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遊郭のはなし

第2回『幽』怪談文学賞・長編部門特別賞賞受賞作。長島槇子作。


とある若旦那が、郭に勤めていた女に話を聞くところから始まります。物は、怪談話。

誰も語りたがらない、赤い櫛にまつわる話で、どうにも奇妙。そして、この話には結末が存在しないから、若旦那でなくても、話の続きが気になる。そうして、若旦那は郭の中へ話を聞きに行きます。


様々な人から、怪談話を聞き出す若旦那。

オムニバス形式で、話も短くどんどん読み進められる。けれど、ひとつひとつは、どこか繋がっている。

これは前に聞いた話の…。そんな引き込まれ具合に、次々と話を読み進めていくうちに、最後のどんでん返しにぶち当たる。いや、返してはいないのかも知れない。

決められた結末は、ここしかなかったような、そんなストンと落ちるオチに納得した気がします。


一気に読めば、1日で読み終わります。

一話一話が短いので、通勤のお供にもいいかも知れません。


遊郭、吉原、花魁…怪談話。で、心惹かれたなら、一読のかいはあります。面白いです。

ただし、怪談そのものに恐怖心をあおられることもなく、奇妙な、不可思議なといった感じです。一人でいると背後が気になってしまうようなこともなく、グロテスクな表現も一箇所を除けば、(多分)ないので、その手のものが苦手な方にも安心です。


これから夏に向けて、こんな一冊も良いかも知れません。


遊郭(さと)のはなし (幽BOOKS)/長島槇子
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