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mixのこととか。

連絡帳だったり備忘録だったり。

先日twitterにて行ったアンケートの結果も踏まえて音源提出について記事を書いてみようと思います。

 

歌い手さんとmix師の間でなにかと問題になることの一つが提出音源のことです。

こちらの記事を読んでいただければ、絶対に大丈夫!とは断言できませんが、大体のmix師さんに悪い印象を持たれない音源の用意ができるかと思います。

 

【ほぼ必須なこと】

・頭出し

・ファイル名の統一

・ファイルの分別

 

私の認識している、mix師が最低限やって欲しいことです。この3つは本当に「最低限」で、人によってはもういくつかやってほしいことがあるかもしれないので、合唱企画等の代表は確認が必要です。

各項目に関して、詳細を書いていきます( ´ ▽ ` )

 

◆頭出し

 

頭出しとは、カラオケ音源に歌っている自分の声の位置を合わせる作業です。

Audacity使用者の中に、意外と頭出しをしているつもりで実はできていないという方がいらっしゃるので今回はAudacity使用時の頭出しについて画像を使ってお話しします。

 

以下の画像はとある曲の録音後のトラックです。

画像1はイントロが長く歌いだし近くまで開始位置をずらして録音をしたため先頭に空白部分ができていて、このまま保存すると先頭まで歌い出しがズレてしまう状態です。

 

そこで、空白部分に「無音」の挿入作業を行います

クリック&ドラッグが右側から左側なのは、先頭部分ぴったりの選択はむずかしく、選択ミスによって無音の挿入範囲がずれてしまうこともあるので選択の開始を歌い出し側からにします。

 

画像2の通りに範囲選択後「無音」を選択すると画像3の小窓が出てきます。

ここは任意の数字を入力できますが、範囲指定後に開くと自動的に必要な無音範囲が計測され入力されているのでそのまま「OK」をクリックします

 

以上で「無音」の挿入作業の終了です。合唱等で途中部分の空白を埋めたい場合も同じように作業を行います。出てきた黒い線はクリックで消せますが、特にしないでも音源には何も影響ありません。

 

一度録音を停止したトラックを途中から、次の歌い出しまでの空白を埋めて同トラックに再録音する方法もありますが、それはまた別の機会に記事にしたいと思います。それか、ぐぐったらきっと出てきます( ´ ▽ ` )

 

 

◆ファイル名の統一

 

提出音源でmix師のモチベーションを左右するもう一つがファイル名です。

自分で録音したものを保存するときから以下の書き方をしておくと提出間違いもきっと減るかと思います( ´ ▽ ` )

 

私の推奨する書き方は、【曲名_自分の名前_合唱コラボの場合パート名_メイン・ハモリ等】というファイル名です。リテイク提出の場合は必ず「リテイク」と表記します。前と同じ名前にしてしまうとDAW(mixソフト)によっては読み込みができなかったり、読み込めても新しいものに差し替えられなかったりと困ったことが起きてしまいます(・ω・`)

(表記例→smiling_shia_miku_main solo/smiling_shia_miku_hamo_リテイク)

 

・曲名表記が必要な理由→どの曲のデータかわからなくなるのを防ぐ為

 

・名前表記が必要な理由→合唱の場合、多人数の音源を扱うためmix時に一目で誰のトラックか判断する為

 

・パート名表記が必要な理由→誰がどのパートを担当しているのか、頂く歌詞分けに書いてあることもありますが、歌詞の最上部もしくは最下部にかいてあることが多く歌詞と照らし合わせて見づらい為

 

・メイン・ハモリ等の表記が必要な理由→先日行ったアンケートで、合唱等ではソロパート、ユニゾンパート、全員パートを分けて欲しい派が圧倒的で、音源を分けて保存提出するのを推奨する為(何故わけて欲しいのかの詳細は下記。)

 

受け取ったファイルをこちらで名前変更することもできますが、大人数の場合その作業だけで時間を取られモチベーションも下がってしまい、作業時間が減る為完成度に影響することもあります。

 

◆ファイルの分別

 

どう書いたらいいか迷いましたがとりあえずここでは提出音源をソロ、ユニゾン、全員に分けることを「分別」と表記します。(アンケートにはありませんでしたが音被りトラックについても最後に追記してあります)

 

先日行ったアンケートで圧倒的に【分けてほしい】が多かったことについて、歌い手さんからの協力が得やすいように私たちmix側がどのような作業をしているのか、全て「私の場合」ですが一部お伝えしたいと思います。

 

・ソロトラック→一人ひとり違う音質を整えるため、個別にEQ(イコライザー)等のエフェクトを使います。パン(音の左右の位置)は例外がない場合はセンターです。

 

・ユニゾントラック→人に寄りますが、私の場合は3人以上全員以下が同じ音で歌ったもので、ソロより緩めに音質調整をします。パンはセンターに一人、人数に応じて左右に均等に振り分けます。

 

・全員トラック→合唱メンバー全員が一緒に歌う箇所です。個別の音質調整は私の場合はしません。ユニゾンよりも音の重なりが多く、音割れを起こしやすい箇所なため全体に対してソロやユニゾンとは違った調整を行います。パンはセンターを避けた左右に、ユニゾンより大きく振り分けます。

 

・音被りトラック→名前の通り、伸ばし音等で次の音と被ってしまっている箇所です。ピッチ補正やタイミング補正、リバーブ等のエフェクトにも影響がある為別トラックで提出していただく必要があります。被り箇所を境に前後に分けたり、被り箇所が多い場合は二つのトラックで交互になるようにするとファイル数が増えすぎず良いかと思います。

 

というように、箇所によって使うエフェクトやパン振りを変える必要がある為、あらかじめ分けて提出していただけるのが非常に助かります。こちらも提出後自分で振り分けることもできますが、名前変更よりも時間がかかり、かなりモチベーションが下がってしまいます。

 

 

以上が提出時にほぼ必要なことの解説でした。

全てのmix師が私と同じではないとは思いますが、参考にしていただいて悪いことはないと思います。

ファイルの分別に関しては全部一緒がいいという方もいるので、録音前に確認することを推奨します。どちらでも、という方や聞きそびれてしまった場合は別にしておけば分けるよりも合わせる方が簡単なので良いかと思います( ´ ▽ ` )