先日この本を買いました。



第一章から引き込まれました。

え?占星術って
本来そういうことだったのか!

と、占星術の歴史と
その意味の変遷を知ったことで
私の中で
ただ自分の興味だけで学びたい
という範疇を超えて
これは人間にとって
学ぶ価値のあるものだという
結論になりました。


星占いのイメージって
あなたはこの星座だから
こういう傾向がある

という、タイプ別診断みたいなのと


毎日の星占いのイメージ

コールドリーディング満載の
誰にでも当てはまることを適当に言っている

みたいな根拠のないものという感じがして

胡散臭くて
あまり好きではなかった。

だって、人間をたった12タイプに
分けてしまうことにも抵抗があったし
毎日星占いで一日の行動を左右されるのも
自分でで生きてる感じがしないから。

ランキング12位です、とかみたら
それに影響されて
やなことが起こる気がしてたし。

でも、知れば知る程
そういう上辺のことは
どうでも良くなってきました。

雑誌などの星占いは
大衆受けするように
平たくわかりやすく
受け入れやすく
広がりやすくするために
上澄みに色をつけて
美味しそうにコーティングして
見せているだけで

本質はあまり伝わっていない


本質を知った上で
そういった今日の運勢とか
取り入れるのはいいと思うけど。


もともと昔の人は
天で起こっていることは
地上でも同じように起こっている
という捉え方のもと
占星術、天文学を
発展させていった。

この本には
私が疑問に思っていたことの答えが
はっきりと書いてありました。

天体の動きは
私たち人間に
直接影響を与えることはない




ただ、天体の動きを知り
それを自分たちの世界と照らし合わせる行為

それが占星術だと。



占星術とは周期の研究だと。

私がしっくりこなかったところは

天体からの影響が
直接人間に及ぶことが
果たしてあるのか

月や太陽の重力については
人間に影響があることは
理解できますが。


天体を観測して
その色や形、周期や動きなどをもとに
擬人化し
特有の性質を持たせたものが
占星術の天体の意味

実際にその天体から
人間が、天体に持たせた意味に関連した
影響を受けるわけではない

あたりまえと言えば当たり前

天体は自然物
ただあるだけ

意味を持たせたのは人間

天体同士が及ぼし合う影響を
主に動き(周期)を観察し
天体同士が近づいたり
離れたり
重なったり
反対の位置に来たりする

その時の地上の出来事を記録して
照らし合わせていく

それを何千年と繰り返して
できたのが伝統占星術

その要素は未来予測が中心であったので
人間の性格や性質とは
全く関係のないものであった

17世期ごろになると
キリスト教にとって
神にお伺いをたてるべきことを
占星術が担うことは
都合の悪いこととなり
占い禁止令などがでた。


このように迫害されてきた
占星術の歴史の中で
迫害を逃れるためかどうかは
定かではないけれど
未来を占うのではなく
これは、個人の性質や資質をもとにした
心理診断なんだと
自己認識のツールの一つなんだと
いう位置づけにしたのがアランレオ
が提唱した
現代占星術

平たくいうと
皆さんご存知の星占いです。

この星占いというのも
現代占星術とは違うものとして
独立しているように思います。


現代占星術は
天体を人間の資質とからめ
サイン(牡羊座から魚座までの12サイン)
を人間の性格や傾向に
置き換えて自己認識のツールとして
確立したのです。


ここで注意すべきことは
実際の天体の動きは使うけれど
その天体がどのサインにあるか
どのハウスにあるかというのは
人間が
こうしましょう
こうしたらわかりやすい
解釈しやすい
便利だからそうしよう

と決めたもの


実際の空にある星とは
全然一致してない

ということです。

ハウスに至っては
計算して出すようですが
出し方が複数あり、それぞれ
全然違う結果になったりする


こういった事実を知ったうえで
占星術を学ぶのと

実際にないものについて
ないということを知らず
それが真実であるかのように
妄信してしまうのとでは
使い方に雲泥の差が出ると思います。


真実ではないとわかったうえで
それを真実として
意味をつけて楽しむ

それは
人間特有の
知的な楽しみ

とても好きです。
こういう考え方。

人間は何かを信じていないと
生きていられない生き物

でも、なにを信じるのかは
人それぞれ自由だ

信じる際に
ただ受動的に信じるのではなく
能動的に信じるという行為をする

信じる、とは
動詞なのです。

西洋占星術とは
集合無意識の産物

ないものにあると意味を持たせて
それを信じる人が作る集合無意識が
現実を動かす

面白いです。
もっと知りたくなりました。

この壮大なファンタジーが
何千年もの歴史の中
途切れることなく続いてきたこということは
人間にとっての
メリットがあるはず。

そのメリットを享受していきます。