NASCAR Cup Series

Bank of America ROVAL 400

Charlotte Motor Speedway ROVAL 2.32miles×109Laps(25/25/59)=252.88miles

competitoon caution on Lap10

winner:Chase Elliott(Hendrick Motorsports/NAPA Auto Parts Chevrolet Camaro ZL1 1LE)

 

 NCS、プレイオフ Round of 12の最終戦はシャーロットのローバルです。この週末は天候不順、前日のXfinity Seriesのレース途中から雨が降ってきて、カップ戦のレースもぬれた路面でのレースとなりました。カップ シリーズよりちょっとだけロード コース戦が多いXfinityでは過去に雨に見舞われていますが、カップ戦では史上初の雨レースです。ただし、雨は決勝開始時にはほぼ上がっており、曇天で乾きにくいし路面に水はあるけど徐々に路面水量は減っていく、という極めて難しい状況です。

 

 デニー ハムリンとチェイス エリオットの1列目でスタート、レイン タイヤは4セットが供給されています。タイヤ側面のGOODYEARロゴが白いものがウエット、黄色がスリックです。チェイスは現在ロードコース3連勝中、事前の予想オッズでも一番人気、雨ではどうでしょうか。

 1周目から3位スタートのブラッド ケゼロウスキーが速く、ハムリンをかわしてリードを奪います。多くのドライバーのワイパーは止まっていますが、ケゼロウスキーは動かして走行。ペンスキーのワイパーはドライバーがいる左半分だけで動作する仕様みたいですが、動きがぎこちなくていかにも"とりあえず付けてますな感じ"がありますw この後3周目にチェイスもハムリンをかわしました。

 

 やや苦戦するハムリンと対照的に驚異的な働きを見せたのがなんとタイ ディロン。5周目に3位に浮上します。どこから来たの!?という感じですが、先週のタラデガで3位だったので17位からのスタートでした、ってそれでもすごいなおい。この後多少下げますがレースを盛り上げました。一方ケゼロウスキーはタイヤを使いすぎたかじわじわ下げていき、コンペティション コーションの時点でオーダーはチェイス、マーティン トゥルーエックス ジュニア、クリント ボイヤー、ケゼロウスキーとなりました。やはりマネージメントの上手い人はウエットでもロングで安定しているようです。

 

 13周目にリスタート、上位はステイ アウト。リスタートで外からトゥルーエックスが豪快にチェイスをパス、ボイヤーが続きます。一方後方グループではピットに入ってスリックに交換した人が苦戦中。弟ディロンは「3時間は雨は無い」というチームからの情報も受けて賭けにでましたが今はまだグリップ不足。そして13周目に最終コーナーでボイヤーがトゥルーエックスをかわしてリーダーになります。勝つしかないボイヤー、奇跡を起こすか!?

 非常にこのレースが難しいのは、オーバル部分は高速で高い負荷がかかり箇所であり、バンクがあるので水は下へと落ちて行き、つまり最も路面の水が無くなるのが早い、ということになります。これによりオーバル部分でレインは激しくタイヤを傷めつける一方で、ロード区間は内側にあるので水が残りやすく、かつ何本か川が流れていてスリックではそこで苦戦を強いられます。各所に設置されたバリアの下には水が溜まっており、ここから水がしみ出してきてなかなか綺麗に乾かないのもまた難点です。

 

 17周目、ボイヤーはレースをリードしますが、スリックを履いた弟ディロンがこのあたりから圧倒的に速いペースを刻み、ボイヤーを遥かに上回るペースで周回し始めます。ていうかこういう賭けって、むしろ勝つしかないコンテンダーのオースティン ディロンがやるべき戦略では(´・ω・`)

 先ほどのコンプコーションでレインからレインに交換したケビン ハービック陣営、外したタイヤの右フロントはブリスターがひどくかなり壊れていたので、ステイアウト組も右フロントがかなり気がかりな状況。そしてそういった状況と、空が明るくなり始めたのを見て、中団以降は18周を終えたところから続々とピットに飛び込みました。

 

 21周目、とうとうボイヤーを捉えたディロンがあっさりとかわしてリード。同じころ、スリックに替えたハムリンがスピンしていましたが復帰してノー コーション。

しかし23周目、ジョン ハンター ネメチェックはスピンして芝にハマってしまい、コーションとなります。看板を引き連れてなんとかコーション発生後に自力でコースに戻りました^^;前にも似たようなことがあったなと思ったら、

2年前にクリス ブッシャーが同じ会社の看板を引き連れてましたw

 

 これでレインのまま耐えていた人たちはピットに入ってスリックへ。ステージ残り1周でリスタートされる見込みだったため、ステイアウトするとえげつないことになるためもはや選択肢はありませんでした。

レインでステイアウトした人はこんなところまで出てタイヤの冷却^^; ステージ残り1周だけのシュートアウト、ディロンはそのまま逃げ切ってキャリア3度目のステージ勝利、クリストファー ベル、マット ディベネデトー、ウイリアム バイロン、ティミー ヒルと続きました。みんな前のコーション時にスリックで賭けに出た人たちです。コンテンダーでトップ10に入ったのは8位のジョーイ ロガーノだけでした、ヒルに至ってはカップ戦を主戦場に選んでないのでポイントを貰えもしませんw 一方意地でレインのまま走ったカート ブッシュはズタボロでした。

 

 ステージ2、ディロンとヒルはコーション中にピットに入ったのでベル、ディベネデトーの1列目でリスタート。ヒルはまだわかるとして、ディロンはなぜ自ら集団に埋まりに行ったのかちょっと戦略に疑問があります。リスタート2周目となる30周目にバイロンがベルをかわしてリードを。抜いた直後にインフィールドでうっかり濡れたラインに乗って自爆しかけましたがこらえました。

 

 34周目、5位のケゼロウスキーが単独スピン、して巻き込んでライン上にブーメランで戻ってきてしまい、避けようとしたエリック ジョーンズとディベネデトーが行き場を無くしてコース上で停車^^; さらに35周目に2位のベルも単独スピンを喫します。まだインフィールドに水が残っていて一瞬の油断で回ります。

 40周目、星野一義を思わせる縁石ノリノリ走法でライアン ブレイニーがバイロンを捉えてリーダーに。なんといってもブレイニーは2年前の初代ローバル勝者です。

 

 果たして上位勢、特に勝って逆転で次ラウンドに進みたいカイルとボイヤーがステージ終了前にピットに入ってファイナル ステージで頭を取りに行くのか、戦略が気になり始めたステージ残り5周、J J イェリーがクラッシュ、コーションとなります。イェリーが止まったのを見てコーションを察知したからだと思いますが、終盤区間にいた人たちはピットへ。一方、上位勢にそんな時間は無くまたしてもステージ終了間際のコーションに翻弄されます。

 

 今度はステージ残り2周でのシュートアウト、4ワイドにもなる大混戦に加え、濡れた路面で渋滞が発生してごちゃごちゃになる中で、カイルが左前タイヤをパンクさせて失速。さらに翌周にはハムリンがまたスピン。結局ステージ2を制したのはブレイニー、2位にチェイス、そして3位はコーション前にピットに入ったため得をしていたベルでした。

 

 

 ファイナル ステージ、ステイアウトしたベルとバイロンを1列目にリスタート。バイロンがターン1でリードを奪う一方、チェイスはルース ウィールでリスタートと同時にピットへ。このリスタートでも混乱があり、コール カスターが押されてスピン、連鎖反応で減速したヒルにハムリンが突っ込み、さらにジェームス デイビソンに押されて破損が酷くなりました。タイ ディロンもウォールに軽くヒット、やっぱり集団に埋まる選択が裏目になった気がします。

 バイロン、ベルに続いてボイヤーが3位まで巻き返してきた中の65周目、その弟ディロンがコース外へ飛び出して芝生で空転しコーション。本日6回目。燃料的にはちょっとゴールまで足りないタイミングで、そのためトップ3はステイアウト。以降の車は選択がまちまちです。

 

 68周目にリスタート、ここでボイヤーがベルをかわして2位へ。残り42周、プレイオフの望みを手繰り寄せるレースが続きます。ただ現地情報ではまた雨雲が接近しているようで、最終盤に再度雨が降る可能性もありそうです。

 

 69周目、カイルが兄ディロンに最終シケイン手前で追突。ディロンがクラッシュして7回目のコーション。脱落圏のコンテンダー同士での接触となりました。このタイミングなら燃料が足りる、とばかりに多くはここでピットへ。2タイヤや給油のみと、直近数回のコーションでタイヤを換えている人はタイヤ戦略で順位を得る一方、ボイヤーは4タイヤ+フェンダー修復で大きく順位を下げます。ブレイニー、ステンハウスの1列目。しかしターン1でステンハウスはウォーレスに押されてスピン。そしてこの混乱で集団が詰まる中で、ボイヤーはケゼロウスキーに追突してダメージ。ことごとくコンテンダーにトラブルが起こります。さらに、NBCの中継がリプレイを見ている間にブレイニーがなんと単独で飛び出してスピン。

コース全域はドライにもかかわらず、特にターン3~4では外側のラインに未だに水が残り続けています。これでなんとリーダーはライアン プリース( ゚Д゚) これにボウマンが続いてペースでは上回っているようですが、ボウマンは無理しないで後ろについているため集団が抑えられ、その間にだいぶボロボロになったカイルが約2秒差の5位でこのパックに加わります。

 

 82周目、プリースがターン3でミスって後続が一気にプリースをパス。しかしボウマンの真後ろにチェイスが迫っており、2周後のターン4で今度はボウマンがミスってチェイスがとうとう、というか結局は、というか、リーダーに戻ってきました。こうなると逃げられてしまうのでカイルとしてはおいしくありません。燃料面でも各車けっこうきわどいところで、もう1回コーション出てほしいなあとカイルあたりは思ったでしょうが、なんとびっくり、残り24周、ターン3にでっかいデブリーが落ちていてコーション。そしてなぜかマット ケンゼスがバリアに刺さっていました。リプレイも無くなぜ事故ったのか謎。

 

 ピットか、ステイアウトか、カイル陣営は無線で「リチャード ぺティー」とコール、その意味はステイアウトでした。が、、、ほぼ全車ピットに入ってしまい、タイヤを換えたチェイスが6位からリスタート。カイル援護のためでしょうが、ベル、ハムリン、ジョーンズの3人がステイアウト、そこにさっき自爆してサイクルがズレているブレイニーが続きます。もうカイル的にはブレイニーに後ろの邪魔してもらうしかありません。もう1つの可能性は、雨が早々に来て、みんなもう1回レインに交換する状況になることですがこれはもう運任せ。残り20周でリスタートです。

頼りになるカムリ4人衆!ベル以外みんな壊れてるけどな!!

 

 リスタートでベルが大失敗してごちゃごちゃになりましたが結果的にカイルはチェイスに対して3枚の壁を挟んでレースをリード。ところが翌91周目にカイルは水に乗って少し滑り、なんとジョーンズが援護するどころかカイルと争って抜いてしまいました。カイルはタイヤが古いのでこれではどうしようもなく、そしてジョーンズもまたあっさりチェイスに攻略されて結局チェイスがリーダーに戻ります。ステイアウト全く意味をなさず(;・∀・)

 

 残り12周、ブレナン プールがトラブルで止まってしまいコーション。弟ディロンはプールが止まったのを見て、コーションが出る前にピットに入ろうと賭けにでましたが残念ながら間に合わず。ステージ1終了後にピットに入って一気にレース展開が暗転した気がします。

 

 残り10周でリスタートされますがチェイスはすぐさま安全圏のリードを確保。この後もマイケル マクダウルがシケインで立て続けにスピン、ライアン ニューマンがスピンしたあとさらに復帰後にもう一度接触、残り2周では3位争いのカートとトゥルーエックスが接触してスピン、とドタバタしていましたがコーションは出ることなくそのままチェッカーへ。チェイスが結局はこのレースを制し、ロードコース4連勝。プレイオフ ポイント5点を加えてRound of 8へ進むことになりました。チェッカー後にも後方でジョッシュ ビリッキーが右後輪のバーストでクラッシュし車両が大破するアクシデントがありました^^;

 

 カイルは脱落が決定、今季まだ未勝利で、16年連続勝利に向けて残るレースはあと4つとなってしまいました。Round of 8はこのポイントで開始されます。

チェイスにとってここで得た5点は重要かもしれません。開催トラックはカンザス、テキサス、マーティンズビル。比較的標準的な高速と低速のイベントが組み込まれています。いよいよシーズンも大詰めとなりました。