NASCAR Cup Series

YellaWood 500

Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps(60/60/68)=500.08miles

competition caution on Lap25

winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEX Express Toyota Camry)

 

 NCS、プレイオフRound of 12の第2戦は恐怖のタラデガ。コンテンダー以外にとっても優勝を狙える、ラス ベガスとは比較にならないぐらいギャンブル性の高いレースです。先週、カート ブッシュがまさかの勝利でこのラウンドを一抜けしたため、当落線上のドライバーはより厳しい戦いを強いられることになりました。

 今週のトラック外の話題では、ヘンドリック モータースポーツとリチャード チルドレス レーシングが2021年からエンジン開発で協力することになりました。現在3ブランドの中で唯一ヘンドリックとECRの2つの主要ビルダーを持っていたシボレーでしたが、これでシボレーも事実上ヘンドリックのエンジンに統一されることになりました。

 デニー ハムリンと兄ブッシュを1列目にスタート、しましたがいきなりターン3でクラッシュ発生。クリストファー ベルの左リア タイヤがパンクしたようでスピンし、そこにタイラー レディックが突っ込みました。新人2名がいきなりの中破です。原因は不明ですが、スーパー スピードウェイでは最低車高規則が無いので、車高とタイヤ内圧のセットを間違えて、テストも無いので走ってみたらいきなり車体とタイヤがこすって壊れた、という可能性も考えられます。

 

 5周目にリスタート、スーパースピードウェイではチューズ ルールは無いのでレーンを選べるのはリーダーのみです。ってハムリンの車、先頭走ってるのに右側のルーフ フラップが常にちょっと浮いてるなあ。レースを通じて気にしながら見ていましたが、大なり小なりバタつくとはいえ、ハムリンは単独でもかなり暴れている気が。ちょっとしてこれでドラッグが減る、みたいな新しいインチキを見つけたのか?と思うのは考えすぎでしょうか^^;

 9周目、ホットケーキが描かれたおいしそうな車・リッキー ステンハウス ジュニアがクラッシュ。既に1回目のベルのスピンの際に玉突きでフロントにダメージを受けていましたが、ここでジョン ハンター ネメチェックが押しすぎて回されてしまいました。序盤から後方でレースが勝手に荒れます^^; Hungry Jackは見たまんまいわゆる"ホットケーキミックス"を販売している会社です。チームの主要スポンサーであるKrogerが食品スーパーですから、その関係の提携スポンサーという感じかもしれません。余談ですが"Hungry Jack's"とアポストロフィーSを付けると、バーガーキングがオーストラリアで展開しているファスト フード チェーンの名前になります。オーストラリア進出に際して、既にバーガーキングの名前が商標登録されていて使えなかったので、代替名としてこの有名なホットケーキミックスのブランド名を使用することになった、とWikipediaには書いてありました。

 

 ハゲしく話が逸れました。13周目にリスタートされますが、今度はコリー ラジョーイがトラブルで止まってしまいすぐにコーションとなります。そしてこの後YouTubeの配信もおかしくなり、ぐっちゃぐちゃの映像で勝手にどんどん時間が進んでいきました。それはそれは見れたもんじゃない映像が2分ほど続き、コンペティション コーションはあっという間に通過し、レースは勝手に39周目になっていました。どうなってるんだYO/(^o^)\ リーダーはエリック ジョーンズになってるし、ハムリンはリード パックから離れて映ってないし、話に付いて行けないw 60分ダイジェストで見たら、ハムリンは32周目に自分から下がったようです。

 

 この後ペンスキーの3台がレースを引っ張りますが、コンテンダーはステージ ポイントを求めて前を狙い始めて次第に動きがハゲしくなります。最もポイントが欲しいはずのなぜかクリント ボイヤーはおいてけぼりになってしまっています、どうしたw

 ステージ残り3周、リーダーのエリック アルミローラがバックストレッチでアレックス ボウマンに押されてクラッシュ。ボウマンは後ろのロガーノから大きなプッシュを受けて加速しましたが、アルミローラはインから抜きに来ると思ったのか、たまたまインへ下りようとしたのか左へ動き、ボウマンは逆に右へ動いたために角を押す形になってしまいました。カイル ブッシュも巻き添えでハンマーの登場です。

壊れた車は殴るのが一番

 

アルミローラはリタイア、そしてコーション下でステージ1は終了し、クリス ブッシャーがステージ1を制しました。先を急いだ人たちは高い代償を払わされました。ボイヤーは遠くにいたので事故に遭わず結果オーライでした^^;

 

 ステージ2、開始早々の68周目にダメージ持ちだったカイルの左前タイヤが壊れてデブリーによりコーション。

オーダー、テープ入りまーす

 

 その後レースは平穏に進み、86周を終えてヘンドリックを中心にシボレー勢がピット。翌周にリーダーのエリック ジョーンズがピットへ向かい、ましたが入る前にコーションが出てしまいました。ブレイニーのタイヤが壊れたようでターンを曲がれずウォールにヒット、破片が転がりました。優しい当たり方だったので車は無事です。無事と言っても既にだいぶ壊れてテープだらけなわけですがね。

 アンダー グリーンであれば当然各車燃料のみの作業を想定していたでしょうが、コーションになった&どうせシボレー勢がフィールドの前方を抑えていることは確定しているので、タイヤを換えるところも多く見られました。93周目にチェイス エリオットをリーダーにリスタートです。

 

 チェイスが率いる内側のラインに対し、外側はうまく流れを作ることに失敗。シングル ファイルのレースになるかと思われましたが、ペンスキーの車が外側に来るとようやくこれを起点に外にも車が集まり出してダブル ファイルでのレースに。

ジミー ジョンソンは巨大なデブリーを引っ付けて走行。マット ディベネデトーのフード フラップです。MattDは次のピットで付け直さないとダメですね。なんてことを思っていた矢先のステージ残り12周、大事故発生。

そのジョンソンがトライ オーバル部分でボイヤーに押されて姿勢を乱しスピン。前から2台目の車が回っては後ろはどうしようもなく多重事故になりました。ボイヤー、ステージ1はリスク回避して切り抜けたのに、点数を取りに行ったステージ2で自ら事故を招いてリタイアです。これが引退レースとなるブレンダン ゴーンもここに巻き込まれてしまいました。

 

 赤旗を挟んでステージ残り7周でリスタート。ディベネデトーがロガーノをタンデム ドラフトで押し上げると、まだステージ2なのに、まるでチェッカーに向かうかのように駆け引きの応酬。壊れてる車も多いので、ターンでの挙動が怪しかったりして危うい状況が続きます。ロガーノは急な進路変更でディベネデトーをコース外に押し出したためペナルティー対象となり、ステージ ポイントがどうせもらえないため争いから撤退、最後はみんな冷静さを取り戻したのか手を緩め、マーティン トゥルーエックス ジュニアがステージ2の勝者となりました。

 

 

 ファイナル ステージ、ハムリンは「まだ勝負どころじゃないぞ」と言われ、リスタート前に再給油して後方待機継続の模様。果たしてこの選択が吉と出るか。一方序盤にアクシデントに巻き込まれたアレックス ボウマンとレディックがここで外側の1、2位となる場面もありました。ボウマンはコンテンダーなので、どれだけボロボロになろうがとにかく食い下がりたいので、なんとここまで既に11回ピットに入っているとの情報。

 トゥルーエックスが途中無線で訴えかけていましたがペンスキーはやはり速いようで、とりわけロガーノはやはり人気があるのか彼が動くと流れが動いていきます。ずっとイン側優位で展開していたのが、ロガーノが来た途端アウト側優位の隊列に鮮やかに切り替わる様子はいかにもスーパースピードウェイだな、と毎度関心します。この変は相場の転換点を見極めて常に勝ち馬に乗る短期売買のような勝負勘がやはり重要なんでしょう。

 

 残り41周、ピット時期が近づいてくる中、周回遅れになったジョンソンのテープ補修がどう見ても飛び散りそう、と思ったら、やっぱり部品が飛び散ってコーションになりました。ジョンソンは給油口が壊れてるのでそのままでは給油ができないため、ガレージで修復して戻ってきたそうです。

 

 これで当然全車ピットへ、ボウマンはまた修復作業を進めました、12回目のピットですね^^; そして残り36周でリスタート、燃料的にはまあなんとかギリギリどうにかなるだろう、というぐらいの状態です。

 

 残り30周あたりからリーダー争いが展開され、ロガーノvsチェイス、時々ウォーレス、という状態。ロガーノはコーション中に1回給油しただけで燃料を気にする一方、チェイスは再給油していたので、多少余裕があります。ただ、ロガーノは少々抜かれても誰かが常に後ろでサポートしてくれるのが強み。その分ドラフティングに入って燃料を節約する余裕もない、ということになってしまいますが^^;

 

 残り10周を切るとウォーレスがロガーノの前に入って2台がけん制し合いつつの直接対決、依然としてインにいるチェイスは後ろに付く人が減って劣勢になります。そして残り7周、そのチェイスが外されて代わりにディベネデトーが勢いよく上がってくると、これを好機と見てロガーノがインに下りて勝負に出ました。ウォーレスの後ろはこれでライアン プリースとなりましたが、プリースはターン2の出口で変に押してしまい、ウォーレスはウォールにヒット( ゚Д゚) これで失速しました。これでリーダー争いはロガーノとディベネデトーとなりますが、先ほどの混乱が波及したのか別件か分かりませんが、ジェームス デイビソンがスピンしておりこれでコーションとなりました。

 これでレースはオーバータイムへ。ロガーノは燃料が厳しい中ですがとりあえずまだ大丈夫との情報。そしてステージ2でディベネデトーに押してもらったのを「最高!」と歓迎しており、2台で勝ちを狙いに行きたいところです。Matt Dのフラップは完全に外れたので直しようがない、ということなのか、フードには穴が開いたままです^^;

 

 オーバータイム、ロガーノとディベネデトーの1列目でリスタート。Matt Dはちょっと違反リスタートくさいけどハービックが猛プッシュ。バックストレッチでロガーノがこの頭を抑え、希望通りのディベネデトーによるプッシュを受けます。しかしターンでプッシュをやめてインに下りると、チェイスがすごい勢いでロガーノの背後に現れ、ターン4でインへ。ロガーノはこれをラインを変えてブロックに行ったため、チェイスはエイプロンに追いだされながらもロガーノをパス。そしていよいよファイナル ラップへ向かう、はずでしたが、その前にトライオーバル部分でレディックがカイルを押して回してしまい、これをきっかけにまた多重事故発生。

ここまで来るとテープと金槌では無理(´・ω・`)

ロガーノはブロックに行った結果失速していたところ、この事故に巻き込まれました。どちらかというと、強引な進路変更でチェイスをコース外に押し出した感じでしたので、自業自得な結末になりました。そして、デイトナなら既にスタート/フィニッシュをリーダーが通過していますが、タラデガだけは全トラック中唯一ラインがターン1に寄っているため、チェイスがホワイト フラッグを受ける前にコーション、オーバータイムは2回目へ突入します。その前に事故車が多すぎて赤旗ね^^;

 

 2回目のオーバータイムを前に燃料が不安な人がピットへ。1列目はチェイスとディベネデトー。上位は149周目からのコーション中に給油した組で燃料はかつかつ、そしていつまでたってもコーションの度にピットに入ってて前に出てこなかったハムリンがここでなんと3列目にいます。タイヤも新しいし車も綺麗だし、大チャンス到来です。

 

 2回目のオーバータイム、1列目の2人は後続を従えつつ勝負所を探るような展開で、ハムリンがとうとうチェイスの後ろにつきましたが、中団でウォーレスがプリースと接触してターン4でクラッシュ。ウォーレスは大外から思い切って仕掛けていきましたが、ドラフトを失って失速しながらプリースの前に入ろうとしたために接触。これはウォーレスの責任な気がします。これでオーバータイムは3回目へ。

 

 もはやステイ アウト組は給油するしかないかと思いきやMatt Dは勝ちを狙ってなんとなおステイアウト。1列目にディベネデトーとハムリン。嫌でも昨年のブリストルを思い出します。リスタートからクリス ブッシャーがタンデム ドラフトを仕掛けてディベネデトーが大きくリード。そのまま1周半回って最終周のバックストレッチまでリードを維持。しかし最後のターン3~4でウイリアム バイロンがインに飛び込み、ディベネデトーが強引に抑えにいったため、コース外へ押し出す格好になって接触。

クラッシュはしなかったものの、これで2台が失速してその間にハムリンがダブル イエロー ラインの内側から2台をパス。最後はバンプとサイドドラフトの応酬になりましたが、僅差でハムリンが逃げ切りました。コース外からの追い抜きになりましたが、審議の結果NASCARはハムリンを勝者としました。

逆に、2位でチェッカーを受けたディベネデトーは押し出しに対してペナルティーと判断され、20位へ降着。また、チェイスも同様で当初21位と裁定されたものの後にさらなる調査で訂正され5位を取り戻す一方、ブッシャーが押し出しペナルティーで21位となりました。

 

 今回非常に事故が多く、それと同時にダブル イエロー ラインの抜いたの追いだしたのの話が複数回出てきました。最終的に降着裁定まで出たことで論争になったようで、NBCの2人の解説者、デイル アーンハート ジュニアとジェフ バートンは『ルールを廃止すべきではないか』、と持論を展開。しかしNASCARの副社長・スコット ミラーはこれを否定しました。

 

 全くルールが無いと無茶苦茶なブロックが横行しては困るので、最低限ルールが必要だとは思います。バックストレッチに関しては、抜いたのか追いだされたのかは区別がつきやすいのでそのままでも良い気がしますが、杓子定規にターン4あたりの行為を判定されるのは確かにちょっと違うかなと思います。逆から言えば、コース内なら無茶苦茶なブロックでもいいのか、ということになりますし、実際危険なのは、今回のディベネデトーはたまたま事故にはなりませんでしたが、右から左へコースを横断しての強引なブロックだと思います。単純に黄色い線だけで考えるのではなく、先行する車の進路変更に対してペナルティーを課すような、言うなれば日欧のレースに近い考え方をここには持ち込んだ方が安全で公正なレースができるんじゃないかと思います。最近ロガーノとかブレイニーとか、最後に強引に動きすぎて必ずと言っていいほど事故を誘発しており、スーパースピードウェイの見どころ、という範疇を超えて、無意味にレースと車を破壊しているように私には見えます。

 

 で、そんなディベネデトーですが、結果トップでチェッカーを受けていても取り上げられた、というのは別にして、惜しかったのはバイロンをブロックする前の動きだったと思います。ターン3でブッシャーがジョーンズを押して迫ってきましたが、押しすぎで曲がれないような勢いでした。しかしディベネデトーはこれに反応して外へブロックに動いてしまい、その右に動いたタイミングで左側にバイロンが潜り込んでいました。ジョーンズを無視していればバイロンへのブロックはたぶん間に合ったと思いますし、そして間に合わないならとりあえず行かせても、タラデガなら取り返す余地はありました。このあたりが本人もスポッターもまだ経験不足なのかな、と感じました。もちろん走ってる方は必至なのでそんなこと冷静に言われても困りますが、結局最後にトップになれるか否かの差は、単に運や展開だけでなく、こうした見切りも関係していると思います。

 

 ハムリンはこれで次ラウンド進出、エリック ジョーンズ、タイ ディロンと来季のシートがまだ決まっていない2人が2位、3位でフィニッシュしました。コンテンダーも事故に再三巻き込まれたため選手権はどうなったかというと

 

1 Denny Hamlin 3141 win
2 Kurt Busch 3048 win
3 Kevin Harvick 3121 +68
4 Chase Elliott 3097 +44
5 Brad Keselowski 3094 +41
6 Martin Truex.Jr 3085 +32
7 Alex Bowan 3075 +22
8 Joey Logano 3074 +21
  ここから下は脱落    
9 Austin Dillon 3043 -21
10 Kyle Busch 3053 -21
11 Clint Bowyer 3036 -38
12 Aric Almirola 3026 -48

青背景は次ラウンド進出確定

 

ディロン以下は事実上勝利が必要なほどの点差になってしまいました。なおかつ次戦はシャーロットのローバル。正直カイル以外は普通に走ってる分には勝てるメンツではなさそうです。しかも、ロード コースはステージ ポイントを取りに行くと次ステージで集団に埋まって、ステージポイントと勝利の両方を取りに行くのはかなり大変です。ただ、逆の見方をすれば、カイルが勝ってしまうとトゥルーエックス~ロガーノは接戦なので、カイルの動向が注目でしょう。

 

TVアニメ、シャーロットの再放送がBSで始まりましたが、こっちのシャーロットも見てね☆