「処置の度に焼けた皮膚を剥がされ耐えきれない程の激痛が走り、毎日の処置の時間が怖かった。代われるものなら子供の分まで痛みを背負いたい…泣きながら心の中で(重傷を負った)長男に謝った」
つらい病床で、追い打ちをかけるような不快な出来事があった。花火大会の実行委である福知山商工会議所の幹部2人が面会に来た際の対応だ。
「『誠心誠意させてもらいます』という言葉とは裏腹にその誠意は微塵(みじん)も伝わらず、しかも同じ被害を受けた子供達には『謝罪』はなかった。服装はノーネクタイ、ノーブレザーのクールビズ。我々の気持ちを逆なでしに来たとしか言いようがなかった」
補償も不安
親子3人は9月1日にそろって退院し、名古屋市内の自宅に戻った。だが、完治まで先の見えない治療と、手つかずの補償にも不安がつきまとう。
事故から約1カ月を迎えたころから、被害者やその家族の現状を伝えるマスコミの報道を目にする機会が増えてきた。
「絶対に泣き寝入りをしてはいけないと思った。この大惨事、今も尚、苦悩の日々を強いられているであろう多くの人たちのためにも」
今回の手記も、理不尽な事故に巻き込まれた被害者の心情を知ってもらおうとの思いで筆をとった。
女性は今も、足のかかとなどに、赤黒いやけどの痕が残っている。
「台所で長時間立っているとヒリヒリと足に痛みが走り、事故当時のことが繰り返しフラッシュバックでよみがえる」。産経新聞の取材に女性は涙声で答えた。容疑者が逮捕されたからといって体の痛みとともに、心の負担が軽くなることもない。
「何よりも怖ろしいのは、事故が忘れ去られてしまうこと。犠牲者のためにも、生かされた被害者が協力して、大惨事を語り継ぎ風化させないことです」,エルメス ケリー。その声に決意がにじんでいた。
< 前のページ 1 2 3 4 次のページ > MSN産経ニュースwestへ MSN産経ニュースへ