NASCAR Cup Series
Federated Auto Parts 400
Richmond Raceway 0.75miles×400Laps(80/155/165)=300miles
competition caution on Lap30
wiinner:Brad Keselowski(Western Star / Alliance Parts Ford Mustang)
NASCAR Cup Series、プレイオフ2戦目は旋回時間が長いショート トラックのリッチモンド。
シーズンも終盤に来ているので今季経験済みのトラックも増えてくる中、リッチモンドは今季初走行です。
とにかくステアリングを切っている時間が長く、ハーフ スロットルで我慢する時間も長いため難しいトラックです。
マーティー スナイダーがロガーノ陣営の話として伝えたところによると、今年は最終戦がフェニックスで、
ここと同じ750馬力の低ダウンフォースパッケージを使用するため、このリッチモンドのレースでの仕上がり、
レース運びをどの陣営も重要視している、とのこと。ショートオーバルはこことブリストル、マーティンズビルの
3戦が残っていますが、1マイルで低バンクのフェニックスに最も似ているのはここです。
例年なら1.5マイルを制する者がシリーズを制す、という感じでしたが、今季はショート オーバルを制する者が、
となるでしょうか。
ケビン ハービックとジョーイ ロガーノの1列目でスタート、しかし出足好調だったのはオースティン ディロン。
先週の活躍に続いて今日も22周目にハービックを抜いてなんとリーダーに。ショートトラックでディロンが速い、
というイメージは全く無いのでこれは驚きです。(ただしデータ上は他と大差なかったです)
NBCの放送でも「多くの人がディロンはステージ1で脱落すると思っていた」と、先週の活躍を番狂わせと
見ていたようですが、流れを引き継いでの快走です。このままコンペティション コーションまでリードしました。
コンペティション コーション中のピットでは、ライアン ブレイニーがナットの締め忘れで再ピット。
これでコーションでの緊急ピットは2戦連続ですが、この後もブレイニーは全く調子が上がらず、結局レースを
19位で終えることとなってプレイオフ ランキングで最下位となりました。
コンプコーション後はハムリンがレースをリードしますが、ディロンはこれにきっちり追随。途中ハムリンに
仕掛ける場面もありました。しかし抜くには至らず、そのままハムリンがステージ1を制しました。
今季8度目、今日はハムリン無双の日でしょうか?ディロンのステージ ポイント9点はかなり大きいです。
ステージ間コーションのピットでも先頭を維持したハムリンでしたが、なんとお得意の速度違反をやらかし後方へ。
そしてなんとディロンも同じく速度違反でした(´・ω・`) というわけで、ステージ2はロガーノとハービックの
1列目で始まります。スタートの状態に戻りました。
リーダー争いはロガーノとブラッド ケゼロウスキー、チームメイトによる争いとなります。そして3位には
現在リッチモンドで2連勝中のマーティン トゥルーエックス ジュニアが来ました。
115周目あたりからケゼロウスキーはロガーノにしかけ始め、121周目にインからパス。ロガーノは
ややタイト方向の車に見えます。
後方で苦戦しているマット ディベネデトーがステージの半分にはかなり通り60周というところでピットに入って
2ストップの動きを見せると、上位勢から4位のハービックがやはり2ストップを選択した模様でピットへ。
ダーリントンではこれがハマりましたが2匹目のドジョウは柳の下にいるでしょうか?
ステージが残り85周となったところでディロンがピットへ。速度違反で後方リスタートから既にトップ10圏内へ
驚異の追い上げを見せており、ここは多少残りの距離が長くてもアンダーカットに行った模様。ここから
前後の車がピットに入り始めます。一方、同じ速度違反組でもハムリンは集団に埋まったままで15位以下、
ハンドリングが非常に悪いようで、結局最後まで解決できずこのレースを12位で終えています。
リーダーのケゼロウスキーはとりわけ4位以下には大きなリードがあったのでじっくり動きを見て162周目にピット、
これで見た目上先に入った人たちが前方にきてリーダーはハービック。、ケゼロウスキーは9位、
そのケゼロウスキーをロガーノがアンダーカットして8位です。
ステージ残り54周、既にタイヤが古くなっているハービックを、早めのピットで2位まで上げていたディロンが抜き、
これで兄ディロンがとうとうリーダーに。この後ハービックはステージ2度目のピットに入りましたが、グリップ不足で
ラインを外してコミットメント ラインを踏んでしまいペナルティーとなりました。
ディロンの速さは本物で、タイヤの履歴差があるにもかかわらずなかなかケゼロウスキーが追いつけません。
ステージ残り18周でようやくケゼロウスキーがリードを奪いましたが、ここまでのディロンの成績を考えると、
一体何を見つけたんだ、と驚くしかない走りです。しかも抜かれた後もなかなか離れない( ゚Д゚)
ステージ2はこのままケゼロウスキーが勝利、ハービックはリード ラップに自力で戻ってステージ10位。
リーダーから22秒差だったので、仮にペナルティーが無ければおそらくハービックはケゼロウスキーより前で
ステージを終えていました。ディベネデトーも周回遅れではありますが、1回目のピット時に争っていた人より
前方のステージ19位で終えており、理論上2ストップは速いことが確認されました。こうなると少し距離が長い
ファイナル ステージは2ストップを選びたくなるところです。
ファイナルステージ、ケゼロウスキーとトゥルーエックスの1列目でリスタートしますが、ロガーノが2列目から
強烈なリスタートでトゥルーエックスをかわしすぐさま2位へ。今回は速度違反しなかったディロンですが、
ピットで順位を2つ下げ、リスタートでもバタついてズルズルと8位に後退。タイヤへの入力が小さい分、内圧が
なかなか上がらなくて序盤が苦しいように見えます。
292周目、2位のロガーノが上位勢でいち早くピットに入ると、これをきっかけに一斉に各車ピットに入りだして
主流の戦略は2ストップで確定、ロガーノはケゼロウスキーをまたしてもアンダーカットしました。
この後1ストップ狙いの人がピットに入ってサイクルが一巡、317周目にケゼロウスキーがロガーノを抜いて
こちらも元に戻ります。ロガーノは序盤に飛ばしすぎたのか、トゥルーエックス、ディロンにも続けて抜かれました。
残り65周、ディロンがこのやや早いタイミングで2回目のピットに入ろうとしましたが、減速に失敗して入れずに
時間だけを失う痛恨のミス。無線で「まだ勝てるレースだぞ!」とハゲまされます。
これをきっかけに2ストップ目のサイクルとなり、ケゼロウスキーは作業にやや時間がかかったのか、
ディロンがアンダーカットに成功。残り50周で1ストップ組のカート ブッシュとこの2人がちょうど一か所に集まり、
ディロンはカートを抜いてケゼロウスキーには抜かれてしまいました。ディロンはやはりスティント序盤に苦労し、
トゥルーエックスとロガーノに抜かれて4位に後退。それにしても全くコーションが出ないレースです。
昨年はリーダーのトゥルーエックスが周回遅れに撃沈されたり、レース後車検でエリック ジョーンズが
失格になったりと色々あったレースでしたが、今年は本当に何も起きないままレースは進み、ケゼロウスキーが
2014年以来6年ぶりにリッチモンドで勝利を挙げました。今季4勝目、次ラウンド進出も確定です。
スポンサーのWESTERN STARはアメリカの映画とかで良く見るバカでかいトラックを作る会社です。
しかし今回はやはりディロンに尽きます。開幕からの25戦(1戦は欠場)でトップ5が2回、通算ですら15回しか
無かったドライバーがまさかの2戦連続トップ5。『アンダードッグ』ゆえに何か別のセッティングを試みたのか、
集めたデータが急に役に立ち始めたのか。これにより、次ラウンド進出争いは予想がつかなくなりました。
https://www.jayski.com/nascar-cup-series/2020-nascar-cup-series-playoffs/
今回やや不調で苛立ったもののハムリンはポイントで次ラウンド進出確定。まあ9位のカイルまでは
比較的固いでしょう。ディベネデトーは危機的ですが、NBCの放送席が何度も「彼にとってブリストルは特別」
とわざわざ話題にするほど、彼のブリストルでの戦いは注目を集めていると思われます。その重圧に対して
どういった力を発揮できるか、彼にとって1つの見せ場、今後を占うレースでもあると思いますが、
ステージ ポイントを稼げれば勝てなくてもギリギリ可能性がある点差です。
ブレイニーも同様の状況ですが、彼はブリストルでなぜかトラブルが多く、平均順位20.7は複数回経験のある
トラックの中で2番目に悪い成績です。ちなみに一番悪いのがここリッチモンドでした。ブレイニーには
災厄のようなラウンド構成ですね^^;
次戦ブリストル、一撃リタイアもあるトラックですから最後まで目が離せません!