 136

小林:「誰でもメディア宣言」の次は、「誰でもアイドル時代」だと思っていて、要は発熱エンジンをどれだけ増幅できるかといことと、その生態系を維持できる仕組みがカギを握るわけ。なので、そこを加速させる装置を作って、それを支援してあげたい。要は昔でいうところの「隣のお姉さん(ガール・ネクストドア)」がリアルになりつつあるわけで、その発熱エンジンが今後の世界を面白くする。

■動画の重要性について 149

柳瀬:読者側は明らかに写真派、動画派になっている。読み手としてだけじゃなく、自分が配信するときもスマホから写真や映像を直撮りしてそれをコンテンツにするのが、長いテキストを送るよりも主流になっていたりする。むしろマスメディアがその流れに乗り切れていない。どうすれば「プロ」のメディア人が、動画や映像が台頭してきた時代に対応できるか?

リトルビッツについて 191

柳瀬:ベンチャーに賭けるほうも、リトルビッツ=『小さく賭けろ!』の世界になっちゃうわけか。先駆的に小さく賭けて、伸び始めたところに一気に集約するしかない。『リーン・スタートアップ』も同じ話だ


フリー/シェア以降の新ビジネスモデルについて 251 



小林:まずフリーミアム的にコンテンツを流通させ、認知されたうえでどういうビジネスモデルを作るかという「創造性」がない防御姿勢では、次の市場は生み出せないばかりか、既存市場をシュリンクさせる可能性もあるよ。そもそも定額で音楽を聴き放題のスポッティファイのような超人気サービスすら生まれない


半径100メートル以内のアイドルについて 259

柳瀬:さらに言うと、僕らは一方で、半径100メートル内のアイドルを目指す必要がある。自分が「村の中心人物=アイドル」として人が魅了される「何か」を発信していく必要がある